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新日本プロレス:Best of NJPW 1993の分析


名勝負 武藤敬司vs馳浩(9/24/93)
好勝負 長州力vs.天龍源一郎(4/6/93)

@天龍源一郎vs.長州力(1/4/93)
 むき出しの感情はリアリティーがあるし
 一つ一つの技を、相手を切り捨てるようにぶつけ合います。
 しかし技に行くまでの流れの作り方は大味で
 相手がリアクションで火花を散らしてくれることで
 点と点が何とか繋がっていくような状態です。
 かといって点において特別記憶に残るような技があった訳でもないのです。
 煮詰まった状態からの終盤の盛り上がりは素晴らしかったですが、
 わざわざこれを年間最高試合に選ぶ理由には乏しい。
 女子を意図的に外したのは明らかですがそれにしたってね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:3/?/12)

ANWA王座、IWGPヘビー級王座戦:グレート・ムタ(IWGP ch)vs.蝶野正洋(NWA ch)(1/4/93)
 蝶野のラフな攻めに対し、
 ムタはキャラ通りのらりくらりのペース配分。
 それによりどちらの攻めも相手に受け止めてもらえず、
 リアルに低減されてしまう結果に。

 ムタが花道でフェイスバスターにラリアットなど絵は提供しているので、
 蝶野が自分を取り戻せばまだマシになったと思うのですが、
 ムタの影響を受けて微妙になった試合運びのリズムは修正されず。
 技の当たりや高さも微妙でしたね。

 ダブル・タイトル戦にはふさわしくない残念な内容ですが、
 ダブル・タイトル戦の王座移動とはいえ、
 当時既にNWA王座はWCWの奔流からこぼれ落ち
 名前だけのインディー王座になっていましたからね。

 平均より少し上。
 (執筆日:5/?/20)

B3本勝負:馳浩、木戸修、長州力、飯塚孝之、藤波辰巳vs.阿修羅原、天龍源一郎、冬木弘道、北原光騎、石川孝志(3/6/93)
 WARとの対抗戦。

 最低限の荒々しさとスピード感は担保されているものの
 技術と表現の出来には大きな格差あり。
 技術的には馳と天龍、表現的には長州、天龍が優れていますね。

 その部分をブックによりサポートして欲しい所ですが、
 3本勝負にしておきながら、特に活かした展開はなく、また2-0という結末。
 無駄なマウンティングでした。

 まあまあ良い試合。
 (執筆日:5/?/20)

C長州力vs.天龍源一郎(4/6/93)
 長州は激しいチョップから始めると
 コーナーで意地悪いエルボーの打ち方を見せ、
 遺恨のヒートを作り上げました。
 天龍は黙って受け続けます。
 いつもの早期ラリアットからスコーピオン・デス・ロックまで受けて
 全体の中で成立するのかと思いきや、
 ロープ・ブレイクで仕切ってニュートラルに戻しました。
 勿体無いとも思うが長州の短期スパンの気持ちの発散スタイルにおける方法論としては正解。
 自然な減衰の仕方でした。
 天龍もまた同じように発散しえげつない打撃を見せる。
 天龍がパワー・ボムを決めたところから更に盛り上がる。
 長州が流血すると共に場外スポットとなり、不透明決着を匂わせてきます。
 そんな最中にど真ん中のスーパープレックス。
 そこからは真っ向からハイ・インパクトな技の打ち合い。
 効果を成していない技からの起き上がりが逆に観念的な表現に昇華されている。
 素晴らしかったですね。
 ぎりぎり好勝負。

Dイリミネーション・マッチ:天龍源一郎、ストロング・マシーン、阿修羅原、石川敬士、後藤達俊vs.橋本真也、長州力、蝶野正洋、藤波辰巳、馳浩(6/15/93)
 (オーバー・ザ・トップ・ロープは廃止されています。)
 新日vs.UWFで素晴らしい試合を残した同形式で
 新日vs.WARはどんな試合を見せてくれるのかと期待していましたが・・・。
 オーバー・ザ・トップ・ロープ・ルールの廃止に伴い、
 見せ方の幅が狭まり試合自体の演出の幅が狭まりました。
 またその演出にしても随一のバランス感覚を持つ馳がいきなり退場、
 天龍がカットの混乱に乗じた後頭部ラリアット+丸め込みとはいえ
 2番目に退場するという悪い意味でのサプライズ尽くし。
 脱落し方自体は素晴らしいと思いますけどね。
 大将がいなくなった試合に火花はなく、
 下手な長州がしゃしゃり出て最後は石川が1対3という展開。
 特に波乱なくずるずると時間をかけた後石川が力尽きて0-3、新日の勝利です。
 勝敗に重きを置いていた新日ファンでさえこの試合にはがっかりしたのではないか。
 平均より少し上。
 (執筆日:1/?/15)

EJr.ヘビー級王座戦:獣神サンダー・ライガーvs.ワイルド・ペガサス(8/8/93)
 (放送日は8/14/93)
 (途中から。カットあり。14分中9分)
 スーパープレックスが中盤に出るなど
 彼ららしいハードな試合だし、
 カウンターも利いていて一進一退。
 
 試合を流さない真摯な態度が
 試合のクオリティに繋がっていますが、
 細やかにカウンター合戦する中で
 最後の裏投げをフィニッシャーにするのは
 余り上手くない選択に思えますね。

 中々良い試合。
 (執筆日:5/?/20)

F武藤敬司vs馳浩(9/24/93)
 期待通りのじっくりとしたグラウンド。
 馳が武藤の真似をしてきたりと静かな火花を散らします。
 スムーズに逆転できる技として4の字を活用するのですが、
 これを意味を変えて反復利用したのが凄い。
 現代プロレスみたいな技の派手さ、凄さはないが、
 一つ一つの技がそれまでの展開を受けて意味ある行動として行われている。
 馳の真骨頂ですね。
 武藤も追い込まれてから定番ムーブで色気の演出。
 しかし終盤になっても馳は引かず、
 マスタープランが見える追い込み。
 だからこそカウント3を信じさせ、
 ニア・フォールに盛り上がります。
 技自体のインパクトだけでなくて、
 その背景で出来るというのが素晴らしい。
 そしてそのまま終わるかと思ったところで
 馳がクライマックスで敢えてのチョップ連打。
 時代の先を行く見せ方で信じられませんね。
 更に裏投げの切り返し合いを加えて大満足の一戦。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:12/?/18)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@天龍源一郎vs.長州力(1/4/93)
ANWA王座、IWGPヘビー級王座戦:グレート・ムタ(IWGP ch)(新チャンピオン!)vs.蝶野正洋(NWA ch)(1/4/93)
B3本勝負:馳浩、木戸修、長州力、飯塚孝之、藤波辰巳vs.阿修羅原、天龍源一郎、冬木弘道、北原光騎、石川孝志(2-0)(3/6/93)
C長州力vs.天龍源一郎(4/6/93)
Dイリミネーション・マッチ:天龍源一郎、ストロング・マシーン、阿修羅原、石川敬士、後藤達俊vs.橋本真也、長州力、蝶野正洋、藤波辰巳、馳浩(6/15/93)
EJr.ヘビー級王座戦:獣神サンダー・ライガーvs.ワイルド・ペガサス(8/8/93)
F武藤敬司vs馳浩(9/24/93)