新日本プロレス:Best of G1 Climax 2012の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | G1公式戦:オカダ・カズチカvs.内藤哲也(8/2/12) G1公式戦:小島聡vs.棚橋弘至(8/4/12) G1公式戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(8/5/12) G1公式戦:小島聡vs.鈴木みのる(8/10/12) |
@G1公式戦:オカダ・カズチカvs.内藤哲也(8/2/12)
まずは基本的な演舞ながら軽量級に引けを取らない高さとスピードがあり掴みはOK。
内藤の低空ドロップ・キックに対しオカダが首狙いに強制転換。
飄々としながらよく観客の動きを見ていますね。
内藤も最高スピードを活かした試合運びは完成されている。
環境を使ったドロップ・キックも体を張っていて素晴らしい。
オカダが膝を使ってのネック・ブリーカーで反撃。
これにより相互の部位ダメージが上手く調整されました。
技のたたみかけ、威力上昇に関して
観客が完全に一致できるほど技の配置、打ち方が文句なし。
それでいて観客に読ませるよりも鋭い緩急で攻防を繰り広げました。
IWGP王座戦と負けじ劣らずの内容。
文句なしに好勝負です。
(執筆日:11/1/12)
AG1公式戦:永田裕志vs.丸藤正道(8/4/12)
序盤をかわし合いで締め、丸藤の脚狙いvs.永田の腹狙い。
本来Jrであるはずの丸藤が何の違和感もなく
ヘビー級として扱われていることに首を傾げざるをえない。
また試合の作り方も相手の見せ場への配慮が目立つ。
一応他団体との対決なんだからもう少し火花を散らしても良いのに。
物足りない試合でした。
平均的な良試合。
(執筆日:11/1/12)
BG1公式戦:小島聡vs.棚橋弘至(8/4/12)
小島は体勢の見せ方が上手く絵を作っていますね。
その分相手との攻防が一呼吸遅れているものの十分お釣りは来る。
棚橋がプランチャから腕攻め。
小島は余り棚橋と接点を持ちませんが
数少ないそれ、DDTを決めるタイミングはジャスト・タイミング。
エプロンDDT、場外DDTの流れを敢えて断ち切り、二部構成へとつなげたのも面白い挑戦です。
エルボーの打ち合いから棚橋がドラスクによる腕攻めVer2。
いつもの脚攻めの方法論を腕攻めにも適用させていますね。
強設定のラリアットを各種場面で使うことでドラマを作り出し、
去年の王座戦に比類する素晴らしい一戦を作り上げました。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:9/9/12)
CG1公式戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(8/5/12)
(途中から。カットあり。16分中7分)
シングル初対決。
オカダがポーズを取って生意気さを表現すれば
中邑が余裕を醸しつつのハードな蹴りで対等じゃないだろ、とスタンスを表明。
そこにオカダも受けに回り続けず
早い段階で反撃し意地をぶつけていきます。
中邑の素晴らしくキレている攻めの緩急、受身の妙に
オカダのスケールのある技が加わって面白くならない訳がありません。
終盤もカウンターが冴え渡り王座戦相当の盛り上がりを生みました。
このカードの初対決をフルで放送していない(?)ことが信じられない。
半分以下を見た限りでも好勝負は間違いないと思わせる程なだけに惜しまれる。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:3/2/13)
DG1公式戦:後藤洋央紀vs.オカダ・カズチカ(8/7/12)
後藤が間を持って攻め。
自分の格好良さを演出するためのものですね。
ただこれならオカダは相手に任せてはいけない。
自分の良さを自分でアピールする必要があります。
首攻め合戦ですが相手とのミックスがいまいちで
本来よりスピード感が落ちていますね。
攻防の狙えるラインが低いせいで
バランスが崩れてベース・ラインの緩急もできていません。
クライマックスも無駄に足踏みがある。
王座戦から随分とレベルが下がっていてがっかり。
まあまあ良い試合。
(執筆日:9/9/12)
EG1公式戦:鈴木みのるvs.丸藤正道(8/7/12)
元タッグ・パートナー対決で8年ぶりの一騎打ち。
それは韻を踏みながらのレスリング、張り手合戦に現れているか。
丸藤はヘビー級仕様でまったく引くことなく対等に自分を位置づけています。
しかしながら同じ位置で試合に臨まれていて
みのるがここまで自分のキャラを出さずに受け続けているのも不思議。
