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全日本プロレス:Best of AJPW 1992の分析


名勝負 田上明、ジャンボ鶴田、渕正信vs.小橋健太、三沢光晴、川田利明(5/22/92)

アジア・タッグ王座戦:ダグ・ファーナス、ダン・クロファット(ch)vs.小橋健太、菊地毅(5/25/92)
好勝負 川田利明、菊地毅vs.カンナム・エクスプレス(2/22/92)

@渕正信vs.三沢光晴(1/21/92)
 (ファン映像)
 渕がエルボーに対して素晴らしい受け身。
 攻めはどうしても弱い部分もありますが、
 ダイビング技を狙われたときに距離を取ったり
 カウント1で返したり受けの中で様々な変化を加えていきます。
 
 かろうじて勝利の可能性を残しつつ
 攻め口として脚攻めを場外テーブルも含めて盛り上げました。

 上手く観客を載せていた試合。
 何より映像を取っている人が
 渕三沢の感じさせたいことを120点のレベルで受け取って口にしていて
 見ていて楽しかったですね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:3/?/21)

A川田利明、菊地毅vs.カンナム・エクスプレス(2/22/92)
 いきなり菊地をボディ・リフトで場外に投げ落とし、
 川田も場外でのタイガー・ドライバー。
 カンナムらしい滅茶苦茶なスタートですね。
 しかしそれでも試合は成立している。
 川田が死にそうなダメージ表現を見せていますし、
 カンナムがテンポ良く追い込み、今にも決めてやる感を維持しています。
 何とかタッチし交代した菊地も人でない物であるかのように荒っぽく扱い、
 菊地のアンダードッグっぷりを最大限引き出します。
 菊地が気迫の表情を見せず、
 その後も帰結への流れの作り方がほとんどなかったものの
 菊地が受け続けたダメージの総量は過去最大でしょう。
 まだこの時期は川田がトップ・スターにまではなっていないと思うのですが
 最後ストレッチ・プラムで川田が締めたりと比較的あっさりしたまとめ方だったのが惜しい。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:1/?/13)

BCC公式戦:川田利明vs.田上明(3/31/92)
 田上が不意打ちしブーイングを浴びます。
 川田も遺恨を押し出して荒っぽい打撃を放ちます。

 形は整っていないものの
 乱戦としては感情が伝わってくる良い物になっています。

 後半はそれぞれ自分の得意技を決め手として 
 攻防を真っ直ぐに噛み合わせました。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/21)

CCC公式戦:ジャンボ鶴田vs.三沢光晴(4/2/92)
 鶴田が序盤からスリーパーを決め主導権を握ると
 三沢など敵ではない、と追い込んでいきます。

 5戦目にして改めて見せる鶴田の力強さは魅力的ですが、
 展開数を絞った中で意味合いの薄い攻防もチラホラ。
 
 耐え抜いた三沢の終盤の反撃も限定的で
 リアリスティックに拘った良さもある一方で地味なことも否めない。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:3/?/22)

D田上明、ジャンボ鶴田、渕正信vs.小橋健太、三沢光晴、川田利明(5/22/92)
 (途中(数分後)から映像開始)
 場外技でダウンさせて厳しく追い込む、のが
 この試合の定番パターンですね。
 定番と表現したくなる程、
 場外技がここぞのポイントで使われています。
 
 控えに対する攻撃性もこの試合の熱を大きく押し上げていましたね。

 また、それぞれこのマッチ・アップで魅せる、と決めていて
 狙い以上に印象的な攻防を数多く生んでいます。

 まだまだ勝敗に結び付かない段階と分かっていても
 目が離せない厳しい攻防が最初から続き30分。
 30分経過して強度が一層増して
 それでも尽きない最高の攻防です。

 6人タッグだから負担は1/3でしょう、とは
 とても言えない激闘の中の激闘です。
 少し形を決めていて調和を崩した変化に乏しい点が伸び白か。
 
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

Eアジア・タッグ王座戦:ダグ・ファーナス、ダン・クロファット(ch)vs.小橋健太、菊地毅(5/25/92)
 溜息が出てしまいます。
 何故なんだ、って。
 いえ、試合に対して文句がある訳ではないのです。
 文字通り完璧だった。
 まず地元の菊地の孤立。
 Kエクスプレスは控えの小橋に注意を払った上で
 スタイナーズばりの迫力ある技と
 腰狙いで一貫した、えぐいまでのサブミッションで追い詰めます。
 小橋へのタッチ成功で会場は爆発。
 ここでまたKエクスプレスがどうしちゃったの、という輝きっぷり。
 アメリカ式に控えもやられてスポットを2倍増しにし、
 そしてスピード感を失うことなく観客にヒールに受け入れられて見せます。
 小橋の92,93年のスピード感も秀逸です。
 平気で工夫した攻防、素早い攻防を生み出してくる。
 菊地までその場の状況に対して
 これっぽちも淀む事なくベストの動きをして見せました。
 クライマックスのスケールの大きさは神がかっている。
 ついでに王座交代という結果もついてきます。
 パーフェクトです。
 ここで冒頭の話に戻るとこの試合、地方の宮城という事で約10分経過後からの映像しかないのです。
 いやもうこれは大きな損失ですよ。
 最初の10分を見ていないのに上限一杯つけて良いのかと迷いますが
 それでも歴史的な名勝負と言ってしまう最高の内容でした。
 (執筆日:3/?/10)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@渕正信vs.三沢光晴(1/21/92)
A川田利明、菊地毅vs.カンナム・エクスプレス(2/22/92)
BCC公式戦:川田利明vs.田上明(3/31/92)
CCC公式戦:ジャンボ鶴田vs.三沢光晴(30分時間切れ)(4/2/92)
D田上明、ジャンボ鶴田、渕正信vs.小橋健太、三沢光晴、川田利明(5/22/92)
Eアジア・タッグ王座戦:ダグ・ファーナス、ダン・クロファット(ch)vs.小橋健太、菊地毅(5/25/92)