TOP日本のプロレス新日本プロレス 2023年の大会 → 新日本プロレス:Sakura Genesis 4/8/23

新日本プロレス:Sakura Genesis 4/8/23の分析


名勝負 なし
好勝負 IWGP女性王座戦:メルセデスモネ(ch)vs.AZM vs.葉月(4/8/23)

TV王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.海野翔太(4/8/23)
 
タッグ王座戦:毘沙門(後藤洋央紀、YOSHI-HASHI)(ch)vs.オージー・オープン(マーク・デイビス、カイル・フレッチャー)(4/8/23)

IWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.SANADA(4/8/23)

@IWGP女性王座戦:メルセデスモネ(ch)vs.AZM vs.葉月(4/8/23)
 数珠打ちに1対2。
 視界外から3人目が絡んで、と
 各要素を押さえた3ウェイが密度良く展開されます。

 柔軟性を活かした丸め込み、体勢の入れ替え合いも印象的で、
 彼女らの特性を反映させた攻防の作り方でしたね。

 ただ理想を言えば、もうちょっと癖があっても良かったか。
 一定の反応ありつつもホーム(STARDOM)に比べるとちょっと淋しい熱量ではありました。
 
 ぎりぎり好勝負。

ATV王座戦:ザック・セイバーJr.(ch)vs.海野翔太(4/8/23)
 まずは海野が足攻め。
 コンスタントに打撃入れる攻め方で、
 続くセイバーの腕攻めとは違う形で序盤のセット・アップ。

 中盤以降のセイバーの攻めに対しては
 海野が結構力技で対抗していますね。

 気合いで、という文脈が成立するのが現代プロレスではあるものの少し目立ちました。
 しかしTV王座戦の時間成約上、理解は出来る範囲ですし、
 攻防の内容的には予想以上に面白く、
 時間が迫る中でクライマックスのテンポ感は見事でした。

 セイバーはTV王者として盤石ですね。この圧倒的クオリティ。次の王者は大変ですね。

 ぎりぎり好勝負。

Bタッグ王座戦:毘沙門(後藤洋央紀、YOSHI-HASHI)(ch)vs.オージー・オープン(マーク・デイビス、カイル・フレッチャー)(4/8/23)
 オージーが細やかな連携にダブル・ダイブ。

 カイルは頭部にテーピングをしており、その傷口気にしながら気迫の攻め。
 技もそうですが、動いていない時も気迫が伝ってきますね。
 後藤との打撃戦は熱かったですよ。

 15分と決して長い試合時間設定ではないですが、
 シングルの見せ場とタッグの広げ方が有機的に絡まっていて
 ぐいと惹きつけるストーリー・ラインが見事でした。

 文句なしに好勝負。

CJr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.ロビー・イーグルス(4/8/23)
 ヒロムの痛めている足に対する攻めの流れを綺麗に作り、
 その足を柵絡めたりしてヒールとして嫌らしい攻めにします。

 ヒロムが中々主導権を取れない異常事態をうまいバランスで演出。
 ただヒロムの覆し方が結構強引ではあり、そこは少し気になりました。

 足攻め絡めてヒロムを止めつつ
 関心を惹き続ける攻防作りは良し。

 王座奪取にはならずともロビーのヒールでの一歩としては上々ではないでしょうか。
 好勝負に少し届かず。

DIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.SANADA(4/8/23)
 キャラ変したサナダ。
 序盤のフックの弱さは引き続き課題でしょうか。

 しかしオカダが顔芸をしつつSANADAの流れを潰す攻防は
 いつもの綺麗なクオリティ・ラインではないですが
 ここまでお膳立てされてここで取れなかったら一生IWGP王者取れず後藤路線になるんではないか、という
 背景を強烈に引きたてていて熱量があります。

 SANADAが場外マット剥いだDDT食らいながらもプランチャで反撃開始。
 ここの見せ方、その後のアピールは印象的で、
 この1スポットでSANADAの今回はこれまでと違うのでは、という思いを掻き立てましたね。

 その後もオカダがコブラ・クラッチから絵作りを散りばめます。
 ドラマとなる要素の種をまいていて、
 それが15分経過する頃から花開いて行って見事な試合となりました。

 オカダの構築力、卓越した演出センスに引っ張られているので、
 今後の防衛ロードに凄く期待できるかというと言い過ぎですが、
 SANADAもこれまでと違う所を見せたからこそ成立している内容です。

 試合が進むにつれ訴求力をぐんと増していった試合でした。

 文句なしに好勝負。

Rating:★★★★★
(執筆日:4/?/23)