DDT:Best of DDT 2017の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | KO-D無差別級王座戦:HARASHIMA(ch)vs.竹下幸之介(3/20/17) KO-D無差別級王座戦:竹下幸之介(ch)vs.遠藤哲也(4/29/17) キング・オブDDT決勝:遠藤哲也vs.HARASHIMA(6/25/17) KO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.マイク・ベイリー(7/2/17) |
@EXTREME王座戦、蛍光灯IPPONデス・マッチ:葛西純(ch)vs.彰人(1/3/17)
彰人が蛍光灯という葛西の土俵にのりつつ
1本で決着という注文をつけて縛りをつける、という熱い展開。
実運用として2人が触れている時に割れたら
攻撃した方が負けというルールまで整備しているのが良い。
慣れない彰人が蛍光灯設置に時間がかかったり、
それのフォローもあるのでしょうが葛西が
セーフという仕草をしたりユーモアに走っているのは勿体無く感じられる。
それぐらい蛍光灯の見せ方は多彩だったし、
後半も偽者の蛍光灯を持ち込んだりとアイディアは尽きなかった。
アイディアを上手く形にしていました。
平均的な良試合。
AKO-D無差別級王座戦:HARASHIMA(ch)vs.マイク・ベイリー(1/3/17)
ベイリーが蹴りの連射法で果敢に攻め込みます。
HARAHSHIMAは猪木アリ戦法で対処。
ベイリーを立てた上で脚殺しに転じます。
HARASHIMAはしっかり見極めて冷静に動いていますね。
少し技の見栄えが物足りないけれども。
エプロンでの蹴り合いで盛り上がって終盤戦。
HARASHIMAの要望にベイリーがもう少しついていければ
余剰な部分が少しカットできればと思うものの
ベイリーはアウェイで良くぞここまでやりぬきました。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:4/?/17)
BKO-D無差別級王座戦:HARASHIMA(ch)vs.竹下幸之介(3/20/17)
竹下が場外でブレーン・バスターを決め首攻め。
HARASHIMAが花道でニー・クラッシャーを決め脚攻め。
前半は双方が一方的に一極攻めを続ける形なので
余りエキサイティングとは言いがたいものがあります。
攻守切り替えへの流れも意識が薄めです。
しかしながら試合全体を俯瞰した時の構成力は良いので不思議な印象。
後半にかけてはドラマチックに。
竹下は1年前に既に戴冠済みですが、いまだ21歳とあって、
若さ、不器用さを昨年の試合以上に前面に押し出してくる。
この荒削りさはどこまで意識的にやっているのでしょう。
序盤の竹下の首攻めがこの良い意味で
微妙なニュアンスに利いてきています。
最後は竹下が他のDDTレスラーの技を使って上手く〆。
ぎりぎり好勝負です。
CKO-D無差別級王座戦:竹下幸之介(ch)vs.遠藤哲也(4/29/17)
20代前半の2人による60分試合への意欲的な挑戦。
竹下はこの手の60分構築によく使われる
執拗なヘッド・ロックを利用しますが過度には頼らず、
喉に足を押し当てたりと荒々しさも見せて首攻めに昇華させます。
そのため60分試合の意図は上手く隠せています。
遠藤はスピード・ワークから反撃を狙うも初動を悉く潰される形で
2人の今のキャリアの差をはっきりと明示してみせます。
それでも鉄柱攻撃から主導権を取り返し脚攻め。
椅子へのニー・クラッシャーを使う等行動は
ダムネーションとしての遠藤らしさを見せているのは良いですが、
もう少しヒールらしい感情表現もあると更に良いですね。
続いての竹下反撃のシーンは
パワーを活かしたスポットはあるものの
ハイ・スポットまではまだ使えないジレンマの中適度にやれています。
ただ見ていて少し焦れてきた所で
遠藤がシャツを脱いでのダイブでギア・アップしてきて
緊迫感をあげてリフレッシュさせます。
30分経過。
パートナー同士の息のあった切り返し合いと
鋭いスポットで白熱の終盤戦へと突入。
私的なラリアットの耐えあいを混ぜるセンスも良く、最高の攻防です。
であるが故にここで40分試合としてまとめたならこれは間違いなく名勝負です。
ただ目標の60分までに20分足りない。
そのために場外戦に出て行ってハードコア要素を加えたり、
遠藤が脚攻めを再開したりする。
アイディア自体は良いのだろうけれど
それまで抑えて抑えてきた中で
30-40分の攻防のギアをあげすぎて、
この追加要素は取り留めの無いごちゃごちゃ感を与えてしまいます。
それでもリアル/虚実入り混じった主張等
エピローグ的攻防として良いものもありました。
最後の15分は身の丈を超えていた挑戦でしたが、
それまでの構築は非凡な出来を見せており、
更にキャリアを積んでまた挑戦した欲しい、
そしてそのときは今回の課題をブレークスルーだろうと信じさせるに足る、
素敵なエピック・マッチでした。
