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新日本プロレス:Best of G-1 2020 part.1の分析


名勝負 G1公式戦:内藤哲也vs.棚橋弘至(9/20/20)
好勝負 G1公式戦:鈴木みのるvs.石井智宏(9/19/20)

G1公式戦:ウィル・オスプレイvs.石井智宏(9/23/20)

G1公式戦:飯伏幸太vs.ジェイ・ホワイト(9/23/20)

@G1公式戦:鈴木みのるvs.石井智宏(9/19/20)
 いきなり張り手の打ち合い。

 少しみのるの説得力は落ちていますが、
 感情の出し方が上手く惹きつけ続けることができる。

 ロープ・ワークを上手く活かしてアクションを繋いだり、
 その後も一つ一つ見せ方を変えても丁寧さを失わなかったりと評価できる。

 ただ自由な変化の面白さを堪能できる一方で、
 終盤もリセット系の見せ方を多用した結果、ダメージ、カウント2が軽くなってしまったきらいはある。

 ぎりぎり好勝負。

AG1公式戦:オカダ・カズチカvs.飯伏幸太(9/19/20)
 オカダが新しいスタイルを模索しますが、
 構築としては以前よりフラットになっていますね。

 怪我をしたのが切っ掛けなら分かるものの
 そうではないので少し靄っとしたものが残ります。

 マネークリップの織り交ぜ方も
 新応援様式の影響もありますがフィットしていません。

 オカダと飯伏ですからクオリティは高いのですが、
 オカダへの不満がどうしても前面にチラついてしまう内容でしたね。

 中々良い試合。

BG1公式戦:内藤哲也vs.棚橋弘至(9/20/20)
 棚橋が早々に低空ドロップを打つも
 内藤が場外で間を置き心理戦テイスト。
 テンプレート感を出さずに余韻を感じさせるのがにくい。

 この心理戦の中で利いているのが緩さのコントロール。
 マイナスに受け取られがちな緩さを自信を持って使いこなしています。

 続いて棚橋が膝攻め。
 彼の十八番ですから様々なバージョン・アップは見てきましたが、
 これは更に突き抜けた感がありますね。
 このえげつない攻めは素晴らしかった。

 一本を突き詰める中で幅の広さもあり、
 棚橋がまた新しい風景を見せてくれました。

 内藤もG1では棚橋に勝ったことのない背景に
 ダメージや棚橋に対する陰りをしっかり背負いながら
 攻防の妙と感情の発露を両立させています。

 棚橋のコンディションを整えながらも
 年齢の限界を感じさせる中で放つ情熱的なムーブ。
 内藤の受けとかわしと絶妙なバランスでの応対。

 これは飛び切りの試合でしたね。

 ぎりぎり名勝負。

CG1公式戦:ウィル・オスプレイvs.石井智宏(9/23/20)
 ヘビー級転向したオスプレイ。
 まだ少し攻め方とダメージ感に違和感がありますが、
 石井の売れ線の方向性と上手くフィットさせているといって良いでしょう。

 場外でのオスプレイ・カッターなどの切り返し合いのスピード感は
 石井の試合の中でもこのオスプレイ戦だからこそ。

 得意のニア・ファール合戦を人為的に大量生産していきます。
 同じ領域に踏み込みながらの一進一退は心地よかった。

 後一歩人為性をコントロールしきったら名勝負を狙えた。

 文句なしに好勝負。

DG1公式戦:飯伏幸太vs.ジェイ・ホワイト(9/23/20)
 追いかけてきた飯伏にジェイがエプロンでニー・クラッシャー。

 ジェイは、アクションそれ自体は単純なのですが、
 アピールの織り混ぜ方が非凡で
 今の応援様式だとヒールはやりにくいはずなのですが、
 その制限を全く感じさせない立ち振る舞い。

 飯伏の自己犠牲的反撃方法、ダウン・モードも良い対比で利いている。

 脚攻めに一本化している分、焦点が矮小化しそうなものですが、
 要所でスケール感を広げていて、
 自分がなすべきこと、相手がなすべきことを良く分かっています。

 ジェイがスープレックスを解禁しギアを上げ、
 それに対し飯伏もそのまま乗るのかと思いきや、まずは無言の耐え。
 
 観客が声を上げられないコロナ禍だからこその無音を活かして静謐を作り出しました。
 この仕掛け作りのセンスには脱帽でした。
 
 最後はあえて簡潔に。
 脚攻め要素をもう少し最後に引かせても良かったですが、素晴らしい試合でした。

 文句なしに好勝負。

EG1公式戦:EVIL vs.YOSHI-HASHI(9/24/20)
 ゴング前にEVILが椅子攻撃を狙ってきたので
 YOSHI-HASHIが如意棒でお仕置き。

 EVILが東郷を介入させたり、言葉で煽ったり、
 腰攻めで追い込んだりと分かりやすいヒール・プレイ。

 YOSHI-HASHIの反撃の流れも明確で
 日本にしては珍しいレベルで
 自然にフェイス/ヒールのダイナミズムに入り込めましたね。

 ただ評判になっていた程、特別なレベルかというと否。
 YOSHI-HASHIは王者になる前から一定以上の仕事をしていましたからね。
 王者になって注目度が上がった為かな、という印象です。

 中々良い試合。
 (執筆日:9/?/20)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:鈴木みのるvs.石井智宏(9/19/20)
AG1公式戦:オカダ・カズチカvs.飯伏幸太(9/19/20)
BG1公式戦:内藤哲也vs.棚橋弘至(9/20/20)
CG1公式戦:ウィル・オスプレイvs.石井智宏(9/23/20)
DG1公式戦:飯伏幸太vs.ジェイ・ホワイト(9/23/20)
EG1公式戦:EVIL vs.YOSHI-HASHI(9/24/20)