TOP日本のプロレス新日本プロレス 20年代の大会 → 新日本プロレス:Best of G-1 2020 part.5

新日本プロレス:Best of G-1 2020 part.5の分析


名勝負 G1公式戦:オカダ・カズチカvs.鷹木信悟(10/10/20)
好勝負 G1公式戦:タイチvs.ウィル・オスプレイ(10/10/20)

G1公式戦:ジェフ・コブvs.石井智宏(10/10/20)

G1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.鈴木みのる(10/13/20)
 
G1公式戦:オカダ・カズチカvs.石井智宏(10/13/20)
 
G1公式戦:棚橋弘至vs.SANADA(10/14/20)

@G1公式戦:タイチvs.ウィル・オスプレイ(10/10/20)
 タイチが木槌攻撃にチョーク。

 他のハード・ヒッターとの試合では
 このヒール・ワークが冗長になることも多々あるのですが、
 オスプレイが攻め合いに依存せず、
 しっかり間を置いて火花の見せ方に時間を割くので今回は上手く行っている。

 攻防は時にスピーディ、時に過激。

 オスプレイがアピールとムーブのバランスが良いので
 タイチも試合が進むにつれシンクロ度をあげてきました。

 ぎりぎり好勝負。

AG1公式戦:ジェフ・コブvs.石井智宏(10/10/20)
 中々突き抜けないコブ。

 テンプレートなショルダー・タックルの耐え合いから始め、
 試合を軌道にのせながらも
 受動的な性格が出てしまってこの試合もダメかと思いました。

 しかしやしかしギアが入ると後半戦真価を発揮しましたね。

 闘牛のようなダッシュしてのヘッド・バットを放って
 石井との壮絶なタフマン・ファイト。

 石井の他のハード・ヒッターとの試合ともまた一線を画しており、
 その当たりの激しさはガチンコという表現がふさわしい。

 凄い試合でした。
 この試合だけでコブはこのG1に参加した価値がある。

 文句なしに好勝負。

BG1公式戦:オカダ・カズチカvs.鷹木信悟(10/10/20)
 様式的にレスリング。
 まだ階級差のイメージも残る中でスッと入ってきますね。

 オカダは今回絶妙に溜めた上で急のムーブ。
 鷹木も呼応し感覚が研ぎ澄まされていました。

 息もあっていて、ただでさえ鋭いムーブが最大の効果を発揮しています。

 場外技で徐々に技のレベルを上げていきますが、
 それと共にダメージ表現も付随しているので、
 構築論だけが先行することなく素晴らしいフィットを見せています。
 構築を多段階にする程ぶれるものなのですが凄いですね。

 鷹木のエルボー連打〜オカダのツームストンの流れが素晴らしく、
 その頂点としてコントロバーシャルだったマネー・クリップが完璧にハマります。

 スピーディな鬩ぎ合いなのに重い。
 このトータルパッケージぷりは両者が最高のコンディションだからこそ生まれること。

 その後も多彩なツームストンの持ち込み方から
 マネー・クリップに見せ方が伴っていて
 遂に理想の形が見えた気がしますね。

 どこを切り取っても最高の試合でした。
 歴史的な名勝負。

CG1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.鈴木みのる(10/13/20)
 みのるが距離が開けば蹴りを放ち、
 組みつかられれば捻り上げて、と
 堂と立ち振る舞うのでジェイの道化っぷりが際立ちます。

 ジェイが反撃に転じればみのるも顔芸でサポート。
 顔だけに留めて動かない選択肢を持てるのがみのるの才覚ですね。

 硬軟織り混ぜながら雰囲気染め上げていきます。

 ジェイのチョップに対してみのるが両膝をついた状態で耐えてそのまま詰め寄る。
 こんなダサい動きを見得として成立させるのは
 歌舞伎スキルの高いみのるにしかできない。

 半端ない個性のぶつかり合いでした。

 ぎりぎり好勝負。

DG1公式戦:オカダ・カズチカvs.石井智宏(10/13/20)
 同質に寄せて鬩ぎ合いを見せますね。

 石井がチョップを軸に攻め。
 テンポ落としながら作る上でこのチョップのキー技設定はうまく機能しています。

 オカダのテンポ・アップとはまって良い緩急も生んでいます。

 強烈なエルボー合戦からの重ったるいダメージ表現は
 デメリットもありますが、それ以上にその後のムーブの情熱性を引き立てています。

 後半もオカダのマネー・クリップvs.石井のハンマー・ロックで鏡合わせ。
 
 雰囲気に合わせたムーブの微妙な揺らぎが美しい。
 綺麗過ぎてはダメ。
 乱れ過ぎてもダメ。
 
 vs.鷹木で開花してこの試合でもマネー・クリップ絡めた攻防作りは様になっている。
 100%の表現力を発揮した時の
 オカダは誰よりもメイン・イベンターですね。

 文句なしに好勝負。

EG1公式戦:棚橋弘至vs.SANADA(10/14/20)
 レスリングでのストーリー語り。

 棚橋のタイミング取りは素晴らしく、
 SANADAも非凡な形で応じます。

 棚橋の脚攻めに対し、SANADAもドラスクでやり返し。

 鏡合わせなのですが単純化せず
 それぞれの相手とは違う魅力をしっかり感じさせます。

 棚橋はこれまでに培われた鉄板で完成された攻めですが、
 それをなぞっているだけの攻めになっておらず血が通っている。

 相同性を極めて精緻に落とし込んだ攻防。

 サブミッション偏重の内容なので、
 28分という時間設定で少し間延びした所はあるものの
 存分に2人のテクニックを堪能できる素晴らしい試合です。

 ぎりぎり好勝負。

 (執筆日:10/?/20)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:タイチvs.ウィル・オスプレイ(10/10/20)
AG1公式戦:ジェフ・コブvs.石井智宏(10/10/20)
BG1公式戦:オカダ・カズチカvs.鷹木信悟(10/10/20)
CG1公式戦:ジェイ・ホワイトvs.鈴木みのる(10/13/20)
DG1公式戦:オカダ・カズチカvs.石井智宏(10/13/20)
EG1公式戦:棚橋弘至vs.SANADA(10/14/20)