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新日本プロレス:Best of NJC 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 NJC準決勝:棚橋弘至vs.カール・アンダーソン(4/8/12)

NJC決勝:棚橋弘至vs.後藤洋央紀(4/8/12)

@NJC1回戦:棚橋弘至vs.矢野啓太(4/1/12)
 まずは小気味良いレスリング。
 矢野が打撃を解禁すると
 棚橋がベビーフェイスとしてやられて展開付けます。
 矢野が髪を掴めば棚橋も撹乱して応じる。
 棚橋のトペに対して矢野が椅子攻撃。
 依然ネタの数に依るところはあるが
 棚橋のダメージ表現が素晴らしく煽りとしても成立しています。
 相互の関係性の意図が途切れず緊密な一進一退を繰り広げました。
 棚橋が疲労を使って一発の重みを出し最後まで盛り上げました。
 去年の王座戦より遥かに良かった。
 好勝負に少し届かず。

ANJC1回戦:内藤哲也vs.小島聡(4/1/12)
 小島が意地悪な間を空け
 内藤も相手の動きにのらず自分のペースでグラウンドをアピールしている。
 内藤の脚狙いに対して小島がDDTなど一発で主導権を取り返します。
 その後は小島のターンが続き、
 小島のインパクトあるスポットと内藤の細かい攻防で魅せて行きます。
 脚のダメージを蓄積させて終盤への疲労感をもたらすと
 更に内藤が丸め込みを織り交ぜてエスカレートさせていきました。
 ただその丸め込みの1つで決着するのは勿体無い印象。
 好勝負に少し届かず。

BNJC2回戦:カール・アンダーソンvs.中邑真輔(4/5/12)
 まずは素早い攻防。
 その中で両者アピールを組み込んでいく。
 カールがドラスクから脚狙いを開始します。
 中邑は脱力しながら要所ではしっかり印象的な技を叩き込む。
 鉄板の仕事ですね。
 カールも結構時期を見計らってアクションするので
 お互い通じるところもあるのでしょう。
 磐石の試合内容となっています。
 特別性には欠けるところがあるものの
 カール人気のムーブメントが起きているので普通以上の盛り上がりがありました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

CNJC2回戦:棚橋弘至vs.内藤哲也(4/5/12)
 棚橋が初手丸め込みをするなど
 内藤の先んじて牽制を仕掛けています。
 内藤は前回程の特別な技のキレもなく
 こうなると棚橋が上の上を行った印象を受けてしまいますね。
 ただ試合自体は前回に見劣りしないものになっていて
 どちらも脚攻めを行なう中で
 微調整の利いた攻防は相手と齟齬を起こしていません。
 どうしても小ぶりな内容になるものの
 前回に比べ地に足のついた内容でした。
 中々良い試合。

DNJC準決勝:棚橋弘至vs.カール・アンダーソン(4/8/12)
 好調カールは基本的ムーブが鋭いですね。
 基本的なもの以外の動きが少ないので個性が弱いのが問題ではあるが
 棚橋が受けて初手にボディ・ブローを選ぶなど
 カールの基本的ムーブが凄いことを強調するというベストな対応を見せている。
 中盤はカールが脚攻め。
 厳しくも的確で、それを受ける棚橋も痛がり方が素晴らしく
 両者の魅力が引き立てられています。
 細かくもしっかりとステップ・アップ。
 棚橋は脚の痛みを引きずりながらの反撃ですが
 スターとしてのアピールを欠かさないところが棚橋らしくて良いですね。
 棚橋がもたらす受けのゆるやかな表現と
 カールの鋭い技は親和性高く、試合のレベルが落ちるシーンはなかった。
 最後のカウンター合戦も冴え渡っていて
 普通にこの2人の王座戦を実現させたら
 新日のMOTYになってしまうのではないかと思わせるぐらいの内容でした。
 ぎりぎり好勝負。

ENJC決勝:棚橋弘至vs.後藤洋央紀(4/8/12)
 序盤は平凡な立ち上がり。
 棚橋がゆっくり脚攻めを行ないます。
 準決勝の疲れが残っているから
 決勝として小さく積み重ねていく戦略のようですね。
 正攻法ではあるが狙うラインが低くつまらないですね。
 一方の後藤は大技による首攻め。
 しかし大技と他の組み合わせがいまいちです。
 ロー・スタートでしたが棚橋が本領を発揮し始める。
 決勝という舞台の設定をした後、
 その舞台に上がるのはどちらもトップ・スターなんだ、と
 スター対決の装いを加えてきます。
 そして後藤自ら劣化させていた一発の怖さを復活させる。
 棚橋の場外へのハイ・フライ・フロー、ロープを使ったドラスク、
 リングアウトしかけるもリングに戻ってくるシーンなどで盛り上げます。
 後藤は脚の痛みを引きずりながら蹴り系の動きを繰り出しますが中途半端で
 唐突に出した腕ひしぎの意味合いも分かりません。
 後藤にこれ一つとして感心することがないまま時は過ぎ、
 棚橋に感心しきりで時は経ちました。
 終盤はNJC決勝ということで極限まで試合は決まらないスタンスで
 当然要求されるボリュームは多いのですが
 棚橋は1人だけでカウンターを駆使して提供していました。
 棚橋お見事。
 ぎりぎり好勝負。

(執筆日:5/20/12)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@NJC1回戦:棚橋弘至vs.矢野啓太(4/1/12)
ANJC1回戦:内藤哲也vs.小島聡(4/1/12)
BNJC2回戦:カール・アンダーソンvs.中邑真輔(4/5/12)
CNJC2回戦:棚橋弘至vs.内藤哲也(4/5/12)
DNJC準決勝:棚橋弘至vs.カール・アンダーソン(4/8/12)
ENJC決勝:棚橋弘至vs.後藤洋央紀(優勝!)(4/8/12)