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Highspots:Antonio Inoki A Fighting Spirit Disc Fiveの分析


名勝負 なし
好勝負 ファイナル・カウントダウン:ベイダーvs.アントニオ猪木(1/4/96)

Highspots製。
約2時間10分です。

@アントニオ猪木vs.ブルーザー・ブロディ(10/4/85)
 密接な絡みではないが軽い触れ合いで絵と心理戦を見せています。
 序盤はそれで良かったのですがその後もギアを入れないレスリングを続けます。
 新日本のレスリングはリアリスティックな攻防優位で、
 ブロディ、全日本のレスリングは試合構築優位なためにどちらの魅力も出せなかったようですね。
 後半も猪木がなまじっか顔芸を身に付けたばっかりに空表現が目立ちます。
 終盤はパイル・ドライバーなど迫力はありましたが
 大味且つ決着しない事、リングアウトが見えていたので完全には盛り上がりきれず。
 平均より少し上。

AIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(10/25/87)
 猪木は肩にテーピングを巻いた状態で登場。
 ウィリアムスがそこを殴り、いきなりバック・ドロップを決める、という展開です。
 猪木は顔芸こそしていますが適切なセールもしていないし、ひどいサボりです。
 終盤も双方何の効果も持たせていない得意技を途切れないように安売りしているだけです。
 決着の付け方も救いようがありません。
 ひどい試合。

Bアントニオ猪木vs.バン・バン・ビガロ(10/27/88)
 ビガロも困って只技を羅列で披露しているだけです。
 猪木が説得力の無いラフでひっくり返すと
 レフェリーを無視してスリーパーをかけ続けて勝手に負ける。
 これまた、まあ、ひどい試合です。

C馳浩vs.アントニオ猪木 (1/4/92)
 政治家になって1年以上リングから離れていたので更にコンディションは悪化しています。
 どちらも得意技の連発で補う情けない形ですが
 猪木は初っ端にスリーパーで落とす、という奇抜な仕掛けで
 演技力で存分に勝負しているし、
 馳も中々の受けっぷりで支えていました。
 この時代の中では貴重な見れる試合でしょう。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:6/24/10)

D天龍源一郎vs.アントニオ猪木(新日本プロレス 1/4/94)
 擬音と振る舞いで彩った、”何もなし”により
 緊張感と雰囲気を作り上げました。
 しかし使い回すには耐えないスリーパー落としネタを挟んだ後の
 後半は見所に欠け、仮組みの見せかけの内容に過ぎません。
 猪木が5年ぶりのシングル・フォール負け、という結果などで
 何らかの深読みはさせられるでしょうが決して試合で語った物ではありません。
 猪木の誤魔化しの時代におけるワン・オブ・ゼム。
 平均レベルです。
 (執筆日:12/8/09)

Eアントニオ猪木vs.藤原喜明(3/19/95)
 藤原が親愛の情を抱いているのでレスリングはそれなりですね。
 発展は見えないものの最後は何とか流れを作って締めています。
 試合後の抱擁でちょっとしたドラマ性もありますし良くやった方でしょうか。
 悪くない試合。

Fアントニオ猪木vs.リック・フレアー(4/29/95)
 フレアーの作り方なら猪木が動くだけで良く
 そこに裏付ける力があるかどうかは余り要求しないので
 それなりに試合を作れる状況にありますね。
 攻防もフレアーが誘導。
 終盤は猪木の見得とフレアーの逃げがクリックしています。
 しかしフレアーはそのフレアー独自の方法論が評価できるだけだし、
 猪木も引退するのが10年遅く実体がまるで無い。
 楽しめはするものの、無駄にドリーム・マッチを消費した印象を強く受ける内容です。
 平均レベル。

Gファイナル・カウントダウン:ベイダーvs.アントニオ猪木(1/4/96)
 ベイダーの重い打撃が50歳の体にぶつかって
 名優、猪木から虚実入り混じった凄い良い表情を引き出します。
 ジャーマンを食らい両目を閉じ口が半開きになった時には試合続行が不可能じゃないのかと思わされます。
 見得も素晴らしく、ダイビング・ニー・ドロップやパンチは構え含めて震え上がります。
 構築もベイダーがフット・ワークを活かした上手い場の使い方で
 乱戦の中に確かなステージを作っていきます。
 猪木の名場面をプレイバックさせるシーンを散らばめているのもにくいですね。
 終盤、猪木の手数が少ないのは否めないがそれが逆境を際立たせているし
 ムーンサルトまで受けきってもカウント2というのはやりすぎな気もするが、
 これまた雰囲気が仕上がっていますから問題なし。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:9/22/09)

