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全日本プロレス:Best of AJPW 1997の分析


名勝負 CC優勝決定巴戦:三沢光晴vs.小橋健太(4/19/97)
好勝負 CC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(3/30/97)

@CC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(3/30/97)
 川田が高角度バック・ドロップを放てば
 三沢もエルボー・スイシーダ、と的確に一進一退鬩ぎ合います。

 川田が垂直落下式ブレーン・バスターから
 三沢の痛めている肩を攻め
 より筋道を太くできていましたね。

 川田が相変わらず顔面に蹴りを入れる等
 ハードな攻めを見せるも三沢も驚異的なタフさで凌ぎ、
 試合時間切れも見えてきます。

 試合の中盤までの攻防も活かしながら
 最後まで攻防のステージを上げ続けました。

 三冠王座戦同一カードに比べると狂気が不足しているものの
 数え歌に求められるレベルはしっかり満たしています。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

ACC優勝決定巴戦:三沢光晴vs.小橋健太(4/19/97)
 巴戦の1戦目。
 
 流れの中に織り込まれる破壊的な打撃。
 ラッシュとカウンターの絶妙なバランス感は心地よいですね。

 プランチャと見せかけ一度エプロンに着地し
 バック・エルボーなど工夫も凝らされています。
 ストレートなハード・ヒットもサブミッションの重みもあって全てが揃っています。

 巴戦なので短時間マッチもありえる中で、
 緊張感のある鋭い攻防が繰り広げられます。

 少し展開を落として腰を落として見るようになるや
 投げっぱなしジャーマンにパワー・ボム連発。
 観る者の捉え方、感じ方込みで見事に動かしてきますね。

 技を放っている時以外の感情、情熱。
 すべてが一致した状態での全力の輝きは飛び切りで
 この後に試合が控えているとは思えない内容です。

 ただ少しギアを入れるのがちょっと早かったか
 最後が少しカードを出し切った感はありましたね。
 四天王プロレスの時間切れはどうしてもこうなりがちですが。
 
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/21)

BCC優勝決定巴戦:三沢光晴vs.川田利明(4/19/97)
 先の三沢vs.小橋は30分時間切れ。
 それにより疲労困憊の三沢を
 川田が普通に体力勝負で押し切る格好です。

 そのストーリーを語るだけなのに
 容赦ないハード・ヒットを詰め込んでいて
 6分という試合時間の中でも濃密な時間が流れました。

 らしさ十分の二戦目でしたね。

 まあまあ良い試合。
 (執筆日:5/?/21)

CCC優勝決定巴戦:川田利明vs.小橋健太(4/19/97)
 巴戦の3戦目。
 川田は引き分け以上で優勝、小橋は勝利すれば優勝、というシチュエーションです。

 小橋は前の試合が6分とはいえがインターバル挟んで回復したという体か
 ダメージ設定は特になく試合進行。

 それぞれ腕と脚を攻める形ですが、
 小橋はそうはいいつつ攻防精度が少し落ちています。
 それならもっとシチュエーションにのせても良かった印象です。 
 
 部位攻めのシーンも長め。
 通常の感覚からすると理屈の積み重ねで十分良いものの
 四天王プロレスとしてはこの領域にここまで留まる必要があるか疑問。

 場外活かして部位攻めの重みを増したのも良いのですが、
 理屈の一本筋が強いせいで
 その理屈を越える四天王プロレスの独自性はやや影を潜めていた印象です。

 川田のインテンシティは素晴らしいものがあったものの
 巴戦1戦目に比べると見劣りする結果になってしまいました。

 好勝負に少し届かず
 (執筆日:5/?/21)

Dロブ・ヴァン・ダムvs.サブゥー(5/31/97)
 前回の試合は30分引き分けでリマッチ。

 序盤のレスリングは省いて
 プロレス技偏重なので
 全日の普段の光景とは違う出だし。

 それでもハードコアな攻防には
 見慣れていようといまいと盛り上がりますね。

 絵作り先行な所もありましたが、
 惜しみなくハードコア・スポットを連打していて
 独自のやりたいプロレスを気兼ねなく披露しきりました。

 中々良い試合。
 (執筆日:8/?/22)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@CC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(30分時間切れ)(3/30/97)
ACC優勝決定巴戦:三沢光晴vs.小橋健太(30分時間切れ)(4/19/97)
BCC優勝決定巴戦:三沢光晴vs.川田利明(4/19/97)
CCC優勝決定巴戦:川田利明(優勝!)vs.小橋健太(4/19/97)
Dロブ・ヴァン・ダムvs.サブゥー(5/31/97)