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新日本プロレス:Best of G1 Climax 2019 part.3の分析


名勝負 G1公式戦:ジョン・モクスリーvs.石井智宏(7/19/19)

G1公式戦:カズチカ・オカダvs.ウィル・オスプレイ(7/20/19)
好勝負 G1公式戦:ジョン・モクスリーvs.鷹木信悟(7/24/19)

G1公式戦:内藤哲也vs.石井智宏(7/24/19)

@G1公式戦:棚橋弘至vs.ザック・セイバーJr.(7/18/19)
 40歳超えた棚橋と攻防する為の
 レスリングの作り方なのでクオリティの上限はある。
 その上でセイバーがネック・ブリーカーを打てば、
 棚橋もドラゴン・スクリュー、と
 どちらも決め手を打ちつつ主導権を掴みきれない。
 不便な中での構築ですが、
 そこにストーリーを感じさせる歴史のあるカードであるので得していますね。
 上手く使ったタッチでアクセントになっていました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

AG1公式戦:飯伏幸太vs.ウィル・オスプレイ(7/18/19)
 最初の演舞は思ったほどの精度がなく、苦心している印象。
 続いてオスプレイが柵に飯伏の脚にニー・クラッシャーを決め脚を攻めれば
 飯伏もムーブ控えめにしつつ首攻め。
 オスプレイがリングを広角に使う一方で
 飯伏が動きを抑えてアジャストさせたのは
 視覚的なコントロールとして褒められるものの
 短期的視野での調整の上手さです。

 オスプレイのスプリング・バック・エルボーを
 飯伏がジャーマンに切り返す派手なスポットからの後半は
 余韻のコントロール、表情の見せ方が伴った
 Jr.究極の激しい打ち合いですが、
 前半の部位攻めはまったく意味性を与えられなかった。

 全体的に彼らの売りを部分的に切り取って
 短期的視野で消費しながら継ぎ接ぎした印象をぬぐえない。
 WrestleKingdomより少し落ちますね。
 好勝負に少し届かず。

BG1公式戦:鷹木信悟vs.タイチ(7/19/19)
 鷹木が奇襲を仕掛け、
 タイチは場外で間を置き、
 女子マネ利用から凶器攻撃で反撃。
 ヒールとして良い意味で気だるい試合運びから
 鷹木を熱くさせ、いなしていく良い関係を築いていきます。
 タイチはここぞでハードな蹴りを使いこなすので、
 後半になっても良好な攻防が見られました。
 ただストロング・スタイルとして進化していく中で
 元もとのヒール要素が浮いていて発展途上感は残りました。
 好勝負に少し届かず。

CG1公式戦:ジョン・モクスリーvs.石井智宏(7/19/19)
 リングを入るなり額をぶつけ合います。
 そういう技でないところの荒々しさの見せ方が上手いですね。

 場外乱戦も観客席に入りますが、
 こういう乱戦でこそ受けの技術のレベルが前面に出てきますが、
 石井のそれは見事でモクスリーをガイジンに仕立て上げます。
 そして、受けて受けて、その上で反撃する時の高まりをよく理解しています。

 相手との距離感の把握が見事で
 モクスリーも丁寧に一進一退。
 その繊細さは本間と石井の戦いを彷彿とさせます。

 そして、その2人にはなかったのがハード・ヒットですが、
 モクスリーはテーブル葬のブーストがあり、
 手を使わずに打ち合うヘッド・バッド合戦まである。
 モクスリーは魅力的なレスラーながら
 インディー時代は対等な相手がいなかったし
 WWE離脱後にここまでの活躍をするとは思わなかったですね。
 素晴らしいパフォーマンスでした。

 ぎりぎり名勝負。

DG1公式戦:カズチカ・オカダvs.ウィル・オスプレイ(7/20/19)
 攻防においては階級に縛られずにベストなものを追求しつつ、
 その上でストーリーとしては階級差を取り入れる。
 貪欲な構築ですね。

 オスプレイは階級差なんて関係ない、と果敢に挑み、
 オカダは所詮Jr.と余裕を醸す。
 その見せ方の為のオカダの間の繰り方は素晴らしい。
 オスプレイも事前に報じられた首の状態が芳しくないのかもしれませんが、
 ダメージ表現が実に見事です。
 その理由がリアルに起因するかどうかは関係ありません。

 シチュエーションに合わせてオカダが簡単に主導権を渡さない
 終盤にかけての伏線となる展開には引き込まれました。
 柵を踏み台にオスカッターが決まってからの終盤は
 派手ながら少し必殺技に偏って表面的ではありました。
 やはりオスプレイとしても技自体は少し抑えざるを得ない事情があったか。

 そういう点でオスプレイvs.ジェイには及ばない印象があるものの
 この試合の上質さは疑い得ない名品です。
 ぎりぎり名勝負。

EG1公式戦:ジョン・モクスリーvs.鷹木信悟(7/24/19)
 トペを受け止めDVD。
 そんな序盤のシーンのようなガツガツとした攻め合いが見られるかと思いきや
 この試合の骨子となったのはモクスリーの脚攻め。

 アンダーカードの位置付けとはいえ
 このカードでこんな色合いの試合になるとは予想外でしたね。
 脚攻めがテーマになっていても
 親和性の高いスタイル同士、綺麗な一進一退を繰り広げているし、
 脚攻めといっても荒々しい要素は決して失われていないので
 スケール感も小さくなりすぎない。

 テーブルへのニー・クラッシャーからの終盤への展開も良く、
 最後のフィニッシャーも納得感がある。
 ぎりぎり好勝負。

FG1公式戦:内藤哲也vs.石井智宏(7/24/19)
 無骨な石井と単純に一進一退するのではなく
 その骨組みが確かだからこそ
 それを利用して豊かな一進一退につなげる
 内藤の上手さがはっきり出た内容。

 ダウンの内藤相手に石井はそれに乗っからざるを得ないという点で
 中盤は良くも悪くも内藤の絵図でしたね。
 しかし終盤になると石井の大技、攻撃性が存分に出てきて
 双方の思惑による紡がれる上質な攻防になりました。
 文句なしに好勝負。
  (執筆日:7/?/19)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:棚橋弘至vs.ザック・セイバーJr.(7/18/19)
AG1公式戦:飯伏幸太vs.ウィル・オスプレイ(7/18/19)
BG1公式戦:鷹木信悟vs.タイチ(7/19/19)
CG1公式戦:ジョン・モクスリーvs.石井智宏(7/19/19)
DG1公式戦:カズチカ・オカダvs.ウィル・オスプレイ(7/20/19)
EG1公式戦:ジョン・モクスリーvs.鷹木信悟(7/24/19)
FG1公式戦:内藤哲也vs.石井智宏(7/24/19)