ロープを使ったアーム・バーから主導権を握り、らしさを出しますが、
アキレス腱固めも無意味に終わったし、
最後の多重ロープ・ワークもユニークではあるが連関性はなし。
すべり気味の一戦でした。
まあまあ良い試合。
(執筆日:3/2/13)
FG1公式戦:棚橋弘至vs.矢野啓太(8/7/12)
矢野はスポットが足りない欠点を持ちますが
棚橋となら一進一退の精度の高さでそれを補って余りある。
矢野自身も背中攻めのシーン中で
上手くヒールでありながら観客と一体感を生み出していました。
終盤のレフェリー気絶などを加えた
エンターテイメントな攻防も試合にフィットしている。
王座戦と同等のクオリティでした。
好勝負に少し届かず。
GG1公式戦:棚橋弘至vs.鈴木みのる(8/8/12)
年初の王座戦と同一カードということで
気持ちの入れようも違うかなと動き上は思わされたのですが、
余りに早い張り手合戦、低空ドロップ・キックでセット・アップが不十分。
またNJPWは王座戦ではない一戦=ヒール要素、介入などを加えて
チープさが増すだけに大抵陥りがちになっている印象がありますが
この試合も例外ではありません。
棚橋は技使いが散漫で無駄になったスポットが多いですね。
みのるはキャラクター含めての試合運びなので
そこまでぶれはしないものの、最後のスリーパーへの拘りはいくらなんでもくどい。
特にMOTYの前兆を感じさせないいまいちな内容。
まあまあ良い試合です。
(執筆日:3/2/13)
HG1公式戦:小島聡vs.鈴木みのる(8/10/12)
胸への張り手を何発も打ち合ってスタート。
セコンドのタイチやロープ、柵を使った攻撃でみのるが優位に立ちます。
小島が劣勢に立たされる分かりやすい展開ですね。
小島の反撃もマシンガン・チョップなど愚直。
それゆえ会場との一体感は中々のものになっています。
打撃の耐えをベース軸にしているので
攻防の幅は狭いのですが、その中で上手くストーリーを紡いでいますね。
退場させられたタイチが戻ってきての終盤も盛り上がりました。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:11/1/12)
IG1公式戦:棚橋弘至vs.永田裕志(8/11/12)
最初のレスリング。
すぐに動いて様式が作れていない上に、たいして高度でもありません。
棚橋が若干のりきれていないものの永田の腕狙いへと展開。
それぞれカウンターは良質ですが
その中でこれにより主導権を握ったと納得感を抱かせるような
大きなスポットが欲しいですね。
スピード感をもって後半戦に突入すると
それぞれシークエンスで魅力的なものを提示。
単なる攻防ではなく技のシーン作りで、
激戦とは違った形で観客を満足させる上手さが出ていますね。
去年の試合には見劣りするものの決して悪くない内容です。
中々良い試合。
(執筆日:11/1/12)
JG1決勝:オカダ・カズチカvs.カール・アンダーソン(8/12/12)
まずは軽く防ぎ合った後カールが腕狙い。
それまでに試合をしているとはいえ掴みは弱いですね。
オカダは初手ドロップ・キック。
カールも通常技のキレは光るものがあるのですが
オカダのようなスケール感はなくどうしても見劣りしますね。
またカールの攻めとオカダの受けのリズムがやや合致してないのも問題。
攻防を加速させての後半戦ではカールもオカダのようなダイナミックさを見せ始めます。
終盤の鬩ぎ合いは素晴らしくカールのバーナード・ドライバーという隠し玉も大いに盛り上げました。
ただ波にのっている2人をぶつけるブッキングは素晴らしいが、
それを考慮すると中身自体は思ったより伸びなかった印象。
G1ということで個人戦の戦いでしたが
オカダのヒール的立ち位置を加えたらもう少し面白くなったかもしれない。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:9/2/12)
注目試合の詳細
なし試合結果
@G1公式戦:オカダ・カズチカvs.内藤哲也(8/2/12)AG1公式戦:永田裕志vs.丸藤正道(8/4/12)
BG1公式戦:小島聡vs.棚橋弘至(8/4/12)
CG1公式戦:中邑真輔vs.オカダ・カズチカ(8/5/12)
DG1公式戦:後藤洋央紀vs.オカダ・カズチカ(8/7/12)
EG1公式戦:鈴木みのるvs.丸藤正道(8/7/12)
FG1公式戦:棚橋弘至vs.矢野啓太(8/7/12)
GG1公式戦:棚橋弘至vs.鈴木みのる(8/8/12)
HG1公式戦:小島聡vs.鈴木みのる(8/10/12)
IG1公式戦:棚橋弘至vs.永田裕志(8/11/12)
JG1決勝:オカダ・カズチカ(優勝!)vs.カール・アンダーソン(8/12/12)