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新日本プロレス:Best of NJPW 1994の分析


名勝負 天龍源一郎vs.橋本真也(2/17/94)
好勝負 馳浩、武藤敬司vs.スタイナー・ブラザーズ(1/4/94)

Jrタッグ・リーグ決勝:ワイルド・ペガサス、大谷晋二郎vs.グレート・サスケ、ブラック・タイガー(10/16/94)

橋本真也vs.馳浩(12/13/94)

@馳浩、武藤敬司vs.スタイナー・ブラザーズ(1/4/94)
 まずはじっくりレスリング。
 馳がアマレス・スキルを引き出したスコットとの攻防は良かったですね。

 スタイナーズがダブル・ボディリフトを決め定番の合体アピール。
 ただこれで主導権ということはなく仕切り直し。
 スタイナーズにしては長い21分という試合時間設定の為、足し算の構築になっていますね。

 武藤、馳も負けじと花道スポットでアピールできていますね。

 一方で掛け算ではなく、
 スコットの雑な部分も少しあって、大きな跳ね要素が欲しい所。
 
 そうするとお待ちかね、と言わんばかりに
 スコットが馳を担いで強烈なドライバー。
 あまりに危険な一発に空気が変わりましたね。
 
 そのインパクトによる勢いそのままに
 控えも加わって迫力ある攻防を繰り広げました。

 化学反応で掛け算が起きた同一カードほどではないし、
 最後カットが間に合ったように見える3カウントでしたが、
 充実の内容で、ぎりぎり好勝負です。
 (執筆日:5/?/20)

A越中詩郎vs.スーパー・ストロング・マシン(2/5/94)
 カードとしては弱いものの
 平成維震軍vs.WAR7番勝負 第7戦という
 シチュエーションの援護を受けてメインとなっています。

 単純性と変化を上手く組み合わせていますね。

 もう少しスキルを発揮すべき場面もあったし、
 スポットの絶対値で勝負できない弱みも明確でしたが、
 それでもどっちが勝つか分からない面白みがあり、
 それこそこの試合に求められているものでした。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:5/?/20)

B天龍源一郎vs.橋本真也(2/17/94)
 喧嘩スタイルのぶつかり合い。
 受け手には根性の他何も要求せず、
 重すぎる打撃を叩き込んでいきます。
 自然と間が作り出される中で
 情感的な挑発や相手の予想を覆すえぐさも入り込んでいく。
 中盤の橋本が守勢からいきなり放った腹への蹴りはやばかったですね。
 天龍が吐いて試合中止になっても不思議ではなかった。
 常人の上をいく削りあいの中
 終盤は天龍の技の決め方の演出も光りましたね。
 新日の歴史に残る潰しあい。
 ぎりぎり名勝負です。
 (執筆日:1/?/15)

CSJカップ準々決勝:グレート・サスケvs.エル・サムライ(4/16/94)
 鋭く切り込んでくるサスケに対し、
 サムライが脚攻めで捕え、グラウンド卍。
 前半の帰結としてしっかり見せれています。

 サスケ・スペシャルから後半戦。
 サスケはメリハリをつけた独特の試合運びが出来ており、
 サムライもこういう大一番では
 他の一流Jr.をも圧倒するスケール感を見せます。

 2人の魅力が見事に化学反応を示した試合で
 前半も後半も全てにおいて輝いていました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

DG1公式戦:越中詩郎vs.馳浩(8/5/94)
 (途中から)
 馳は脚に狙いをつけると共に
 平手打ちして唾を吐きかけて挑発したりと
 千両役者っぷりを見せてくれます。

 一方で越中は反撃のシークエンスが短期でまとまって
 良くも悪くも馳の独壇場な印象が強い。

 しかしドラゴン・スープレックスを皮切りに始まった
 後半戦では投げを中心にノー・ガードの攻め合い。
 相互に場外で投げたりと
 インフレしているが熱い攻防を見せました。

 くどくならないように形を作り、
 ポイントで間を置いて表現性も持たせたのが素晴らしかったですね。

 思わぬ熱戦でした。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/?/20)

EJrタッグ・リーグ決勝:ワイルド・ペガサス、大谷晋二郎vs.グレート・サスケ、ブラック・タイガー(10/16/94)
 ペガサスとブラック・タイガー、大谷とサスケに遺恨があるようです。
 試合は乱戦スタート。
 ブラック・タイガーが椅子攻撃を放ち、
 いきなり大谷を孤立させ、合体技で追い込んでいきます。
 技に入る瞬間、炸裂する瞬間が実に鋭いですね。
 早すぎる展開ではあるものの
 ここで捕まった大谷が孤立から逃れるだけで良しとせず 
 スプリングボード式ダイブで一矢報いてからタッチしたのが良いですね。
 これで一旦完結し、全体の土台として成立した。
 タッチしたペガサスは業界一のエネルギッシュなファイト。
 しかし控えのブラックがちょっかを出してきた際に
 何もリアクションを返さなかったのは残念です。
 それだけ集中力を途切れさせる事の出来ない戦いと見れなくもないが
 普通に大谷はやり返していますし、
 ブラックxペガサスの絡みは意図的に温存しているんですよね。
 サスケのビッグ・ダイブから更にスパートし、
 そのブラックとペガサスの絡みが遂に実現。
 只終盤まで焦らした割りには・・・って印象でしたね。
 何も見応えがなかったというのではありません。
 攻防は素晴らしいのです。
 しかし困ったことに他の絡みの攻防も素晴らしいのです。
 カラーの違いが出しにくいJrの中で、
 ここはやはりブラックxペガサスの特別性を出す表現が欲しかった。
 それでも試合全体を通して通常のレベルの高いハード・ファイト以上の
 ハーデスト・ファイトを見せてくれたことを評価し、
 文句なしに好勝負という評価
 (執筆日:1/?/15)

F橋本真也vs.馳浩(12/13/94)
 馳がレスリング・テクニックで見事に橋本を抑えつけ4の字を決める。
 この4の自を裏返されたことから馳も脚を痛める展開に。
 橋本に脚を蹴られながらも馳は引き続き脚を狙いに行きます。
 橋本が完勝するのではないかと思うほど
 馳は橋本の圧力をスケール大きく広げる一方で
 それにまったくひるまず立ち向かう様で惹き付けます。
 30分に及ぶ試合であり馳の上手さが最大限発揮されているものの
 橋本のDDT食らっても起き上がったりと無茶苦茶な動きもあり
 1人で踊っている感は否めない。
 終盤は一つ一つ素晴らしい盛り上がりを生むニア・フォール合戦でした。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/?/15)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@馳浩、武藤敬司vs.スタイナー・ブラザーズ(1/4/94)
A越中詩郎vs.スーパー・ストロング・マシン(2/5/94)
B天龍源一郎vs.橋本真也(2/17/94)
CSJカップ準々決勝:グレート・サスケvs.エル・サムライ(4/16/94)
DG1公式戦:越中詩郎vs.馳浩(8/5/94)
EJrタッグ・リーグ決勝:ワイルド・ペガサス、大谷晋二郎vs.グレート・サスケ、ブラック・タイガー(10/16/94)
F橋本真也vs.馳浩(12/13/94)