総評
 全日とは違いトップ・スターを呼べないという台所事情があり、
 それに伴い必要以上に自分の格を守り抜いてきました。
 またコンディション無視で現役を長く続けてきた。
 そのせいでHighspotsの他の個人物に比べ大きく見劣りする内容となっています。
 猪木は数え歌となるカードも多いですし、Complete Inokiの方がお勧めですね。
 (執筆日:6/25/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

Gファイナル・カウントダウン:ベイダーvs.アントニオ猪木(1/4/96)
  ゴングが鳴ってもいないのにベイダーが張り手で倒す。
  猪木は場外に出て間を置く。
  猪木が手をはたきながらリングに戻る。
  ベイダーがボディ・スラム。
  コーナーで殴りつけていく。
  レフェリーが引き離す。
  ベイダーがマスクを外す。
  猪木が組むと見せかけ張り手。
  組んできたベイダーに左右で殴りつける。
  ベイダーが殴りつけると猪木が膝をつく。
  ベイダーがボディ・スラムを狙う。
  猪木がヘッド・シザースのサブミッションに捕らえる。
  ベイダーは場外に落とそうとするも自身も転落。
  猪木を柵にぶつける。
  持ち上げるとテーブルの上に叩きつける。
  テーブルを猪木にぶつける。
  リングに戻る。
  猪木が起き上がりエプロンに上がる。
  ベイダーがクローズラインを決める。
  猪木コールが起きる。
  エプロンに上がってきた猪木にクローズラインを狙う。
  猪木は避けるとスリーパー。
  ベイダーが顔を殴りつけて逃れる。
  ベイダーがパンチを入れジャーマンを狙う。
  耐える猪木にジャーマン。
  猪木は両目をつぶって口が開いている状態。
  ベイダーは猪木を起こすとパンチ。
  殴りつける。
  花道に出す。
  Come on、頑張って、と言って顔に張り手、パンチ。
  反応を示した猪木を起こしヘッド・バッド。
  ロープにもたれさせると突進。
  猪木はカウンターでリング内へのショルダー・スルー。
  ダイビング・ニー・ドロップを決める。
  ロー・キックを決めていく。
  延髄切り。
  ベイダーは場外に転がり落ちる。
  猪木はエプロンに出て蹴り飛ばす。
  ベイダーは柵の外に出る。
  猪木は柵を越えると椅子を叩きつける。
  猪木は柵の内に戻ると来いと手振り。
  猪木はリングに戻ろうとする。
  裏でベイダーが椅子を投げるも外れる。
  ベイダーは流血している。
  猪木がリングで待ち構えている。
  戻ろうとロープを跨いだベイダーを殴りつけていく。
  延髄切り。
  腕折に捕らえる。
  ベイダーが何とか回転して外す。
  猪木がアーム・バーを決めるもロープ際でブレイク。
  猪木がマウントで殴りつける。
  ベイダーは猪木の顔に手を押し付けるとハンマー。
  起こしてスリーパーに捕らえる。
  放して起こすとハンマーを叩きつける。
  猪木が崩れる。
  起き上がった猪木を持ち上げマットに叩きつける。
  カバーするもカウント2。
  チョーク・スラムを決める。
  カバーするもカウントは2。
  パワー・ボムを狙う。
  猪木が後ろに着地。
  延髄切りへ。
  ベイダーは避けるとエルボー・ドロップ。
  ドラゴン・スリーパーに捕らえる。
  猪木が蹴り上げて逃れる。
  ベイダーが猪木の顔に掌底。
  猪木を起こすと持ち上げマットに叩きつける。
  そしてベイダー・プレス。カウントは2。
  ならばとムーンサルト。
  しかしカウントは2。
  コーナーに振りスプラッシュ。
  殴りつけコーナーに振る。
  クローズラインへ。
  猪木は避けるとボディ・スラム。
  アーム・バーに捕らえる。
  ベイダーがタップ!
  猪木の勝利!
  ベイダーが握手を求め猪木も応じる

試合結果

@アントニオ猪木vs.ブルーザー・ブロディ(ダブル・リングアウト)(10/4/85)
AIWGP王座戦:アントニオ猪木(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(リングアウト)(10/25/87)
Bアントニオ猪木vs.バン・バン・ビガロ(DQ)(10/27/88)
C馳浩vs.アントニオ猪木 (1/4/92)
D天龍源一郎vs.アントニオ猪木(新日本プロレス 1/4/94)
Eアントニオ猪木vs.藤原喜明(3/19/95)
Fアントニオ猪木vs.リック・フレアー(4/29/95)
Gファイナル・カウントダウン:ベイダーvs.アントニオ猪木(1/4/96)