DDT:Best of DDT 2021 part.3の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 竹下幸之助、上野勇希vs.清宮海斗、稲村愛輝(CyberFight Festival 6/6/21) KoD2回戦:火野裕士vs.HARASHIMA(6/20/21) |
@高木三四郎、彰人、樋口和貞、坂口征夫、吉村直巳、納谷幸男vs.拳王、中嶋勝彦、征矢学、覇王、仁王、タダスケ(CyberFight Festival 6/6/21)
12人も揃って火花を散らせば壮観ですね。
良いスタートを切ったかに見えました。
しかし試合の大半は高木と拳王に焦点が当たっています。
拳王の攻めっぷりの良さは光っているし、
高木の受けも良いでしょう。
坂口が高木の後見に回ることで
程よい息抜きになって偏ったバランスで続けられているのも工夫としては良い。
ただそれは普通に噛み合っているプロレス。
それなのにプロレス観がどうのこうの、と
日本人が好きなイデオロギーをストーリーの前面に出したことで違和感。
DDTのギミックをなんの目的で行っているのか、
この試合の中でも突き詰めてカテゴライズさせないと凄い中途半端に見えますね。
また、この試合の作り方で言えば高木、坂口vs.拳王、中嶋だけで良く、
フェスで多くのレスラーを参加させたいという
試合の外の意図が混ざったことでこれまた混濁しています。
まあまあ良い試合。
A竹下幸之助、上野勇希vs.清宮海斗、稲村愛輝(CyberFight Festival 6/6/21)
最初の入りは手合わせという感じですが、
その時点で個々のシンプルな魅力に期待感を掻き立てられます。
身体能力の上野にパワフルな稲村、雰囲気を作る竹下。
元GHC王者の清宮が4番手になってしまう程です。
清宮もライン作りは良く、パフォーマンスは決して悪くなかったので
本当に良い意味で4番手です。
12人タッグとの差別化も意識したか
タッグ要素は複雑化させず個々の魅力をストレートに出しながら積み重ねました。
素晴らしい試合。
ぎりぎり好勝負。
BKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.HARASHIMA(CyberFight Festival 6/6/21)
秋山は本当にうまいバランスで受けますね。
自分を軽く見せず相手も立てる。
秋山が場外パイル・ドライバーに花道DDT、と
大技ベースの首攻めで反撃。
秋山なので上手くすり合わせていますが
全体で見た時のスポット・バランスは改善の余地ありです。
シンプルな構成にする中で
HARASHIMAがどう気持ちをのせるか、
これが課題でしたが、どうでしょう。
秋山はコントロールを柔軟に空白の余地で相手のタッチを取り込みましたが、
HARASHIMAは綺麗に入れ込み過ぎた感じがあって、
メインにクオリティで勝つのは当然として
話題性で負けないようにするにはもう少しぶっ飛んだアプローチがあっても良かった。
好勝負に少し届かず。
CKoD1回戦:遠藤哲也vs.クリス・ブルックス(6/10/21)
クリスが不意打ちからジョンウー→トぺ。
この不意打ちの前に靴を直す前振りをするところにクリスの良さが出ていますね。
リング内外の移動を絡めて遠藤もダイブで反撃。
ダイナミック感が出ていますね。
アピール性の高い打撃が光り、
それぞれ見られていることを意識したアクションで、
手足の動作をイメージ通りにコントロールすることができています。
クリスの腕狙いを絡めながら良い形で一進一退。
クリスのターン・バックルへのスラムからオクトパスホールドへの繋げ方は印象的でしたね。
クリスの強烈な追い込みに対して、
遠藤の打開策がややストレート過ぎて、
もう少し腕の痛みを反映させて攻めに制限を与えると尚良かったですね。
好勝負に少し届かず。
DKoD2回戦:火野裕士vs.HARASHIMA(6/20/21)
それぞれ相手の打撃を最高に痛そうにして見せて
攻守両側からスケール・アップしていきます。
それは体格の良い火野だけでなく、HARASHIMAも同じく。
またぐところを捉えたドラスク一発で
火野は脚が壊れてもう立てない、というような見せ方をしてましたからね。
その表現力が冴えわたる一方で、
ここまで突き詰めるなら
火野はもっと攻めを崩して欲しいし、
持ち上げたら足に負荷がかかって崩れて欲しいし、
走る際にはびっこを引いて欲しい所です。
それでもディティールを寄せ切らなかった代わりに
タフな攻め合いで盛り上げてくれたので良しとしましょう。
ぎりぎり好勝負。
EKoD決勝:竹下幸之助vs.火野裕士(7/4/21)
火野はデフォルメが上手く、
単純なムーブによる印象付けだけでなく、
劣勢から手がつけられない回復っぷりの表現も見事ですね。
対する竹下の芯の強さも映えますが、
やはりこの火野の攻略としてはチキンウィングをどう駆使して
切り崩していくかが見たかったですね。
事前予告通りそこに拘らず
最後はクリスアーム式スープレックス・ホールドで決着。
確かにその技の意味性も理解できるのですが、
火野をKOする訳でもないですし、
試合中の火野の強靭さが目立ちつつも
それに相対する竹下が言うほどピンチになる訳でもなかった。
1-2回戦ならまだしも決勝としては物足りなさを感じざるを得ないですね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:7/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@高木三四郎、彰人、樋口和貞、坂口征夫、吉村直巳、納谷幸男vs.拳王、中嶋勝彦、征矢学、覇王、仁王、タダスケ(CyberFight Festival 6/6/21)A竹下幸之助、上野勇希vs.清宮海斗、稲村愛輝(CyberFight Festival 6/6/21)
BKO-D無差別級王座戦:秋山準(ch)vs.HARASHIMA(CyberFight Festival 6/6/21)
CKoD1回戦:遠藤哲也vs.クリス・ブルックス(6/10/21)
DKoD2回戦:火野裕士vs.HARASHIMA(6/20/21)
EKoD決勝:竹下幸之助(優勝!)vs.火野裕士(7/4/21)