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全日本プロレス:Best of AJPW 1987の分析


名勝負 RWTL公式戦:天龍源一郎、阿修羅原vs.スタン・ハンセン、テリー・ゴディ(12/11/87)
好勝負 天龍源一郎vs.ジャンボ鶴田(8/31/87)

ジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(10/6/87)

@天龍源一郎vs.ジャンボ鶴田(8/31/87)
 3度目の対決。
 まずは持ち技を外してお手軽に緊張感を作り上げ、
 天龍は鶴田にひるみつつも気圧されていない所を示します。
 技の織り交ぜ自体は少々雑な印象を受けますが
 ベースとなるグラウンドが刺々しく突発性が機能しやすい土台です。
 最初の大きな見せ場は天龍の掟破りのハイ・ニー。
 このサプライズのまま天龍の展開に持っていくのもありでしたが
 鶴田がすぐにやり返し、そう簡単なライバル関係でないことを見せます。
 中盤は試合運び自体は基本的なものでしたが
 サブミッションも投げもスケールが大きく鶴田ならではのものがあります。
 今度は鶴田が普段やらないセカンド・ロープから場外へのダイブを見せサプライズ。
 ここから怒涛のハイ・スポットの畳みかけで、
 リングに戻るかどうかをニア・フォール合戦と等価のレベルで見せてきたのには感心しましたね。
 数え歌として発展途上にあることを感じさせつつも
 1つの凄い試合として完成されています。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:3/?/12)

Aジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(10/6/87)
 (放送日は10/10/87)
 強烈な打撃によろめきながらも
 体幹がしっかりしているので即座に反撃に出ることができ、
 攻守一体となって相対していますね。

 鶴田が攻撃的なストンプに鉄柱攻撃。
 このスケール感に対して、
 天龍はヘッド・ロックで抑え込む対応。
 どういう形にしろ一度鶴田から勝利を奪った立場として
 受け止めていなすプロレスを見せたのは味わい深かった。

 それぞれ立ち位置から繋ぐ前半でしたが、
 後半はそこから一歩踏み込み合ってギアを入れます。

 技を押し出していく中で少し道筋が見えなくなると共に、
 技をつぶしたのか食らってしまったのか良く分からないシーンも。
 最後のセコンドの抗議による裁定撤回、
 それにキレて鶴田がレフェリーに暴行、というのも難しかったですね。
 ただその雰囲気に合うカオスな感じは攻防が激化する中でありましたから
 繋ぎの試合として見落とすには勿体ない数え歌の一つです。

 ぎりぎり好勝負。
 
 試合後、全日復帰のブロディが現れ鶴田を襲撃。
 (執筆日:12/?/21)

BRWTL公式戦:天龍源一郎、阿修羅原vs.スタン・ハンセン、テリー・ゴディ(12/11/87)
 ハンセンと天龍への期待感高く、
 4人入ってハイ・テンションな乱戦にも繋げて盛り上げます。
 
 一方でベースのじっくりとしたタッグの試合運びも良好。
 タッチ・ワークのテンポ感が良いですね。
 双方連携技も豊富でで華を添えました。

 阿修羅原が見劣りするかと思いきや、
 ゴディの受け身も良くそんなことはなかった。
 
 中盤に据えた天龍の孤立シーンにおいては
 場外パイル・ドライバー、テーブル攻撃で軽く流血、と
 体を張った盛り上げも良かったですが、
 一方で相手の攻撃・介入により
 不測のタッチに繋げるという上手さも光りました。
 それはその後の終盤の攻防にも活かされていますね。
 
 上手さ・凄さ両立された内容で
 最後は両者リングアウトですが、
 全く不満を抱かない程の内容です。

 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@天龍源一郎vs.ジャンボ鶴田(リングアウト)(8/31/87)
Aジャンボ鶴田vs.天龍源一郎(DQ)(10/6/87)
BRWTL公式戦:天龍源一郎、阿修羅原vs.スタン・ハンセン、テリー・ゴディ(両者リングアウト)(12/11/87)