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新日本プロレス:Best of G-1 2020 part.6の分析


名勝負 なし
好勝負 G1公式戦:ウィル・オスプレイvs.オカダ・カズチカ(10/16/20)

G1公式戦:飯伏幸太vs.タイチ(10/16/20)

G1公式戦:石井智宏vs.ジェイ・ホワイト(10/16/20)

@G1公式戦:ウィル・オスプレイvs.オカダ・カズチカ(10/16/20)
 オスプレイがいきなりドロップ・キックからトペコン。
 オカダもマネー・クリップを狙ったりと速攻狙いの攻防からスタート。

 オカダが主導権を握ると単独で成立する試合運び。

 続けてオスプレイが要所でのビッグ・ダイブで構成。

 メキシコのような試合作りを見せましたね。

 トータル・パッケージな2人なので
 上を狙うに当たってこの手法を取る必然性はありませんが、
 双方のキレキレの動きでこの手法の中では世界最高峰の内容に仕上げています。

 ただvs.鷹木、石井と違ってマネー・クリップに入る動作が弱く、
 そこが惜しまれましたけどね。

 最後はビーの介入からオーカーンが電撃乱入。
 オスプレイの衝撃ヒール・ターン、ユニット結成で締めくくりました。

 ぎりぎり好勝負。

AG1公式戦:鈴木みのるvs.鷹木信悟(10/16/20)
 始まるなりエルボーの打ち合い。
 ハイ・テンションで疾走感を感じさせる攻防です。

 みのるの腕攻めの効果を鷹木はチョップで上手く見せましたね。

 一言でまとめられる激しいエルボーの打ち合いを
 場面によって見せ方を変えながら使いこなしたりと、
 それぞれ自分の形と相手の形を混ぜて淀みなく化学反応を生み出しました。

 最後のフィニッシュが少し浮いていて弱かったものの充実していた。

 好勝負に少し届かず。

BG1公式戦:飯伏幸太vs.タイチ(10/16/20)
 ロー・キックの耐え合い、ビッグブーツの耐え合い。
 
 とにかく蹴り、蹴り、蹴りの蹴り"愛"。
 
 痛えなあ、この野郎、という言葉が聞こえてくる仕切り直しの間。

 序盤中盤終盤で繊細に変えた蹴りの鋭さ、痛みの表現。

 シンプルで特異な構成だからこそ
 蹴り合いをどのタイミングで打ち止めるか等センスが求められ、
 一部ではちょっとズレていて良くない点もありました。

 しかし概ね成功の方が目立っており、
 蹴り版小橋vs.健介とでいうべきメモラブル・マッチになっています。

 この世界観の中で技を入れ込みつつ、
 その技の締めくくりがカミゴエというのが美しかった。

 文句なしに好勝負。

CG1公式戦:石井智宏vs.ジェイ・ホワイト(10/16/20)
 ジェイが相変わらず高いパフォーマンスを見せて試合運び。

 観客の雰囲気をしっかり掴みますね。

 同時に脚攻めで煽りつつも脚攻めが前に出すぎないように調整している。
 このバランス感は異常ですね。

 それに対して石井もタフに応じて
 激情をコントロールしきった上で匠に表現していきました。

 感情のファイトと脚攻めの攻防作りが
 見事に織り交ぜられた試合でした。

 ただ最後が相変わらず外道の介入による演出。
 外道の介入もそれなりにあって良いですが、
 もう少しパターンを増やしたり試合によっては介入なしでまとめて欲しいところ。
 この試合は後者で良かった。

 文句なしに好勝負。

DG1決勝:SANADA vs.飯伏幸太(10/18/20)
 まずはレスリング。
 おっ、と思わせる切り返しもあり良質ではありますが、
 本トーナメントでレスリングをテーマに据えたものと比べると
 あくまでオーソドックスな範疇を抜け出ない。

 続いて打撃戦に転じますが、
 本トーナメントのハード・ヒット合戦と比べると
 極めて中途半端にシークエンスを終えています。

 飯伏のロー・キックにSANADAが丁寧にセルしていますが、
 ある意味では矮小に閉じてしまっている。

 ロープ・ワークのタイミングが合わず
 サナダのドロップ・キックも空振りで微妙な絵。
 飯伏がタイチ戦で脚を痛めたことを実況としても理由付してフォローしますが、
 この脚をSANADAが攻めるも攻め切らない。

 ハイ・フライをさせたいが故に、動かせたいが故に
 タイチ戦の経緯も無視していませんよ程度の脚攻めに抑え、
 ドラゴン・スリーパー推しをしたいが故に早々に首攻めに転じます。

 意図は感じるし、間違った方向性でもないのだけれども
 鏡合わせ的スタンスに拘って何もかもが中途半端で無味乾燥。

 コロナ禍でありますし、ストーリー性の薄いこのマッチアップでも良いけれど、
 vs.タイチで負傷しテーピングを巻いて出てきた飯伏の脚を
 SANADAが徹底的に脚殺しを行い、
 飯伏が気持ちで自分の脚を犠牲にしながら反撃、くらいの絵図は欲しい。

 団体もG1最長試合の称号だけで何とかなると思ったのなら少し甘くないか。

 クオリティとしては熱いG-1を締めくくるに弱いものの
 終盤で出たオコーナー・ロールだけは凄い。
 演者・レフェリー一体となって、タイミング合わせも感じさせず、
 文字通りカウント2.99999というべき究極の精度を保っている。
 プロレス歴史上3本の指に入るレベルのニア・フォールだと思います。

 中々良い試合。
 (執筆日:10/?/20)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:ウィル・オスプレイvs.オカダ・カズチカ(10/16/20)
AG1公式戦:鈴木みのるvs.鷹木信悟(10/16/20)
BG1公式戦:飯伏幸太vs.タイチ(10/16/20)
CG1公式戦:石井智宏vs.ジェイ・ホワイト(10/16/20)
DG1決勝:SANADA vs.飯伏幸太(優勝!)(10/18/20)