新日本プロレス:Best of NJPW April 2023の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | TV王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.トム・ロウラー(4/15/23) STRONG無差別級タッグ王座戦:オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(ch)vs.CHAOS(リオ・ラッシュ、石井智宏)(4/16/23) KOPW王座戦、鷹木式トライアド・マッチ:鷹木信悟(ch)vs.タイチ(4/29/23) |
@TV王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.トム・ロウラー(4/15/23)
グラウンドでテクニックだけでなく
気迫を織り込むロウラー。
その延長の熱い気持ちのまま打撃の打ち合いに転じます。
どのようにな状況にもサブミッションに持って行けるセイバーですが、
ロウラーが同じ領域に踏み込んで真っ向勝負していたのは印象的ですね。
ロウラーの評価も改めて上がった内容です。
ぎりぎり好勝負。
ASTRONG無差別級タッグ王座戦:モーター・シティ・マシンガンズ(アレックス・シェリー、クリス・セイビン)(ch)vs.オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)
vs.オカダ・カズチカ、棚橋弘至(4/15/23)
観客を煽ったり、連続コーナー攻撃など6人いるからこその絵作りで
序盤はユーモラスに処理していましたね。
AOがメインで回し、MCMGも体格を理由に引きつつも王者として連携力は如何なく発揮。
その点ではオカダ、棚橋が物足りなかったですね。
本土の格が圧倒的な訳で調整を利かせると
100%発揮できない状況も分かるんですけどね…。
調整利かせつつ終盤は多彩な技の攻防で派手に。
好勝負に少し届かず。
BSTRONG無差別級タッグ王座戦:オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(ch)vs.CHAOS(リオ・ラッシュ、石井智宏)(4/16/23)
石井とリオという両極なタッグ。
AOは取り合えず見に回りつつリオを孤立させます。
わざとタッチすれば、とリオを離しますが、
セコンドの石井がそんなんで引くなよと鼓舞。
リオが気持ちを前面に押し出し立ち向かっていきます。
この熱い流れのように石井とリオのタッグの形には
新しい可能性を十二分に感じましたね。
AOのスキルも呼応して120%発揮され、
どうつながっていくか興味津々な攻防の数々に魅了されました。
石井、リオは王座奪取ならずでしたが、
今後も活動して欲しいと思ってしまうタッグ・ワークでした。
文句なしに好勝負。
CJr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.金丸義信(4/27/23)
両者足狙い。
動体視力でヒロムが先手を取るも金丸がインサイド・ワークで取り返します。
リング、場外を上手く使って立体感ある構築をしていますね。
一方でヒロムは相変わらず反撃の際は気合いを理由に
脚の痛み関係なく走るので、
こういうコンセプト色が強い時はそこが余計に気になりますね。
脚狙いで中盤まで構成できたことで
終盤の金丸の技も印象的に見せることが出来ましたが、
上記理由で個人的には乗り切ることができず。
好勝負に少し届かず。
Dタッグ王座戦:オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)(ch)vs.TMDK(マイキー・ニコルス、シェイン・ヘイスト)(4/29/23)
オージーの軽快な連携。
TMDKはキレのある動きで主導権を取り返すと
日本好みのヘビー級の重みのある試合運びを展開。
そこにレフェリーの目を盗んだヒール・ワークといった彩を加えていますが、
本当はもう少しハード・ヒットに寄せた方がNJPW好みでしたでしょうか。
お互いがタッグのスキルを発揮しつつも
完全に同じ領域で両者が100%になる瞬間はなくて
少しロスが出ていたものの素晴らしい試合。
好勝負に少し届かず。
EKOPW王座戦、鷹木式トライアド・マッチ:鷹木信悟(ch)vs.タイチ(4/29/23)
ピンフォール、KO、TKO、ギブ・アップ、リングアウトの
5種類の勝ち方の中で先に3種類の勝ち方をした方が勝利という特殊ルール。
予想されうるハード・ヒットのぶつかり合いから始めつつも
丸め込みでの決着やリング・アウトの可能性を垣間見せます。
この形式なので、すぐ1本決まる可能性もあり緊張感がありましたね。
最近の傾向通り試合形式は上手く表現できています。
ただ発起人の鷹木が丸め込みで1本取った後にルールを忘れてカバーする等、
あざとい演出も目につくのもまたいつもながら。
気合い受けを使って上手く使いエスカレートさせKOフィニッシュ。
ここから疲労感をぐっと出してきたそのダメージ表現は素晴らしいもの。
最後の1本ですが、ピンフォールとKOを使い切っている中で、
TKOがいまいち位置づけが微妙。
TKOってKOにもギブ・アップにも依るんですよね。
結局サブミッションでギブ・アップせずに落ちたらTKOという事で、
最後の最後でもルールありきの試合構築感を強めてしまった。
しかし40分もの試合時間で通常なら間伸びする所を
問題なく作り上げたことは素晴らしいことで、
トライアド・マッチはある種の定番になりえる形式ですね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:4/?/23)