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新日本プロレス:Jr. Heavyweight 2011の分析


名勝負 なし
好勝負 BOSJ決勝:飯伏幸太vs.田口隆介(6/10/11)

Jrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロッキー・ロメロ(12/23/11)

@BOSJ公式戦:金本浩二vs.フジタ・ハヤト(5/26/11)
 ハヤトはまだ線が細いものの打撃の鋭さは素晴らしいものがある。
 金本は逆にメジャー選手としての厚みがあり、
 多少動きに衰えていてもハヤトと対等に渡り合えています。
 熱を持った打撃の打ち合いをベースにしながら
 金本が鋭い嗅覚で反撃を見せます。
 延髄切りに対するカウンターのドラゴン・スクリューは面白かったですね。
 付け入る隙のないパフォーマンスを見せた金本に対し、フジタは必殺の絞め技KIDで対抗。
 KIDの見せ方が3回全て違ったのも素晴らしいですね。
 只KIDに頼るのは逃げでもある。
 確かに金本は優れた働きを見せていたけれど、
 その結論に至るにはもう少し試行錯誤が欲しい。
 10分という試合時間が実に惜しまれます。
 好勝負に少し届かず。

ABOSJ XVIII公式戦:TAKAみちのくvs.外道(5/28/11)
 まずは身振り(=技でない)の心理戦から
 丸め込みという技によるカウント2に持っていきます。
 観ていて翻弄される感覚が心地よいですね。
 中盤は外道の首攻め
 外道が打撃の打ち込みに抑揚をつけ、
 TAKAも食らってリアクションをつけているのは良いですね。
 ただ両者キャリアが長いせいか、何となしに行っている。
 形だけつけている感が否めないですね。
 TAKAがジャスト・フェイス・ロックを要所で試みるもそれを様々な形で逃れる等
 韻を踏みながら進めて終盤はアマレス的な技術を使った攻防。
 様々な形に切り替えしあう攻防は面白いですね。
 中々良い試合。

BBOSJ公式戦:ケニー・オメガvs.デイビー・リチャーズ(6/8/11)
 去年の米インディーにおけるトップ・ライバルが日本で実現。
 キレのある攻防からスタートし期待感が高まります。
 しかし試合時間のせいかオメガが焦る。
 様々なユニークな技を織り交ぜようと工夫をこらしているが
 成功しているとは言い切れず流れはいまいち。
 デイビーがエネルギッシュにラッシュをかけ
 クライマックスでもう一伸びあるかと思われましたが、
 そのままフィニッシュで試合時間は10分に足りず・・・。
 新日Jrの定番通り時間が足りない、という感想を抱かせる。
 平均的な良試合。

CBOSJ決勝:飯伏幸太vs.田口隆介(6/10/11)
 オーソドックスな攻防からスタート。
 こういう舞台だからな部分もあるでしょうけれども
 田口が新日本レスラーとして見得を切れているのには感心しました。
 お互い安定感ある試合運びをする相手にスポットを提供するという基本が出来ていて
 ユニークな工夫こそないものの高いクオリティを維持しています。
 カウンター、自爆をバランスよく織り交ぜて試合に激戦という雰囲気を生み出しました。
 そこで他ならぬラリアットを使ったのがユニークですね。
 これで試合はドラマチックに加速していきました。
 田口の気持ちの乗せ方、受けのふらつきが素晴らしく、
 その強烈な勢いが失われる事も、勢いによって試合のコントロールを失う事もありませんでした。
 田口が飯伏と同じ土俵に立って自分を証明し、
 決勝にふさわしいボリュームある試合をやってのけました。
 ぎりぎり好勝負。

DJrタッグ王座戦:アポロ55(プリンス・デヴィット、田口隆介)(ch)vs.NRC(デイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ)(10/10/11)
 NRCが入場してきた王者を落としてダブル・トペ。
 いきなりスポットを披露して盛り上げようとしましたが、
 相変わらず外人には優しくない寂しい反応です。
 観客はほっておいて試合を冷静に見るなら
 連携技の質、試合転換のスポット、孤立時の狙い。
 どれもポイントを押さえていて前回より高いクオリティを誇っていました。
 デヴィットはもう少しJrらしい派手さを見せるべきだったかもしれませんね。
 田口が爆発力に欠けるのはいつもの事です。
 終盤はタッグの形を作りながら一進一退の攻防を繰り広げ最後までやりきりました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:11/1/11)

EJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロッキー・ロメロ(12/23/11)
 Jrヘビー級として流れにのせて体を動かしながらも、
 その流れを止めて間で自己のスターとしての価値を示す。
 この両立は難しいものだけれどもお互い最初からそれが出来ています。
 またロメロがヒールとして様々な小細工を仕掛けていく。
 普通ならネタ扱いされて雰囲気が緩くなりそうなものですが
 優れたコンディションにある両者はジャスト・フィットな攻防を繰り広げ、
 同時に韻も踏む事で豊かな展開として成立しています。 
 デヴィットがチョップを繊細に使って大技とのメリハリを出していたのも面白い。
 両者の自由な発想が形となって現れた内容で
 新日Jrという枠を飛び越えて見せた内容。
 ぎりぎり好勝負。

 (執筆日:12/1/11)

注目試合の詳細



試合結果

@BOSJ公式戦:金本浩二vs.フジタ・ハヤト(5/26/11)
ABOSJ XVIII公式戦:TAKAみちのくvs.外道(5/28/11)
BBOSJ公式戦:ケニー・オメガvs.デイビー・リチャーズ(6/8/11)
CBOSJ決勝:飯伏幸太(新チャンピオン!)vs.田口隆介(6/10/11)
DJrタッグ王座戦:アポロ55(プリンス・デヴィット、田口隆介)(ch)(新チャンピオン!)vs.NRC(デイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ)(10/10/11)
EJrヘビー級王座戦:プリンス・デヴィット(ch)vs.ロッキー・ロメロ(12/23/11)