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全日本プロレス:Best of AJPW 1994 part.2の分析


名勝負 三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)

三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
好勝負 なし

@三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(7/28/94)
 三沢は腰を痛めています。
 そのリアルを虚実に持ち込まないといけない程の状態。
 しかしそれにしても実に素晴らしい表現力です。

 ウィリアムスの腰攻めを受けながら
 苦しみを情感たっぷりに伝え、色気を醸しています。
 
 展開数をかなり絞らないといけざるを得ない中で
 ウィリアムスも腰攻めを多段階で行っているし、
 本来にない空白の中でウィリアムス自身、
 自分の可能性を引き出す働きが出来ています。

 三沢は最後の最後まで死に体の中でぎりぎりの攻防を演出。
 殺人バック・ドロップと相まって最高の盛り上がりを生み出しました。

 絶戦。
 文句なしに名勝負。

A三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)
 昨年の衝撃的な試合のリマッチにして
 小橋の三冠王座初挑戦の試合になります。

 期待感は既に醸造されているので
 真っ直ぐパワーのぶつかり合いでスタート。

 小橋が場外DDTにダイビング・クロス・ボディと
 明確な構成の起点を作った攻め。
 ウィリアムスがしっかりダメージ表現。

 続いてウィリアムスの反撃。
 自分の代名詞になった垂直落下系で上手くまとめていますね。

 ロング・マッチへの挑戦の中で
 細かな打撃の小競り合いで緩急をつけれているのは大きい。
 見せ場も立体的でスケール感がありますね。

 30分を目前にしてウィリアムスが
 フィニッシャーへの気配をチラつかせますが、あくまでチラ見せ。
 両者持ち技を適切に据えて試合時間を引き延ばしていますが、
 ここまで長くある必要はなかったと思いますね。

 それでも小橋の攻めは情感的だし、
 アクセントのウィリアムスの古傷の膝への攻めは利いています。

 このカードと切っては切り離せない
 殺人バック・ドロップもターン・バックルへ投げる、という
 隠し玉を用意して既視感なんて覚えさせない
 今再びの衝撃的なフィニッシュを演出しました。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)



注目試合の詳細

なし

試合結果

@三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.スティーブ・ウィリアムス(新チャンピオン!)(7/28/94)
A三冠王座戦:スティーブ・ウィリアムス(ch)vs.小橋健太(9/3/94)