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日本プロレス:Best of JWAの分析


名勝負 なし
好勝負 NWA王座戦、3本勝負:ルー・テーズ(ch)vs.力道山(10/7/57)

第11回ワールド・リーグ優勝決定戦:アントニオ猪木vs.クリス・マルコフ(JWA 5/16/69)

個人製作。

@日本ヘビー級王座戦:力道山(ch)vs.木村政彦(12/22/54)
 木村が真剣勝負なら力道山に負けないと言い出して実現した試合。
 「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に経緯が詳しく描かれています。
 実に読み応えのある本でお勧めです。
 それはともかくとして試合の立ち上がりは普通のプロレス。
 組まれた経緯からショー・アップも少な目ですね。
 力道山は膠着の攻防で良い対応を見せる
 強引に技を決めて驚異的なパワー・アピールを見せます。
 一方の木村は全然スポットを見せません。
 というより木村の見せ場が編集でカットされているようですね。
 しかしながらわずかな木村の見せ場に対して
 力道山がまったくセルしていない所を見ると
 この試合が通常のプロレスではないこと、
 正確に言うならばその範疇を踏み出しうる可能性を含んでいることを
 力道山は大いに理解していた、ブック破りを行なうことを決意していた、
 当然といえば当然ですけど、のに対し、
 木村はまったく危機感を持たず、
 少し疑念を持つ程度で試合を進めていることが分かります。
 突然映像が途切れると木村が下腹部辺りを蹴り上げ、
 股間を蹴られた切れた力道山が強烈なパンチを叩き込みます。
 これで一瞬飛んだ木村に後はサンドバック状態にして
 ダウンしたところで顔に蹴りを入れるなどえぐすぎる打撃でKO。
 強制的に試合を終わらせました。
 怖い力道山の魅力に触れることが出来る一方で
 意図的な編集がされているので
 上質なスカッシュ・マッチみたいなものでそこまで評価は出来ず。
 平均的な良試合。

ANWA王座戦、3本勝負:ルー・テーズ(ch)vs.力道山(10/7/57)
 まずはサブミッション時のばたつかせといった仕草含めて
 2倍速にしているのではないかというようなレスリング。
 アクション量は1倍速というのが信じられないですね。
 正統な構成で寄り道せずにバック・ドロップへと導き1本です。
 2本目はテーズがこずるい戦略で観客を焦らしていきます。
 テーズのヘッド・ロック状態の拳打ちで流れを作って
 力道山チョップ一閃、カウント3は王道ですね。
 3本目は初手でバック・ドロップを傍に意識させ緊張感を生み出すと
 バック・ドロップに比類する大技、エアプレイン・スピンで派手に締めました。
 フルタイムとは違って無駄のないストーリー・テリングで魅せた試合。
 ぎりぎり好勝負。

B3本勝負:カール・ゴッチvs.吉村道明(5/1/61)
 (45分中11分)
 ゴッチの日本でのデビュー戦になります。
 スピーディな動きの出来る吉村相手に
 ゴッチが卓越した技術を披露して行きます。
 1本目フィニッシュのジャーマンは素晴らしかったですね。
 吉村も負けじと競い合い日本発となるサンセット・フリップで追いつきます。
 ただ当時の3本勝負ではしばしばあることですが
 持ち技がなくなった3本目においては
 攻め手に欠け伸び悩んでいましたね。
 1/4しか映像が残っていないので難しいところですが
 中々良い試合といったところか。

Cインターナショナル王座戦、3本勝負:力道山(ch)vs.パット・オコーナー(4/24/63)
 (カットあり)
 1本目は力道山が珍しくサンセット・フリップで1本とります。
 クロス・ロープから力道山が空手チョップをあっさりと放ちます。
 これなら普通に空手チョップで最初の1本取ればよいのにね。
 オコーナーが跳ね起き連発から良く分からない固め技で
 力道山の両肩をつけ1-1に追いつきます。
 3本目もオコーナーに脚を狙われ、倒された力道山が
 ダウン状態から空手チョップを叩き込んで勝利という弱いフィニッシュ。
 オコーナーがやけにショーマン寄りになっていて
 力道山もそれを受けてか軽い気持ちで試合を作りました。
 期待外れの一戦。
 平均レベル。

D第11回ワールド・リーグ優勝決定戦:アントニオ猪木vs.クリス・マルコフ(JWA 5/16/69)
 マルコフが空間を広く使ったラフ・ファイトで先手を打ちアピール。
 受けに回っていた猪木がダイビング・ニー・ドロップをかわして自爆させた所から脚狙い。
 不恰好ながら大きく抑揚をつけたストンピングが観客をのせます。
 猪木は大きな動きによる流れ創出に重きを置いていますね。
 同時に同じ技を打つスポットで一度区切りをつけるとマルコフが凶器で攻撃。
 普通ならグダつく所ですがマルコフはここでも空間を使っており、その重要性を強く認識しているんだな、と実感させます。
 良いレスラーですね。
 流血に追い込まれた猪木が拳から反撃。
 後のキラー猪木を髣髴とさせる動きですね。
 まだまだ猪木は大雑把な所がありますが
 それを差し引いても尚両者の魅力がミックスした試合でした。
 ぎりぎり好勝負。

DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@日本ヘビー級王座戦:力道山(ch)vs.木村政彦(12/22/54)
ANWA王座戦、3本勝負:ルー・テーズ(ch)vs.力道山(1-1)(両者リングアウト)(10/7/57)
B3本勝負:カール・ゴッチvs.吉村道明(1-1)(45分時間切れ)(5/1/61)
Cインターナショナル王座戦、3本勝負:力道山(ch)vs.パット・オコーナー(2-1)(4/24/63)
D第11回ワールド・リーグ優勝決定戦:アントニオ猪木(優勝!)vs.クリス・マルコフ(JWA 5/16/69)