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新日本プロレス:Antonio Inoki vs. Muhammed Aliの分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約4時間です。
70年代の映像なので画像は悪めです。
SlamBamJam製。

@アントニオ猪木vs.ウィリアム・ルスカ(2/6/76)
 良いですね。
 再戦と違ってルスカの柔道の素地、リアルな技術を利用しているので緊張感があります。
 仕掛けた後の攻防は見せれませんけどね。
 この素材に対して構築も良好。
 場外を挟んだり、打撃で荒れさせたりと最低限の行動で試合を作り上げている。
 バック・ドロップをフィニッシュにする絵的な工夫も良いですね。
 ただ3連発して決着後ルスカがすぐ起き上がるのは微妙ですし、
 ルスカが柔道着を脱いでの終盤モードは分かりやすい一方で肝心の勝負論から自ら離れる結果となっています。
 平均的な良試合。

アリ戦までの映像が収録されています。
・猪木のトレーニングの様子(6/?/76)
・プレス・カンファレンス(6/16/76)
・猪木のインタビュー(6/17/76)
・徹子の部屋的なトーク・ショー(6/21/76)
・公開スパーリング(6/20/76)
・計量(6/25/76)
・調印式(6/23/76)

Aアンドレ・ザ・ジャイアントvs.チャック・ウェップナー(6/25/76)
 それぞれの武器による攻防は作り出せてはいないけれど距離感で多少の攻防はあるし、
 ごちゃごちゃとした中で雰囲気だけは出ている。
 また無駄に決着をつけずリングアウトにし試合後ヒートしたのはこの試合に関しては正解。
 少し悪い試合。 

Bアントニオ猪木vs.ムハメド・アリ(6/25/76)
 猪木はそれなりにスタンディングを取るものの武器はアリ・キック1本しかないですし、
 アリも表情、口撃で心理戦を仕掛ける割りに拳での揺さぶりはまったくしない。
 密着、アリのジャブ・ヒット、アリ・キックの有効打など見所はありましたが些細な物です。
 3分15R、計45分の長時間を持たせるには絶対的に物量、発展性が不足しています。
 シュートなのだからそれ自体は問題ではありません。
 しかしその道を行くと言う事は、勝利のため、を理由に色々切り捨てて行くという事は、
 勝利できなかった際、その内容に何ら言い訳する事は出来ないという事です。
 余談ですがこの試合は桜庭Xホイス戦に酷似しているようにふと思いました。
 結局、世紀の凡戦という当時の評価は間違っていません。
 ただ30年経ってその70年代の”余白”は”言葉”で”外から”彩るには魅力的であり、
 一般に通じる上質な酒の肴になる事が明らかになったというだけです。
 もし評価をつけるなら平均レベルといった所です。

総評
 異種格闘技戦の成功例と最も有名な試合ですからお買い得な内容ですね。
 資料的にも貴重でしょう。
 (執筆日:8/7/10)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし 

試合結果

@アントニオ猪木vs.ウィリアム・ルスカ(2/6/76)
Aアンドレ・ザ・ジャイアントvs.チャック・ウェップナー(リングアウト)(6/25/76)
Bアントニオ猪木vs.ムハメド・アリ(15R時間切れ、判定:引き分け)(6/25/76)