TOP日本のプロレス新日本プロレス 10年代の大会 → 新日本プロレス:Dominion 6/11/17

新日本プロレス:Dominion 6/11/17の分析


名勝負 IC王座戦:内藤哲也(ch)vs.棚橋弘至

IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ
好勝負 Jr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.KUSHIDA

@真壁刀義、永田裕志、タイガーマスクW、タイガーマスクvs.天山広吉、小島聡、中西学、獣神サンダー・ライガー
ANEVER無差別級6人タッグ王座戦、ガントレット・マッチ:SANADA、BUSHI、EVIL(ch)vs.石井智宏、矢野通、YOSHI-HASHI vs.田口隆祐、ジュース・ロビンソン、リコシェvs.ザック・セイバーJr.、金丸義信、タイチ
BJr.タッグ王座戦:六本木ヴァイス(ロッキー・ロメロ、バレッタ)(ch)vs.ヤング・バックス
Cタッグ王座戦:ウォー・マシーン(レイモンド・ロウ、ハンソン)(ch)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(タマ・トンガ、タンガ・ロア)
Dコーディvs.マイケル・エルガン

EJr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.KUSHIDA
 打撃をひたすら耐えて打ち合うという
 Jrらしからぬ攻防で開幕。
 ヒロムが大技を基調とした得意のファイト・スタイル。
 KUSHIDAも合わせてスポットをベースに構築の布石を打っていますね。
 これまでの過去の試合を活かした
 定番スポットを決めるか、
 逆に決めてやるかといった見せ場も上手く機能し、
 大枠で大枠で試合が形作られていきます。
 後半は過激な大技の打ち合いへ。
 ストレートの拳の打ち合いまであります。
 一部Jrらしさを殺した四天王プロレス的にも見えますが、
 ひとまずのこの数え歌の集大成としてお見事。
 文句なしに好勝負。

FIC王座戦:内藤哲也(ch)vs.棚橋弘至
 棚橋が奇襲を仕掛けますが、
 単純な不意打ち以上のこの試合の背景、
 イデオロギーを感じさせてくるのは見事。
 内藤も凌ぐとコスチュームを脱ぐという行為で
 余裕っぷり、一層のキャラ表現をして見せて負けていません。
 内藤が中盤腕攻め。
 棚橋は既に腕を痛めているというストーリー・ラインの中で
 通常とは違うセルを絶妙に表現。
 バック・ストーリーの重みを感じさせますね。
 観客の期待を溜め込んでいた棚橋が張り手からジャーマン。
 予期せぬタイミングで反撃を決めて沸かせる手法は
 一歩引いているもののやはりNJPWのエースの一人だな、と感心させるに足る
 ドラマチックな見せ方です。
 間の取りかたも素晴らしいですね。
 攻防のアクションという意味では
 今回の見せ方故に少し割を食っているものの
 それ以上の効果を発揮し、棚橋の生き様を感じさせましたね。
 ぎりぎり名勝負。

GIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ
 序盤は定型の流れを潰しあう展開。
 オカダがトペコンを決めるも脚を少し痛そうにしてから
 オメガが脚攻めを開始。
 非常にスムーズな意思疎通、試合運びのストーリー語りですね。
 脚攻めの印象付け、
 ロープ・ワークの適度な使い方も良いですね。
 前回の試合は最初の20分の存在価値が薄かったものの
 この試合はそんなところが全然ない。
 オメガが首攻めでお返しし一進一退。
 トップ・ロープ・ムーンサルトなど
 特別な大技を丁寧に配置し時間を積み重ねます。
 テーブルが飛び出てきて30分経過。
 マジック・タイムといった浮ついた感覚ではなく
 淡々と2人の間の糸の手繰り寄せあいで成立しているのが異常。
 オメガが感情を調整しながら、
 巧みに投打締を交錯させていきます。
 ここで攻防の独創性に見せ方をシフト。
 何をするつもりなのかで魅了していきます。
 30分経過して観ている方も疲れが出てくる中で
 優しい細やかな攻防で楽しませてくれます。
 オメガは自在にボディ・コントロール。
 韻を踏んだかと思いきや、打撃で荒々しい雰囲気を作ったり、
 リズム付けを優先させたり、技に意図を持たせたり。
 恐ろしいレベルで創り手の御技を見せます。
 オカダも疲労感の表現の繊細さは目を見張ります。
 テーブル葬が決まり、セコンドのコーディがタオルを投げようという見せ場。
 ここで2人だけの世界からセコンドまで広げ、観客のところまで広げて
 良くも悪くも俗っぽくシフト・チェンジ。
 ラスト10分はちょっと調整の印象もありますが
 まったく手を抜かないハードなぶつかり合いを継続。
 これまでのどの60分マッチとも違う異形にして偉業を成し遂げました。
 歴史的な名勝負。
 
DVD Rating:★★★★★
(執筆日:7/?/17)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@真壁刀義、永田裕志、タイガーマスクW、タイガーマスクvs.天山広吉、小島聡、中西学、獣神サンダー・ライガー
ANEVER無差別級6人タッグ王座戦、ガントレット・マッチ:SANADA、BUSHI、EVIL(ch)vs.石井智宏、矢野通、YOSHI-HASHI vs.田口隆祐、ジュース・ロビンソン、リコシェvs.ザック・セイバーJr.、金丸義信、タイチ
BJr.タッグ王座戦:六本木ヴァイス(ロッキー・ロメロ、バレッタ)(ch)vs.ヤング・バックス(新チャンピオン!)
Cタッグ王座戦:ウォー・マシーン(レイモンド・ロウ、ハンソン)(ch)vs.ゲリラズ・オブ・デスティニー(タマ・トンガ、タンガ・ロア)(新チャンピオン!)
Dコーディvs.マイケル・エルガン
EJr.ヘビー級王座戦:高橋ヒロム(ch)vs.KUSHIDA(新チャンピオン!)
FIC王座戦:内藤哲也(ch)vs.棚橋弘至(新チャンピオン!)
GIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(60分時間切れ)