新日本プロレス:Best of Best of the Super Junior 2019 part.2の分析
名勝負 | BOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.バンディード(5/23/19) BOSJ公式戦:鷹木信悟vs.ドラゴン・リー(5/23/19) |
好勝負 | BOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.ロッキー・ロメロ(5/16/19) BOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.YOH(5/19/19) BOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.エル・ファンタズモ(5/22/19) |
@BOSJ公式戦:鷹木信悟vs.金丸義信(5/18/19)
10年前はDG vs.Noahの代表レスラー対決が
新日本プロレスで実現するとは思わなかったですね。
金丸がヒール術でコントロールしにかかり
実況席へのニー・クラッシャー。
分かりやすい形骸化した脚攻めで
老獪な金丸という立ち位置を作っていきます。
ここまで振り切ると鷹木は脚を使ってはいけない制約を受けますが、
しっかりとその制約の中で自分の存在感も確立してみせました。
コンセプト・マッチで金丸ブランドを復活させた素晴らしい一戦。
好勝負に少し届かず。
ABOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.YOH(5/19/19)
躍動するオスプレイが磐石な攻め。
YOHはドラスクから反撃開始。
技の決まりがもう少し絵になればとは思いますが、
脚攻めに拘り独自色を出せているのはポイント。
低空ドロップ連打やサブミッションへの引きずり込みは良いですね。
逆転の可能性の示し方として分かりやすい。
変にアンダードッグに寄らないで
終盤オスプレイと対等にやりあえたのは今後の糧になる。
最後はオスプレイに屈する形でしたが、
それまでの内容を見ているともう一伸びさせるポテンシャルは十分にあった。
ぎりぎり好勝負。
BBOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.エル・ファンタズモ(5/22/19)
オスプレイが奇襲し、観客席に投げつけるヒートっぷりを見せるので
日本の観客の窺い知れぬ関係性も分かりやすく伝わります。
ファンタズモのエンタメ、機能性両立させた受け身も良いですね。
会場入り口の上からのムーンサルトをファンタズモが披露。
ティピカルではない形で荒々しさも保てていて印象に残りました。
オスプレイが乱戦向きの受けに微調整して、
ファンタズモの道化っぷりをまた映えさせているのが上手い。
ファンタズモ自身は一部その場凌ぎにエンタメで繋ぐ感覚は残っているものの
空間のダイナミックの使い方等感心するところの方が多いですね。
終盤でもしっかりとファンタズモらしさを出せていますが、
唸ったのはオスプレイの類まれなる表現ですね。
ファンタズモの頭部を蹴り飛ばしつつ
足を首にかけてファンタズモが倒れるのを許さないシーンとか痺れましたね。
最後のレフェリー絡みの攻防、フィニッシュはややしっくりこない。
タイツを掴んでの丸め込みで終えるぐらいが良かったのでは。
最後落としてしまった印象です。
ベストバウト・マシーンのオスプレイが引っ張り上げただけではなく
ファンタズモが自身でキャリア・ベストを掴み取った素晴らしい内容。
文句なしに好勝負。
CBOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.バンディード(5/23/19)
スライディングの切れ味から
モンキー・フリップによる飛ばす高さまで
ちょっとした動きのレベルからして違いますね。
バンディードは先手を取られた形ですが、
反撃の初手にボディ・リフト、
チョップの打ち合いと繋げることで
上手く端的にバランスを戻している。
今度はバンディードの番で
スプリングボード式SSPにドラゴン・ラナ。
凄まじいムーブのやり取りですね。
ムーブを過剰に連打する訳でもなく、
観客と一体となった雰囲気の中で一つ一つに
大きく湧き上がる感じは90年代のJr.を思い起こさせます。
それでいてムーブは2010年代進化系ですからね。
21プレックスの攻防、ストームブレーカーの入りも最高で、
文句なしに名勝負です。
DBOSJ公式戦:鷹木信悟vs.ドラゴン・リー(5/23/19)
攻防の為のリアルなちょっとした必要時間を
戦いの中での処理する必要がある中で
攻防の帰結に向けた緩急に驚くほど上手く直結させている。
同じビジョンを見ての演舞ではなく、
違いをズレではない形で許容し、
一人だけでは出来ないものを作っている。
短いスパンのシーンがどれも完成度高く、
それでいて構築面でも鷹木のビッグ・スポットが
楔のようにポイントに打ち込んでいて文句のつけようがありません。
リーは柴田ムーブを"柴田ムーブを見せる"という文脈で使ったりと
その場での雰囲気、盛り上がりを維持する
試合運びになることが良く見られて、
それは決して悪いことではないのだけれども、
この試合ではそんな安穏なことはしていられない程、
試合は白熱していて、リー自身も情熱に踊り狂っている。
戦いの芯が太くて、見せる為のムーブは一切ないですね。
一時も見逃せない素晴らしい攻防。
クライマックスのフィニッシュ級の打撃の打ち合いも壮絶でした。
MOTYCのセミの後でまったく違うカラーでもって
等しくMOTYCレベルの名勝負が見られるとは異常。
文句なしに名勝負です。
(執筆日:5/?/19)
注目試合の詳細
なし試合結果
@BOSJ公式戦:鷹木信悟vs.金丸義信(5/18/19)ABOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.YOH(5/19/19)
BBOSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.エル・ファンタズモ(5/22/19)
CBotSJ公式戦:ウィル・オスプレイvs.バンディード(5/23/19)
DBotSJ公式戦:鷹木信悟vs.ドラゴン・リー(5/23/19)