TOP日本のプロレス新日本プロレス 10年代の大会 → 新日本プロレス:Best of G1 Climax 2019 part.1

新日本プロレス:Best of G1 Climax 2019 part.1の分析


名勝負 G1公式戦:SANADA vs.ザック・セイバーJr.(7/6/19)
好勝負 G1公式戦:ランス・アーチャーvs.ウィル・オスプレイ(7/6/19)

G1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(7/6/19)
 
G1公式戦:ジュース・ロビンソンvs.鷹木信悟(7/13/19)
 
G1公式戦:石井智宏vs.ジェフ・コブ(7/13/19)

@G1公式戦:ランス・アーチャーvs.ウィル・オスプレイ(7/6/19)
 ダラスで開幕戦。
 ゴングが鳴るなりオスプレイがカウンターのSフライ。
 一気に畳み掛けるも、少しでも時間が経てばアーチャーが復活。
 ダイブも防がれテーブルへのチョーク・スラム、と
 初っ端からハイ・インパクトの出だしです。

 ヘビー級/Jr.明確な構図の中で
 アーチャーも吹っ切れていて素晴らしいパフォーマンスを見せます。
 心に余裕がないとあのロープ渡りの見せ方はできないですね。
 オスプレイのハードな受身もあり、
 中盤も普通の試合の終盤レベルの迫力がありました。

 花道でのカウンター・サンセット・フリップ・パワー・ボムからの展開は
 勝敗の演出、アーチャーの回復力、オスプレイの飛翔の表現が
 上手く融合されていて実に見事でした。
 最後も現代的なスリリングな攻防の中に
 古典的アイアン・クローが織り交ぜられていて面白かった。

 文句なしに好勝負。

AG1公式戦:SANADA vs.ザック・セイバーJr.(7/6/19)
 SANADAがセイバーに真っ向からレスリング・スキルをぶつけます。
 セイバー相手に上回る展開を演出するに当たって十分な動き。
 良いレスラーとはいえ、
 レスリングの一点においても
 ここまで高い潜在能力があったかと圧巻。

 セイバーのヒールとしての味付けを加え、
 韻踏みから自由自在に広げていきます。
 レスリング・ディティールの利いた攻守融合した攻防は見事です。

 同じ領域、最高のレベルでの交錯。
 どうしよう、何しよう、常に考えなければいけない、
 考えられる360度広がった白いキャンバス。
 その中には不自然な間も空きますが、実に人間的で魅力的です。

 ぎりぎり名勝負。

BG1公式戦:KENTA vs.飯伏幸太(7/6/19)
 KENTAは観客見ながら流す試合運び。
 NJPW的にはもっと蹴りあって欲しい所はあるかもしれないですね。
 ただ思いのほか飯伏がKENTAのこのスタイルを立てている。

 過剰な攻撃を受けてはいないが
 完全にダウンして合わせていますね、
 無茶苦茶に体に負荷をかけるイメージがあるけれども
 この試合の飯伏は上手さが際立っている。
 飯伏がダウンするのでKENTAも
 観客をより見るようになり
 また彼のスキル、表現をより押し出すことができていますね。

 ただ、まだ齟齬もあって
 KENTAのスタイル理解されつつも少し浮いているのは否めない。
 TVで余り活躍できてなくてもWWEで数年やっていたことで
 新しい学びもあれば悪い癖や固定観念も身についている。
 飯伏の献身的な受身ファイトで素晴らしい試合になりましたが、
 KENTAの方はまだまだ試運転。

 好勝負に少し届かず。

CG1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(7/6/19)
 いまだに黄金カードの認識があり
 観客はウェルカムな雰囲気で二人を迎え入れます。

 オカダの定番ムーブの構築と
 棚橋の打撃主体に寄せた試合運びで
 間違いの無いクオリティを実現させます。

 細かく刻める関係性の基、
 実に丁寧に積み上げていきます。

 オカダの変調からの終盤も
 棚橋のクイックなど効果的にスポットを作っている。
 見事な間で観客と共に良いものを作り上げましたね。

 ぎりぎり好勝負。

DG1公式戦:ジュース・ロビンソンvs.鷹木信悟(7/13/19)
 序盤はjrという余分な要素が不協和音にならないように
 アクセント・レベルに削ぎ落とす作業。

 一方で体格差を無視している訳ではなく、
 しっかり鷹木の戦術に落とし込まれていて見事でしたね。
 双方意図が明確でお互いフォローしていて
 繊細な一進一退を生み出しました。
 ここまで綿密な関係性を築くとは予想以上です。

 鷹木に負荷をかける中、
 終盤の攻防は二人の関係性という点でまだ完成していませんが、
 それでも試合として求められる緩急は合格点以上のものを作り上げていて
 15分程度の試合ながらクオリティは抜群。

 ぎりぎり好勝負です。

EG1公式戦:石井智宏vs.ジェフ・コブ(7/13/19)
 エルガンとはまた違うタイプのコブ。
 まずは無骨な打撃の張り合いを
 手を替え品を替えながら行っていきます。
 間を使いこなせるようになったので
 コブは新日でも上手くやっていけそうですね。

 丁寧にコブがスケール・アップされていて
 観客も齟齬無く試合に入れ込むことができています。

 15分を超えたところで、技の攻防でそれぞれの価値をあげ合う
 理想的な状態にまで到達しています。
 カウンターに返さなくても、
 技を防ぐ、という一歩手前の攻防で魅了できているのが強く、
 フィニッシュまでの攻防はどれも数珠のクオリティでMOTN。

 ぎりぎり好勝負 。

FG1公式戦:後藤洋央紀vs.ジェイ・ホワイト(7/13/19)
 後藤がジェイのペースにさせまいと押せ押せも
 ジェイが環境使ってハードな腰攻め。
 他のトップ・レスラーと比べると
 後藤の試合に対する感度が一次元少なくて
 中盤彼の受け時は退屈と言わざるを得ません。

 悲願の戴冠ネタで後一度商売になるから
 ポジションを落としきれないのは分かるのだけど。

 ジェイが献身的なリードを見せながら
 後藤好みのハードさに加減しています。
 主導権渡さず良く終盤まで持たせましたね。
 その上で終盤前にはくいっと熱量を押し上げる。
 お見事です。
 終盤は得意技が同体勢であることを利用しながら
 後藤も良い所を見せてフィニッシュ。

 好勝負に少し届かず。
  (執筆日:7/?/19)

 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@G1公式戦:ランス・アーチャーvs.ウィル・オスプレイ(7/6/19)
AG1公式戦:SANADA vs.ザック・セイバーJr.(7/6/19)
BG1公式戦:KENTA vs.飯伏幸太(7/6/19)
CG1公式戦:オカダ・カズチカvs.棚橋弘至(7/6/19)
DG1公式戦:ジュース・ロビンソンvs.鷹木信悟(7/13/19)
EG1公式戦:石井智宏vs.ジェフ・コブ(7/13/19)
FG1公式戦:後藤洋央紀vs.ジェイ・ホワイト(7/13/19)