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新日本プロレス:Fantasticamania Night Two 1/23/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

SlamBamJam製。

マリアッチの演奏でスタート。
@邪道、外道vs.マキシモ、男色ディーノ
 コメディーであっても試合構築の中で適切に配置すれば効果的なのに
 ネタのばらまきでしかないのが日本プロレスの悪い所です。
 中盤の孤立もタッグとしての技術がなく、
 終盤になれば再びディーノがネタをばらまき。
 フィニッシュの終決感もない、ひどい試合。
 
Aジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン、獣神サンダー・ライガーvs.アトランティス、タイチ、ドラゴン・ロホJr
 主導権を握られていない場面でも余り動かない受けや
 アトランティスのトリオ・ムーブ、バーナードの巨漢アピール。
 そういうルチャのシーンが幾つか見られていますが、
 3本勝負でない事もあって中途半端に詰めまれた印象を受ける内容。
 少し悪い試合。 

Bトリオス王座戦、3本勝負:ラ・ソンブラ、マスカラ・ドラダ、ラ・マスカラ(ch)vs.裕次郎、内藤哲也、奥村重雄
 ソンブラは前日に膝を痛めたようで思うように動けずリズムが悪いし、
 マスカラは最初のトペで足が引っかかるミス。
 これでは試合に入り込め、と言うのも無理なもんです。
 2本目はルードが介入するもそこで支配せず
 ルード支配シーンは3本目開始時に持ってきています。
 日本人の感覚からすると2本目の方がよりフィットすると思いますけどね。
 3本目はダイブなどが見られるも変哲ない上に
 一番ましだったドラダにも足が引っかかるミス・・・。
 結局、ミラノ含め実況がマスカラらを駄目な子扱いする実況が
 この試合の楽しみ所になってしまっている。
 王座戦、しかも慣れている3本勝負でこのクオリティはいけないなぁ。
 悪い試合。

Cマスカラ・コントラ・カベジェラ:タイガー・マスクvs.石井智宏
 石井がヒールとして戦略性を出しているのは良いが、そこまで先は見えていない。
 もう少し先を見通し、タフな部分を出せばもっと面白くなると思いますね。
 タイガーは石井相手だと特に悪い部分は出ないですね。
 そこまで気合が入っていないからでしょうか。
 コントラ戦でしたが、4試合目らしい軽さでまとめています。
 悪くない試合。

D3本勝負:ミスティコvs.アヴェルノ
 素早い攻防を綺麗な形で決める。
 これが出来ると日本の観客は良い反応を返しますからね。
 相互に良い影響を与える関係が作られています。
 1,2本目を本場と同じ短さにして決着。
 一部からえぇーという声も出ていましたがこれで正解。
 変に配慮して自分の能力が出ないよりずっと良い。
 3本目、綺麗なハイ・フライを簡単にやってのけるために
 試合への熱気が伝わりにくい問題に陥ってしまいます。
 1つ1つ見せていくスタイルに移っても見せ方がいまいちで改善されません。
 しかしミスティコがコーナーに上り損ねるミスが功を奏する。
 立て直さなければならないという危機感を持った事で
 攻防に緩急がつくようになり終わりよければ全て良しで上手く締まりましたね。
 まあまあ良い試合。

EJrタッグ王座戦:飯伏幸太、ケニー・オメガ(ch)vs.プリンス・デヴィット、田口隆祐
 前回の試合が年間最高試合に選ばれているので
 ルチャ興行という場違いの舞台にも関わらず盛り上がりは良いですね。
 控えめな立ち上がりから部位狙いや連携攻撃、控え受けにシンクロと
 幅広い見せ場をバランス良く見せていきます。
 孤立シーンはいまいちですね。
 相手を孤立させておく説得力に欠けます。
 それはタッグとしての見せ方を考え抜けていないからです。
 ですから終盤になってもカットを防ぐために動く事はないし、
 権利は相変わらず無視している(ルチャ興行とはいえこの試合にはルチャ・ルールはないでしょう)。
 シンクロの凄さよりも工夫が前面に出ており、
 前回と差別化をなしえながらクオリティの高い試合に仕上げました。
 しかしコンセプトと反したメインという事を考えると
 ルチャ・ファンを黙らせるには後一歩届かないか。
 中々良い試合。

総評
 メジャーとして他のプロレス団体を呼んでくれるのは嬉しい事です。
 しかしルチャは中々試合の内容が伴わないという欠点があり、
 無関係の再戦をメインに据えた事が残念ながら救いとなっています。
 ルチャ・ファンでない人には勧められないし、
 ルチャ・ファンにしてみれば生で見れる事にこの大会の価値がある。
 そうなるとこのDVDとしては生で見て思い出を振り返りたい人向きか。
 悪い大会ではないのだけれど・・・。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
(執筆日:8/28/11)
 

注目試合の詳細

なし

試合結果

@邪道、外道vs.マキシモ、男色ディーノ
Aジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン、獣神サンダー・ライガーvs.アトランティス、タイチ、ドラゴン・ロホJr
Bトリオス王座戦、3本勝負:ラ・ソンブラ、マスカラ・ドラダ、ラ・マスカラ(ch)vs.裕次郎、内藤哲也、奥村重雄(2-1)
Cマスカラ・コントラ・カベジェラ:タイガー・マスクvs.石井智宏
D3本勝負:ミスティコvs.アヴェルノ(2-1)
EJrタッグ王座戦:飯伏幸太、ケニー・オメガ(ch)vs.プリンス・デヴィット、田口隆祐(新チャンピオン!)