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新日本プロレス:Wrestling Dontaku 5/3/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

SlamBamJam製。
2枚、約3時間45分です。

@中西学、高橋広夢、本間朋晃vs.邪道、外道、キラー・ラビット
 本間はシナのような緩急が作れるレスラー。
 もっと良い扱い受けてしかるべきですね。
 中盤はカード通り高橋が孤立。
 新人ですがヒールが相手に依存しない試合運びでつなげています。
 終盤は中西が大味ながら迫力ある動きで盛り上げる。
 ベビーフェイスのシーン担当が明確過ぎる嫌いもあるが、
 役割分担は機能にマッチしている。
 ただ短すぎるので悪くない試合止まりか。

ATAKAみちのく、タイチ vs.タイガー・マスク、KUSHIDA
 TAKAは飄々としたキャラを良いことに省エネ。
 相手と合わせるの怠っている。
 KUDHIDAと良く当てている印象だが余り発展性は見えない。
 他も余り良い印象を残せず雑な内容。
 少し悪い試合。

B矢野通、飯塚高史、石井智宏vs.天山広吉、井上亘、キング・ファレ
 場外乱戦からスタート。
 ファレはこういう所で外人らしい強さを見せて欲しいですね。
 リングに戻ってからは井上、天山の孤立と続ける。
 大会の1カードとして定番化する中でマンネリ化している様子。
 筋書きをなぞっているだけの内容でした。
 悪い試合。

Cミドル級王座戦:獣神サンダー・ライガー(ch)vs.マスカラ・ドラダ
 阿吽とは言わないがもう少し相手の行動を読めないものか。
 ライガーはいちいち示してから動くのでテンポにのれない。
 また受けでは高度が低すぎて見栄えがよくないですね。
 ドラダが独自技を結構出すのでそれなりに盛り上がったけれど
 技の数に頼った表面的な攻防に過ぎない。
 悪くない試合。

DJrヘビー級タッグ王座戦:プリンス・デヴィット、田口隆介(ch)vs.デイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ
 新日で復活を遂げたNRC。
 スポットを適切に配置し、
 プリンスを孤立させた際にはロジカルに追い込んでいきます。
 対するアポロ55も相手が余り日本で認知されていないNRCという事が功を奏したか
 妙に気負う事なくスピード、精度以外のアイディアや構成にも注意を払うようになっている。
 終盤は個々の持ち技を十分に活かせていない所が見られたが、
 最初から最後までタッグとしてクオリティをしっかり築き上げた内容。
 中々良い試合です。

Eタッグ王座戦:ジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン(ch)vs.内藤哲也、高橋裕次郎
 バーナード絡みの攻防は誇張するもそこに順列がないのでしっちゃかめっちゃか。
 エプロンDDT、エプロンへのパワー・ボムでノー・リミットがダウンし中盤に突入するが
 孤立する内藤は応援を引き出すという意識のないチープなやられ姿。
 ノー・リミット分裂の危機というバックグラウンドがあるとはいえ
 ここまでノー・リミットの良いとこなしで敵ではない事を示されては興味を失う。
 結局終盤までにここまでパワー・バランスを崩したのは
 ノー・リミットがシングルとして戦っているからだと最後の方でわかるが
 それはストーリーを試合の中で語る最高の方法ではありません。
 終盤を長々とやるも最後は誤爆から一気に決着です。
 平均レベル。

F後藤洋央紀、タマ・トンガvs.杉浦貴、橋誠
 いくら他団体とはいえ相手の変化についていけてないのは情けない。
 タマのハイ・フライも試合に全然フィットしていない。
 何故後藤と組ませたのか。他に候補がいそうなものです。
 後藤の打撃の打ち方は素晴らしく、
 杉浦との真っ向からの打ち合いは単純ながら熱いものがありました。
 しかし最後は当然のようにあっさり後藤が橋を沈めて終わり。
 少し悪い試合

G永田裕志vs.田中将人
 永田がニーと蹴りで押すも、
 田中がテーブルを使って脚攻めで盛り返す、という展開。
 確かに田中の特色はハードコアにあるけれども、
 根源のカラーは凶器をものともしないタフさと機動力です。
 しかしこの試合ではその領域で永田に遅れを取り全て後手後手の対応策。
 田中は永田の引き立て役に過ぎません。
 また何度も戦っているカードだからでしょう、
 ダメージ設定から逸脱した回復や技の空打ちが目立ち
 それまでの数え歌を知らない私にはのりきれない所がある。
 まあまあ良い試合。

H真壁刀義vs.小島聡
 最初にショルダー・タックルの耐えあい。
 様式から入るのは良いです。
 しかしちゃんと時間を費やさなくては設定が確立されない。
 不十分な上に、ブル・ファイターであるはずの真壁が簡単に引いてダウン。
 そこからの試合運びも悪いですね。
 中指立てて何をするかと思えばただのパンチだったり。
 まあ小島が一方的とはいえ色々試行錯誤をしているので
 試合への興味を失う事はないし終盤になれば真壁も良い技で打ち返すので楽しめました。
 平均より少し上。

 試合後TAKA、タイチがふがいない小島を襲撃。
 小島が反撃するとみのるがTAKAらに加わり小島をリンチする。
 真壁が戻ってきて追い払う。
 2人は軽く握手を交わす。

IIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.中邑真輔
 最初は何も起こらない事で期待感を高めます。
 中邑も脱力ポーズで格好をつける。
 中邑がニーを解禁し中盤へ。
 中邑はダウンした相手に安心の試合運びが出来るようになりました。
 しかしだからといって棚橋は受けに回りすぎ。
 このカードは他のどのカードよりも対等なイメージがある。
 脚攻めで反撃していますが、例え十八番であろうと
 それは一極攻めである限り、後手の戦術に過ぎない。
 また脚攻め自体もそこからどうしたいか見えず余り高いレベルにありません。
 終盤も相手の動きを織り込めていない、表層的な持ち技のカウンター合戦。
 中邑が自然な流れでアーム・バーを織り交ぜるがそれで重層的になる事もなくすんなりとフィニッシュです。
 両者状態は良く完成度は高いものの
 このカードとしての今を読み取る事は出来なかった。
 中々良い試合。

 試合後後藤が現れ棚橋にヘッド・バッドで挑戦表明。

総評
 ゲストを呼びつつ団体の好カードも組んで
 バランスの良い編成のはずですが全体的に期待値を下回った印象ばかりが残る。
 一応中々良い試合が2つあるんですが・・・。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
(執筆日:8/28/11)
 

注目試合の詳細

IIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.中邑真輔
 中邑が脚をかけて倒す。
 棚橋を見ながらかぶさりにいくも逃げられる。
 中邑が腕を取る。
 棚橋がヘッド・ロック。
 中邑がロープに押し込みクリーンに離れる。
 棚橋がドロップ・トー・ホールドから脚を取ろうとする。
 中邑が素早く逃れポジションを取る。
 棚橋の動きを制しかぶさる。
 顔に手を当てロープに押しやる。
 棚橋が顔に張り手。
 中邑がニー。
 ニーをいれコーナーに振る。
 棚橋がカウンターでバック・エルボーをいれセカンド・ロープからクロス・ボディ。
 アピール。
 振り向いた棚橋に中邑が掌底。
 ストンピング。
 顔を馬鹿にするようにける。
 起き上がってエルボーを打ってきた棚橋にニー。
 棚橋はロープに振り替えすと低空ドロップ・キック。
 場外に出た中邑にエプロンからトペ・アトミコ。
 リングに戻し脚にストンピング。
 エルボーの打ち合い。
 脚に蹴りをいれ黙らせる。
 額を突き合わせエルボーの打ち合い。
 棚橋が脚に蹴りをいれ黙らせる。
 コーナーに振る。
 中邑がカウンターで蹴り。
 棚橋をショルダー・スルーでコーナー上に乗り上げさせるとニーを突き上げる。
 ダウンする棚橋の腹にニー。
 もう1発。カウント2。
 エプロンに横にさせるとニー。
 後頭部にニー・ドロップ。
 リングに戻ると喉を踏みつける。
 フロント・ヘッド・ロック。
 スリーパー。
 ロープ・ブレイク。
 起こしてもう1度スリーパー。
 バック・ドロップへ。
 棚橋がフェイス・バスターに切り返す。
 ロープに振ろうとする。
 振り返されるもフライング・エルボー。
 ボディ・スラム。
 セカンド・ロープからセントーン。カウント2。
 バックを取る。
 中邑はバック・エルボーで切る。
 棚橋に蹴りを打ち込む。
 棚橋もエルボー。
 中邑がニーから蹴りへ。
 棚橋が受け止めドラゴン・スクリュー。
 テキサス・クローバー・リーフ。
 ロープ・ブレイク。
 脚を掴む。
 中邑が延髄ギリ。
 蹴りへ。
 受け止められるもニー。
 蹴り倒すとコーナーへのランニング・ニーへ。
 棚橋はかわすとスリング・ブレイドへ。
 中邑はかわすとバック・ドロップ・フェイス・バスター。
 待ち構えランニング・ニーへ。
 棚橋がカウンターでスリング・ブレイド。
 両者ダウン。
 ドラゴン・スープレックスを狙う。
 切られたのでだるま式ジャーマンを狙う。
 中邑が後頭部でヘッド・バッドをいれ逃れる。
 棚橋が張り手。
 だるま式ジャーマン。カウント2。
 変形ファルコン・アロー。カウント2。
 ハイ・フライ・フローへ。
 中邑はかわして自爆させると後頭部にボマイエ。
 ダウンする棚橋にニーを打ち込んでいく。
 ボマイエへ。
 棚橋がかわし丸め込み。
 中邑がカウント2で返すと同時にアーム・バー。
 棚橋が両肩をつけにいくも戻される。
 ロックされるも引き離す。
 棚橋が体勢を変えロープに脚をかける。
 中邑が腕に蹴り。
 棚橋の反撃に合わせて飛びつきアーム・バーを狙う。
 棚橋は着地させるとドラゴン・スープレックス。カウント2。
 うつぶせの中邑にハイ・フライ・フロー。
 もう1発狙う。
 中邑が起き上がりグー・パンチで打ち落とす。
 ハイ・キックへ。
 二段目もかわされる。
 しかし拳をかわしハイ・キック。
 セカンド・ロープに乗り飛ぶ。
 棚橋がカウンターでドロップ・キック。
 コーナー上から起き上がった中邑にハイ・フライ・フロー。
 もう1発叩き込みカウント3。

試合結果

@中西学、高橋広夢、本間朋晃vs.邪道、外道、キラー・ラビット
ATAKAみちのく、タイチ vs.タイガー・マスク、KUSHIDA
B矢野通、飯塚高史、石井智宏vs.天山広吉、井上亘、キング・ファレ
Cミドル級王座戦:獣神サンダー・ライガー(ch)vs.マスカラ・ドラダ
DJrヘビー級タッグ王座戦:プリンス・デヴィット、田口隆介(ch)vs.デイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ
Eタッグ王座戦:ジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン(ch)vs.内藤哲也、高橋裕次郎
F後藤洋央紀、タマ・トンガvs.杉浦貴、橋誠
G永田裕志vs.田中将人
H真壁刀義vs.小島聡
IIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.中邑真輔