TOP日本のプロレス全日本プロレス 1990年代の大会 →Best of AJPW 1997 part.2

全日本プロレス:Best of AJPW 1997 part.2の分析


名勝負 三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/6/97)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/21/97)
好勝負 三沢光晴vs.秋山準(5/27/97)

世界タッグ王座戦:田上明、川田利明(ch)vs.ジョニー・エース、小橋健太(5/27/97)

@三沢光晴vs.秋山準(5/27/97)
 (途中から)
 勢いのある鋭い攻め合いですね。
 技に気持ちがストレートに反映されていて素晴らしい。

 攻守が入れ替わっても摩擦で
 場の熱量が減らずに増し続けました。

 半分以上経過してからの収録ですが、
 特殊なことはしておらず、
 あくまで本質の芯の部分で素晴らしいものがあったので、
 ぎりぎり好勝負、という評価も躊躇しない。
 (執筆日:5/?/21)

A世界タッグ王座戦:田上明、川田利明(ch)vs.ジョニー・エース、小橋健太(5/27/97)
 (放送日は6/1/97)
 (29分が12分に編集)
 田上、川田が連携技で印象的にエースを追い込みます。

 交代後の攻防も小橋が力強く、
 エースも精力的に動き、
 対する田上、川田のセル良く見応えがありましたね。

 タッグ・ワークでいくと、
 控えの絡み方が田上、川田は流石の一言。

 全員ダウンするような激しさがあり、
 名勝負のポテンシャルがありましたね。
 流石にカット分数が分数なので
 前半の出来を考慮せずにその評価は控えますが、素晴らしい試合でした。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

B三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/6/97)
 それぞれKO級の打撃を放ち挨拶代り。

 三沢が場外タイガー・ドライバーを放てば
 川田も腕へのサブミッションでエルボー封じに動いて、
 明確に一つ一つシーンを作れていますね。

 切り返して相手がダウンした後の
 見せ方、間によってMAXシーンばかりの構成を上手く繋げています。。
 観る側の感覚への作用という点では
 多用しすぎてもう少し調整してもという印象もあります。

 一方で強烈な技ありきだけでもなく、
 技をかけようとしてかけられず崩れるなんていう
 疲弊感の見せ方も含めて死力を尽くす攻防に仕上げています。
 両者の受け表現も冴えていて素晴らしかった。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

C小橋健太vs.馳浩(8/26/97)
 まずはじっくりレスリング。
 
 小橋が刻み仕掛ける中で
 馳も柔軟に織り交ぜて対応します。
 
 ただ小橋が格高くて馳がゲストという形なのか
 リズムは良いし、スポットの配置は良いものの
 綺麗に丸く収まり過ぎていて、
 この普段組まれないカードとしての意味を考えると物足りなさがあります。

 馳が削るような刺々しい蹴りを小橋の脚に放った所から、
 雰囲気度高めの攻めになってきましたが、
 攻守の切り替え方が簡便的過ぎてその起爆剤を100%活かしきれず。

 中々良い試合。
 (執筆日:8/?/21)

D三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.秋山準(9/6/97)
 レスリングから入る等
 秋山のことを大切にした出だしの作り方でしたね。

 相手を一度立てた上で
 そこを活かしてカウンターの効果を最大化している。

 秋山をアンダードッグに落とし込まず一進一退。
 勿論100%の怖い三沢ではないが予想以上ですね。

 秋山が脚攻め。
 それに頼り切らず緩急もつけていて、
 三冠らしい試合をしようという気持ちもあります。

 三沢の間の微調整により
 パワー・バランスにフィットさせる上手さも見逃せない。

 秋山の大技も利いてきて
 秋山のトップ・グループ入りを確信できる内容です。

 ただ終盤三沢はもっと攻めで応えてあげたかったですね。
 秋山のラッシュに任せすぎ。
 王者の攻めが弱いと王座戦としてギアが入らず足踏みです。
 その後の三沢の反撃はストレートでしたし、
 ここがもう少しミックスされるだけでも最後の印象が変わりました。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/21)

E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/21/97)
 凡人の小橋が三沢に追いつき
 同じ立場に立った今全力でぶつかる。
 三沢vs.小橋を要約するならこうなるでしょう。
 さてこの試合ですが三沢vs.小橋を悪く読み解いてしまったように思えます。 
 今は同格、ついでにベビー、ヒールに分けるなら
 ベビー対ベビーな訳ですから元々リングで表現できるドラマ性に欠けるんですね。
 それにもかかわらずこの試合は
 戦法(例えば一極攻めなど)や工夫も小細工だと言う様に
 押せ押せで場外ダイブや過激な投げがの打ち合いに終始してしまった。
 結果、技が先走りして表現力に乏しいですし、
 また20分をいかずして技切れしているので単調に見える一面も生まれました。
 只つまらないで切り捨てられるかと言ったらそれも否。
 元々全力ファイトの四天王プロレスの中でも
 特別全力ファイトと言うに値するだけのエネルギーが詰められた故か変質を起こし
 見る者の心を圧倒的な質量で殴りつけるのではなく
 内からじくじくとえぐるようなそれになっているんですね。
 このサムシングは欠点を補うには十分。
 ぎりぎり名勝負です。
 (執筆日:1/1/09)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@三沢光晴vs.秋山準(5/27/97)
A世界タッグ王座戦:田上明、川田利明(ch)vs.ジョニー・エース、小橋健太(新チャンピオン!)(5/27/97)
B三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.川田利明(6/6/97)
C小橋健太vs.馳浩(8/26/97)
D三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.秋山準(9/6/97)
E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(10/21/97)