文句なしに好勝負。
(執筆日:6/?/17)
Dキング・オブDDT決勝:遠藤哲也vs.HARASHIMA(6/25/17)
竹下に再挑戦すべく内なる闘志を燃やす遠藤。
その遠藤をHARASHIMAが脚攻めで封じにかかります。
脚攻め一色なのですが、
HARASHIMAのテクニックが冴え渡り、
その鬩ぎ合いは画一的ではなく有機的です。
一般的な序盤/中盤/終盤の段取りを取らず、
一本筋のストーリーラインだけで雄弁に語りあげました。
遠藤もこの試合の感情の見せ方は色気がありましたね。
クオリティもさることながら
遠藤が60分試合で竹下から王座を奪取できず、
何か変わらなくてはいけない心持で、
再挑戦に挑む、この瞬間に行われるに
これほどふさわしい内容はない、という点で驚嘆する。
ぎりぎり好勝負。
EKO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.マイク・ベイリー(7/2/17)
遠藤が脚攻め。
先日の遠藤を迎え撃ったHARASHIMAに比べると
基本的な理屈は通っているものの
応用編にまでいっていないので面白みには欠けます。
しかし脚攻めオンリーでいく訳でもないのでOK。
ベイリーが丁寧な脚のセルをしながらも
自分の武器である蹴りは捨てずに立ち向かう様は
ベイリーの応援したくなるキャラを最大限活かせています。
小さな興行ではありますが、
不器用ながら真面目な2人が徹底的にぶつかりあい、
階段縁からのムーンサルトが飛び出し
裏技ブレーン・バスタァァァァァーでフィニッシュ、と
壮絶な試合と相成りました。
文句なしに好勝負。
Fエクストリーム王座戦、ヘアvs.ヘア:佐々木大輔(ch)vs.彰人(8/20/17)
佐々木は首攻め、彰人は脚攻め。
凶器で部位攻めが出きる両者なので
どのシーンも密度は高くなっていますね。
一方で全編ベクトルもその強さも
同じ感じなのでもう少しクライマックスにかけての
ウネリが欲しいともいえます。
好勝負に少し届かず。
GKO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.遠藤哲也(8/20/17)
前回は60分マッチでじっくり行いましたが、
今回はそれを受けて序盤から隙あらば
ハードなスポットを狙っていく形。
場外でマットを剥いでボディ・スラムも決めた
遠藤が主導を取り首攻め。
竹下も王者らしく力強い反撃で一気に戻そうとする
ぎりぎりの攻防はライバル対決ならでは。
ただ終盤に関しての大技の打ち合いは
軽はずみなスポットも散見され、
試合時間を30分と半分にしたにも関わらず
同じく終盤に課題が残る結果となりました。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:9/?/17)
Hエクストリーム王座戦、ノーDQ:佐々木大輔(ch)vs.高尾蒼馬(11/23/17)
佐々木がセコンド介入でコントロールしつつ
凶器やサブミッションを上手く使ってバランスの良い攻め。
高尾もアンダードッグとして適切に振る舞います。
手錠であったりネタも豊富で
上質なハードコア・エンターテイメント・マッチでしたね。
好勝負に少し届かず。
Iタッグ王座戦:HARASHIMA、丸藤正道(ch)vs.ALL OUT(彰人、竹下幸之助)(11/23/17)
HARASHIMAと彰人、丸藤と竹下
それぞれ性質の違う良質なグラウンドを見せます。
HARASHIMAの脚を攻めて孤立させるシーンから中盤戦。
丸藤の方法論に対してDDT側が余り異論を挟まず
少し淡白な部分もあったものの
後半戦に移っていくとそれぞれ熱のこもったファイトで
印象を変えて試合を終えることができましたね。
光る攻防も一部ではありましたが、
ただ特別な試合とまではいいきれないレベルか。
中々良い試合。
注目試合の詳細
なし試合結果
@EXTREME王座戦、蛍光灯IPPONデス・マッチ:葛西純(ch)vs.彰人(1/3/17)AKO-D無差別級王座戦:HARASHIMA(ch)vs.マイク・ベイリー(1/3/17)
BKO-D無差別級王座戦:HARASHIMA(ch)vs.竹下幸之介(新チャンピオン!)(3/20/17)
CKO-D無差別級王座戦:竹下幸之介(ch)vs.遠藤哲也(60分時間切れ)(4/29/17)
Dキング・オブDDT決勝:遠藤哲也vs.HARASHIMA(6/25/17)
EKO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.マイク・ベイリー(7/2/17)
Fエクストリーム王座戦、ヘアvs.ヘア:佐々木大輔(ch)vs.彰人(8/20/17)
GKO-D無差別級王座戦:竹下幸之助(ch)vs.遠藤哲也(8/20/17)
Hエクストリーム王座戦、ノーDQ:佐々木大輔(ch)vs.高尾蒼馬(11/23/17)
Iタッグ王座戦:HARASHIMA、丸藤正道(ch)vs.ALL OUT(彰人、竹下幸之助)(11/23/17)