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新日本プロレス:Wrestle Kingdom 7 1/4/13の分析


名勝負 IC王座戦:中邑真輔(ch)vs.桜庭和志
好勝負 Jrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キーvs.飯伏幸太

IWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.オカダ・カズチカ

@井上亘、タマ・トンガ、キャプテン・ニュージャパンvs.邪道、YOSHI-HASHI、石井智宏
A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスクIV、高橋広夢vs.田口隆祐、KUSHIDA、BUSHI

@中西学、MVP、ストロング・マン、曙vs.矢野通、飯塚高史、高橋裕二郎、ボブ・サップ
ANEVER無差別級王座戦:田中将斗(ch)vs.シェルトン・ベンジャミン
Bタッグ王座戦:ランス・アーチャー、デイビー・ボーイ・スミスJr.(ch)vs.後藤洋央紀、カール・アンダーソン

C永田裕志vs.鈴木みのる
 序盤は同じ事をやり返してセット・アップ。
 何度と無く同じ事をやっているのでしょうが
 演者として新鮮な気持ちを保ち続けているのが良いですね。
 セコンドの介入から鈴木の煽り、
 永田の反撃を挟んで鈴木が脚攻め。
 中盤は両者共に実に適度に抑えていましたね。
 張り手の連打からスリーパーを放ち終盤突入。
 永田も腕攻めで対抗して盛りあえましたね。
 数え歌の中でワン・オブ・ゼムの内容でありながら
 だからこそ2人の上手さを感じられる試合でもあります。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 
DJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キーvs.飯伏幸太
 ロウ・キーがヒットマン・コスで登場してびっくりさせます。
 スーツは特注でしょうが、それでも制限を受けているはず。
 にも関わらずロウ・キーの動きはデヴィット、飯伏という一流選手を遥かに超えるほどキレていました。
 多少動きの乱れはありますが、制動しきっており逆に強い印象を残している。
 受身も素晴らしかったですね。
 とはいってもロウ・キー、飯伏も当然高値で安定。
 その身体能力の絶対的な高さを活かした構成です。
 特に3ウェイならではのスポットや挑戦的な入り乱れ方はなく、
 日本的な概念の範疇をまったく超えていませんがそれでも十分に盛り上がりました。
 ぎりぎり好勝負。

E天山広吉、小島聡vs.武藤敬司、大谷晋二郎

F真壁刀義vs.柴田勝頼
 柴田は久しぶりのプロレス復帰ですが
 やはり様になるレスラーですね。
 エルボーで気持ちを前面に押し出しながら
 要所に絞った技を上手く見せます。
 真壁は受け手に回り、
 応援を第一にした自分のスタイルを守って攻防を行います。
 柴田も単純に一発で沈まず気合の起き上がりで調整している。
 両者のスタイルを守った上で交流しているという点で素晴らしい。
 しかし問題はオーソドックスな型に入ったところで
 柴田がパワー・ボムでのテーブル葬を食らってしまい完全に決着した点。
 一応その後気合で粘りましたけどね。
 折角新しい可能性が示せる中で噛ませ犬というステレオタイプに落とし込んでしまった。
 実に勿体無い。
 平均的な良試合。
 
GIC王座戦:中邑真輔(ch)vs.桜庭和志
 レスラーとしてのスター性、華に欠けるもMMAで実績を積んできた桜庭。
 MMAを経験し紆余曲折ありながらも所謂くねくねで
 レスラーとしてのスター性を高めあげた中邑。
 正反対でありながら親和性のあるマッチ・メイクの妙が素晴らしい試合を生み出しました。
 レスナーvs.シナがプロレスというデフォルメの中でMMAを見事に融合させたなら
 この中邑vs.桜庭はMMAというリアルの中でプロレスを融合させている極めて日本的な試合です。
 MMAの技術、光景をコントロールしながら
 プロレスの構成のために技を自然に導入させています。
 桜庭も単純に技術を提供する存在だけではなく
 理解を示し構築に寄与していたことは評価できますね。
 またボマイエがMMA的危機感を持って使われ、
 世界観の中で必殺技足りえていたのは見事。
 ぎりぎり名勝負です。

HIWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.オカダ・カズチカ
 まずはアピールからオーソドックスなレスリング
 3戦目としては味気ない印象です。
 勿論台風の前の静けさとしての意味合いを期待してのことでしょうけどね。
 オカダがいつものドロップ・キックを未遂にし代わりのDDTで主導権を握ります。
 スケールの大きな技をベースにしながら支配。
 オーソドックスな主導権の移行後、
 棚橋がドラスクで放つも単なる前振り、そこで足攻めにはいきません。
 オカダもドラスクを打ち返すなど色々伏線を散りばめます。
 20分の段階でまだ下準備ですね。
 ただ構成自体は主要なスポットを伏線に落としているだけで
 根本的な改善にはなっておらず、広く薄くした印象になっている。
 オカダのドロップ・キック、花道スポットから終盤へ。
 綺麗に一進一退を繰り広げた後、
 棚橋の足攻め、掟破りで大いに盛り上げました。
 レインメーカーアピール時含めてカメラの演出も良かったですね。
 しかし20分の前振りを最大限に活かした内容とはいえない。
 結果的に前回の試合には届きませんでした。
 ぎりぎり好勝負。

総評
 紛れも無くトップ・クラスの大会で必見です。
 ただ駄目な試合もない訳ではないし、メインの結果が
 5つ星と断言させることを若干躊躇させます。
 それでも迷った挙句やはり5つ星かな、と。
DVD Rating:★★★★★
(執筆日:1/14/13)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@井上亘、タマ・トンガ、キャプテン・ニュージャパンvs.邪道、YOSHI-HASHI、石井智宏
A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスクIV、高橋広夢vs.田口隆祐、KUSHIDA、BUSHI
@中西学、MVP、ストロング・マン、曙vs.矢野通、飯塚高史、高橋裕二郎、ボブ・サップ
ANEVER無差別級王座戦:田中将斗(ch)vs.シェルトン・ベンジャミン
Bタッグ王座戦:ランス・アーチャー、デイビー・ボーイ・スミスJr.(ch)vs.後藤洋央紀、カール・アンダーソン
C永田裕志vs.鈴木みのる
DJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロウ・キーvs.飯伏幸太
E天山広吉、小島聡vs.武藤敬司、大谷晋二郎
F真壁刀義vs.柴田勝頼
GIC王座戦:中邑真輔(ch)vs.桜庭和志
HIWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.オカダ・カズチカ