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新日本プロレス:We are Pro Wrestling Love 7/1/12の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@KENSO、渕正信、キャプテン・ニュージャパンvs.邪道、外道、YOSHI-HASHI
A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、獅龍、BUSHI、SUSHI vs.プリンス・デヴィット、田口隆祐、KAI、大和ヒロシ、高橋広夢
B大森隆男、征矢学、後藤洋央紀、カール・アンダーソンvs.鈴木みのる、ランス・アーチャー、TAKAみちのく、タイチ
C永田裕志、井上亘、KUSHIDA vs.船木誠勝、河野真幸、田中稔

Dアジア・タッグ王座戦:関本大介、岡林裕二(ch)vs.曙、浜亮太
 曙と岡林のぶつかり合いでスタート。
 曙は体重をのせたクイックなたエルボー・ドロップという武器を得てますます輝いていますね。
 大日参戦を糧にした浜の間の取り方も素晴らしい。
 岡林は受けている間も考えているので、
 受けの時間が多少長くなっても、
 適切な反撃でリターンを取り返しています。
 関本は前半を打撃、後半を投げから連携技と
 技種を絞ることでステップを作り出しています。
 素晴らしい試合でしたが、
 後半を見ているとシチュエーションの難しさを感じましたね。
 曙、浜は大日ならそのふてぶてしいまでの強さがヒートを煽るものの
 全日では力強さがぶれないが故に応援の必要性を感じさせない。
 大日側も全日の構成に合わせる中で投げが成功するまでの過程を描くことを放棄していました。
 終盤の流れの変えあいは面白かったが
 王座交代劇ということを考えるともう少し攻防量を増やしても、と思います。
 好勝負に少し届かず。

E内藤哲也、タマ・トンガvs.真田聖也、ジョー・ドーリング

Fオカダ・カズチカ、中邑真輔vs.諏訪魔、近藤修司
 諏訪魔は配慮なく相手を押さえつけにかかり
 相変わらず規格外の魅力を振りまきます。
 対するオカダは感情的な攻撃も一部見られましたが
 基本的には余裕振りを示すいつものキャラをベースにしている。
 いつも通りの諏訪魔に対し、平常心を崩してはマイナス・イメージかもしれませんが
 その余裕振りを示す仕草をする際に、次の行動を完全に相手に委ねていてはいけません。
 自分の土俵に入ってくれないと王者時代のワークはできないようですね。
 中邑は諏訪魔と前回同様激しく攻防を繰り広げましたが
 中邑の側が出し惜しみせず技をぶつけていた印象。
 終盤の1対2のスポット、対抗戦略も含め
 この対抗戦をシングルなどもう1歩踏み込ませるには
 ちょっとバランスの取り方が難しい対決でリスクを感じさせます。
 試合自体は手放しで素晴らしかったですけどね。
 好勝負に少し届かず。

G武藤敬司、天山広吉、小島聡vs.矢野通、飯塚高史、石井智宏

H三冠王座戦:秋山準(ch)vs.太陽ケア
 まずは大きく動かず繊細な攻防で格式を作り上げます。
 円熟したケアは軌道にしっかりのせた上で
 意図的に意表を突いてくるので大きな効果を上げている。
 エプロン技でインパクトを生んだ後、首攻めの理につなげて
 スポットの点をベース・ラインに転換している。
 秋山はまったりした展開の中でこんなこと大したことないよ、と言いながら
 顔にニーを入れたりとえげつなさを見せ試合の基準を引き上げて行きます。
 中盤が少しスロー過ぎたきらいもありますが
 秋山は一部要素を無視してまで最大の緩急をつけることを今の売りにしているので
 この溜めは致し方ないのかもしれませんね。
 終盤はベテランだから許されるところのある人為的な攻防作りでしたが中々盛り上がっていました。
 好勝負に少し届かず。

IIWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.真壁刀義
 序盤をあっさり終わらせ棚橋が脚攻め。
 鉄柱を使うことで真壁の人気者っぷりを活かそうという意図なのでしょうが
 全日ファンもいる会場で一時的なベビーフェイス/ヒール・シチュエーションを生み出そうというのは悪手ではないか。
 真壁は場所を移しながらのラリアット攻勢。
 真壁は決して下手ではなく王道な試合運びなのだけど
 試合運びに深みがないのが困り所。
 ラフに出るのならリベンジの意味合いを付与したかった。
 インパクトあるスポットを経て棚橋がドラスクを使いより本格的な脚攻めへ。
 ただ真壁の脚の痛みの表現は特筆すべきものはなく2回に分ける必要性は感じず。
 また終盤になって再び棚橋が観客を煽っていますが
 もう雰囲気は既に出来上がっているべきで、
 ここからはベビーフェイス/ヒールから
 新日の歴史を通産防衛回数の記録を塗り替えるか、という
 2人のレスラーとしての対決に見方をシフトさせていてしかるべきでした。
 結局、攻防数が多いので盛り上がったけれど
 棚橋の王座戦にしてはクオリティが低かったですね。
 そもそも棚橋vs.真壁はそんな上を狙えるカードではないという問題もありますが。
 平均的な良試合。

総評
 合同大会ということで。平均点はまずまず。ただ両団体、特に新日が力を入れ、下準備をしっかりしたとはとても思えないカードです。セミ、メインはそれぞれの色が出ていたものの観客は特に二分していなかった印象ですね。
DVD Rating:★☆☆☆☆
(執筆日:7/18/12)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@KENSO、渕正信、キャプテン・ニュージャパンvs.邪道、外道、YOSHI-HASHI
A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、獅龍、BUSHI、SUSHI vs.プリンス・デヴィット、田口隆祐、KAI、大和ヒロシ、高橋広夢
B大森隆男、征矢学、後藤洋央紀、カール・アンダーソンvs.鈴木みのる、ランス・アーチャー、TAKAみちのく、タイチ
C永田裕志、井上亘、KUSHIDA vs.船木誠勝、河野真幸、田中稔
Dアジア・タッグ王座戦:関本大介、岡林裕二(ch)vs.曙、浜亮太(新チャンピオン!)
E内藤哲也、タマ・トンガvs.真田聖也、ジョー・ドーリング
Fオカダ・カズチカ、中邑真輔vs.諏訪魔、近藤修司
G武藤敬司、天山広吉、小島聡vs.矢野通、飯塚高史、石井智宏
H三冠王座戦:秋山準(ch)vs.太陽ケア
IIWGP王座戦:棚橋弘至(ch)vs.真壁刀義