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Dragon Gate:Best of Dragon Gate 2011 part.4の分析


名勝負 八木パン・サバイバル敗者ユニット脱落マッチ:望月成晃、YAMATO、鷹木信悟、吉野正人、Gamma(JT)vs.CIMA、BxBハルク、土井成晃、戸澤陽、サイバー・コング(BW)(Infinity 241 11/4/11)
好勝負 オープン・ザ・ブレイブ・ゲート王座戦:Pac(JT)(ch)vs.リコシェ(BW)(Infinity 242 11/19/11)

CIMA、リコシェ、BxBハルク、戸澤陽(BW)vs.望月成晃、吉野正人、鷹木信悟、YAMATO(JT)(Fantastic Gate 12/20/11)

@オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)(ch)vs.戸澤陽(BW)(Infinity 238 10/13/11)
 (22分中16分)
 お互い相手の激しい攻めを耐え凌ぐ姿で魅せ、
 要所でエプロン・スポットやり返し等等価のスポットを配置しています。
 中々のハード・ヒッティングで、
 気合で打ち合ったかと思うと一つの技が決まるかどうかに注目させたりと
 流れは一本調子ながらその中での幅は広いです。
 見応えのある内容ですが
 これをヒールの戸澤相手にやるというのが分からないですね。
 ヒールであっても尚戸澤にはこういう試合に対する特性がありますが、
 もう少しヒール表現や理を利かせ単純性を脱しても良いはずです。
 好勝負に少し届かず。

Aオープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)(ch)vs.斉藤了(JT)(Infinity 240 11/3/11)
 (27分中20分)
 他と比べると斉藤は個性に劣るという事で
 一進一退ではなくより流れを持った構成になっています。
 エプロンでのインプラントDDTを食らい斉藤がダウンして中盤へ。
 同門対決というシチュエーションにのっとって
 望月が斉藤の奮起を敢えて引き出そうとします。
 斉藤が椅子を押し付けたりするラフな一面を見せて反撃。
 終盤は上手いなと思わせる攻防が幾つもありましたが、
 同門対決に閉じこもって外に開かれていない戦いでもあります。
 ここでテンポ・アップしたり不意をついたカウンターを入れたら面白いだろうな、という考えは正しいが
 その攻防の実現のさせ方が理を無視していてDGの欠点がやや強く出ている。
 中々良い試合。

B八木パン・サバイバル敗者ユニット脱落マッチ:望月成晃、YAMATO、鷹木信悟、吉野正人、Gamma(JT)vs.CIMA、BxBハルク、土井成晃、戸澤陽、サイバー・コング(BW)(Infinity 241 11/4/11)
 (40分中20分)
 (フォールされた選手はユニットから追放となる。)
 まずはBWの奇襲、3方向ダイブで場外乱闘になります。
 場外でDDTを打つなど激しい乱闘で見応えがあります。
 リングに戻ればGate of Destinyで最後の対決となったYAMATOvs.コング。
 要所で出てくるようにこの絡みを上手くフィーチャーしていましたね。
 リベンジを狙うYAMATOの気迫が勝るか、
 気持ちを圧倒する程の動きを見せるコングの怪物性が上回るか、
 素晴らしい攻防でした。
 他もBWの連携技、ハルクの怖さを秘めた試合運び、
 ハルクと戸澤の煽り、ハルクと望月の激しい打撃の打ち合い、と
 この一年で紡いできたものを全て詰め込んできた形です。
 またCIMAを筆頭にどこまで技をラッシュするか、どこで流れを切るかの判断が素晴らしく、
 連携技を挟む事で単調な技の打ち合いに陥る事も完璧に避けていますね。
 DGらしい複数人タッグの今年ベスト。 
 ぎりぎり名勝負。

Cオープン・ザ・トライアングル・ゲート王座戦:土井成樹、Kzy、谷嵜なおき(BW)(ch)vs.Gamma(JT)、しゃちほこマシーン、富永千浩(Infinity 242 11/19/11)
 (16分中14分)
 土井ダーツによって相手が決まったので
 2戦目のGammaに、他はJTに入ってもいない
 しゃちほこ(名前のとおりお笑い系)、富永(デビュー仕立て)という弱い挑戦者となっています。
 単なるスカッシュ・マッチになるかと思われましたが試合は予想以上に見応えのあるものに。
 まず富永は練習生期間が最長の5年になるそうで動きはキレている。
 プロレス復帰仕立ての船木のようなMMAレスラーが持つ輝きを放っている。
 孤立ししゃちほこがマスクを完全に引きちぎられます。
 一時脱落するもシーサー・ボーイのマスクを被って復活して大きな盛り上がりと共に終盤へ。
 王者組がシャープな攻めを見せ、
 挑戦者組もGammmaのパワフルな暴れっぷりに引っ張られるように奮闘します。
 実態からかけ離れた戦いなのに、どちらが勝つのか、と
 観ていて興味をそそられる戦いになっています。
 素晴らしい一進一退の内容でした。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dオープン・ザ・ブレイブ・ゲート王座戦:Pac(JT)(ch)vs.リコシェ(BW)(Infinity 242 11/19/11)
 (23分中19分)
 DG USAで3、4戦目を行い、これが今年5回目となる数え歌。
 まずはレスリング。
 手を踏みつけたりして細かい動作で遺恨を感じさせます。
 ライバル同士の読み合いも加熱しすぎずに試合を進行。
 中盤で試合を落ちつかせますが、
 リコシェがBWに入って学んだヒール・アピールでしっかり構築。
 Pacも絶対王者だけあって見得を切って一つのムーブで魅せますね。
 切り返し合いからの場外スポットは通常のスポットとは違う重いダメージ表現。
 アメリカン・プロレス的ですね。
 このダメージを背負った上で終盤の攻防。
 どうしてもコーナー上からの飛び技が多く少々バランスが悪いですが
 王座交代劇という事を考えると許容範囲内ですね。
 ダブル・ローテーション・ムーンサルトでフィニッシュ。
 飛び技師が20分越えの試合をするのに必要な事を一から十まで揃えてきた完成度の高い内容。
 ぎりぎり好勝負です。
 試合後リコシェから握手を求める。
 しかし応じてきたPacに暴行。

Eオープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:戸澤陽、BxBハルク(BW)vs.横須賀享、KAGETORA(JT)(Infinity 243 12/1/11)
 (横須賀、影虎は負けたら名前の前にジミーをつける)
 (24分中17分)
 CIMA、リコシェがシングル王座に集中するために王座を返還した事から空位になっています。
 戸澤は鷹木を破るなどアメリカから戻って以降プッシュを受けていますが、
 試合スタイルを見ていると結局やられる方がベースになっていますね。
 勿論ヒールにフィットさせてはいますが、
 根本的にはベビーフェイスの時と同じ見せ方で、
 今年初旬のアメリカで見せた素晴らしいヒール像を見ている退行した印象を受けてしまいます。
 一方ヒールになってから輝いているのがハルク。
 頭部にストンピングなどえぐい事をして煽り立てたり、と抒情豊かな試合運びを見せています。
 一方の横須賀、KAGETORAは負けたらジミーという名前になるというルールをつけられているように
 地味だ、地味だ、とストーリーの中で煽り立てられています。
 これがまずかったですね。
 影虎は地味だけど良い選手です。
 しかし正確に言うなら彼の良さはその地味さの中にあるという事。
 この試合で影虎は耐えキャラを見せたり、やたら受け手に回ったりと慣れない事をしていますが
 どのようなドラマを見せるつもりなのか不明瞭sw時間だけを浪費しています。
 一方で予想もつかぬタイミングでエプロンから入ってきてDDTを決める等
 サポートとしての仕事は相変わらず素晴らしかったのです。
 地味じゃない、と反論するより地味で何が悪い、と開き直る方が良かったのにね。
 影虎が前面に出すぎた事もあって横須賀はというと存在感皆無。
 地味なのは個性ですが存在感がないのはいけません。
 という事で中盤まではハルクの試合運び、戸澤との連携力にリードされる形でした。
 しかし終盤は素晴らしかったですね。
 戸澤と影虎の波状攻撃、 横須賀と戸澤の攻防をはじめとして
 ユニーク且つ過激な技が幾つも放たれても決着のつかぬ最高に盛り上がったシーンでした。
 好勝負に少し届かず。

FCIMA、リコシェ、BxBハルク、戸澤陽(BW)vs.望月成晃、吉野正人、鷹木信悟、YAMATO(JT)(Fantastic Gate 12/20/11)
 まずは場外乱戦からスタート。
 会場を巻き込んで盛り上げた後リングへ。
 リングに戻ればそれぞれ短い時間で自分の魅力を十分に伝えます。
 その中でCIMAと望月がエースとして他とは違う位置づけで示す事も出来ていますね。
 その後は8人マッチという事でやや流れ作業になっていますが、
 戸澤の孤立、CIMAの上手い技の見せ方、
 ハルク、戸澤の連携力、YAMATOの反撃への流れ、と
 今年の一年を振り返るような詰め合わせとなっています。
 ダイブ連発後は終盤ですが数に任せたラッシュはせず
 BWの連携力を交えながらそれぞれが迫力あるムーブを見せる形。
 30分を超えるロング・マッチの作り方としては正統といえるでしょうね。
 ファン感謝祭という事でストーリーにのった見せ場、ドラマは薄いものの
 総集編というにふさわしい素晴らしい内容。
 ぎりぎり好勝負。

(執筆日:12/22/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)(ch)vs.戸澤陽(BW)(Infinity 238 10/13/11)
Aオープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:望月成晃(JT)(ch)vs.斉藤了(JT)(Infinity 240 11/3/11)
B八木パン・サバイバル敗者ユニット脱落マッチ:望月成晃、YAMATO、鷹木信悟、吉野正人、Gamma(JT)vs.CIMA、BxBハルク、土井成晃、戸澤陽、サイバー・コング(BW)(Infinity 241 11/4/11)
Cオープン・ザ・トライアングル・ゲート王座戦:土井成樹、Kzy、谷嵜なおき(BW)(ch)vs.Gamma(JT)、しゃちほこマシーン、富永千浩(Infinity 242 11/19/11)
Dオープン・ザ・ブレイブ・ゲート王座戦:Pac(JT)(ch)vs.リコシェ(BW)(新チャンピオン!)(Infinity 242 11/19/11)
Eオープン・ザ・ツイン・ゲート王座戦:戸澤陽、BxBハルク(BW)(新チャンピオン!)vs.横須賀享、KAGETORA(JT)(Infinity 243 12/1/11)
FCIMA、リコシェ、BxBハルク、戸澤陽(BW)vs.望月成晃、吉野正人、鷹木信悟、YAMATO(JT)(Fantastic Gate 12/20/11)