TOP日本のプロレス全日本プロレス 2020年代の大会 →全日本プロレス:Best of AJPW 2020 part.2

全日本プロレス:Best of AJPW 2020 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 世界タッグ王座戦:諏訪魔、石川修司(ch)vs.宮原健斗、ヨシ・タツ(5/5/20)

三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.石川修司(7/25/20)

@諏訪魔、宮原健斗、ゼウスvs.ジェイク・リー、青柳優馬、石川修司(4/6/20)
 無観客試合ながらレスラー、スタッフが野次や歓声、手拍子を飛ばすので
 観客がいるのと観ている分にはほとんど変わりない状況になっていますね。
 
 先日王座を争った宮原と諏訪魔の間には不和があり、
 宮原とゼウスもウマが合わずで、
 個の諏訪魔チームとトリオとしてまとまったリー・チームという構図になっています。

 その移り変わりは適切に表現されていましたし、
 その中で宮原がカメラに映りに行くシーンは面白かったですが、
 それ以外の部分は最初の40分間余りに無策で
 60分試合ありきの内容だったことは否めません。
 
 40分経過後はそれまで抑えていた分、爆発していて、
 シャーマン巴打ちや
 ジェイクと宮原のエルボーの打ち合いなど
 迫力あるシーンが次々と生まれます。

 ここで全日本チャントが起きて、
 提供側が自画自賛するのはどうなの?と思ったものの、
 確かに他に誇れるスポットであったことも確か。

 最初の40分間を半分にしてくれていたら完成度は向上。
 60分試合である意味性は薄く、
 60分試合こそ全日本プロレスのオリジンだ、という歴史上の選択ですね。

 NoahやWWE見たいな挑戦とはいかないですが、
 既存のものや伝統を大事にしようおいうのも大事なことなので、
 これはこれで無観客の中、等しく意義のあった試合でしょう。

 ただクオリティとしては、他と等しくとはいかず少し落ちますね。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:4/?/19)

A世界タッグ王座戦:諏訪魔、石川修司(ch)vs.宮原健斗、ヨシ・タツ(5/5/20)
 ヨシ・タツが気持ちをしっかり見せていますね。

 宮原は諏訪魔に王座を取られていることもあり
 個として上回りきらないパワー・バランスで調整。
 それによる二段孤立が諏訪魔、石川のタッグ力を
 大きく前面に押し出すことができていましたね。
 
 どちらも受けっぷりが良かった。

 終盤にシフトすると 熱い一進一退。
 連携技のラッシュもバランス良く、
 無観客ながら熱量を上手くコントロールしきって激戦に仕上げています。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

Bアジア・タッグ王座戦:木高イサミ、宮本裕向(ch)vs.TAJIRI、KAI(5/31/20)
 オーソドックスなレスリングからスタート。
 無観客な中で丁寧さが光りましたね。
 TAJIRIのスキルも良い形で出ていました。

 中盤以降は悪くないものの
 まったりしたテンポ運びからのギア・チェンジをかけきれず。
 ある程度意図してこういう試合をしたのでしょうけれども
 イサミの動きが鈍かったりと改善すべき課題もチラホラ。

 まあまあ良い試合。
 (執筆日:6/?/20)

C三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.芦野祥太郎(6/30/20)
 アマレスのバックボーンがあるにも関わらず
 レスリングは凡庸な内容で終わります。

 これまで三冠王座戦は良くも悪くも王道に基づいて
 時間をかけてぶつかり合い、受け止めあってきた訳ですが、
 芦野の試合運びはそこに余り踏み込んでいない印象。

 むしろ真っ向から組み合った方が、
 今は亡きW-1のエースという肩書きが強調されたのではないか。

 芦野が脚攻めで追い込みますが、
 諏訪間の受け、表現がそこまで良くなく、
 試合に発展性を与えることはありません。

 終盤で上向きになってきたものの期待外れ。

 もう少し寝かせた上で実現させても良かったカードだったかも。

 平均的な良試合。

D三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.石川修司(7/25/20)
 単純な力の押し引き。
 この単純な見せ方が
 2人の原初的な価値を改めて想起させます。

 何度も手を合わせる中で
 忘れがちな正統な作り方から始めることができていますね。

 技でステップを踏む構築。
 そのステップを踏む一つ一つの技を
 攻め手も受け手も重みをじっくりと。

 部位攻めの一貫性と情感のあるダメージ表現。

 こんな2人だけの個人的闘争を
 世俗的スケール感を持つビッグ・マン2人がやれば無敵でしかない。

 尤も両者40歳を超えているので終盤は技が崩れ気味。
 悲哀を感じさせつつ力強いという
 両極端が融合した魅力を加速することはできず。

 ポイントとなる技を防ぐことで
 攻防の起点は作っていて良かったものの
 爆発しきれずの内容に留まりました。

 文句なしに好勝負。
 (執筆日:7/?/20)

E青木篤志メモリアル・マッチ:入江茂弘、石川修司、諏訪魔vs.ジェイク・リー、宮原健斗、岡林裕二(8/15/20)
 AJPWのトップ・メンバーなので鉄板と言えますが、目新しさに欠ける所もある。
 その中で入江の存在は大きいですね。
 少し外様扱いもありましたが、
 全く連携がないという訳でもありません。

 一方の宮原組は呼吸が合っていない
 チーム・カラーで差別化しつつ楽しませました。
 
 リングの中の権利者が存在感を示しつつ
 セコンドも適度に活用され充実の内容。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:8/?/20)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@諏訪魔、宮原健斗、ゼウスvs.ジェイク・リー、青柳優馬、石川修司(60分時間切れ)(4/6/20)
A世界タッグ王座戦:諏訪魔、石川修司(ch)vs.宮原健斗、ヨシ・タツ(5/5/20)
Bアジア・タッグ王座戦:木高イサミ、宮本裕向(ch)vs.TAJIRI、KAI(5/31/20)
C三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.芦野祥太郎(6/30/20)
D三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.石川修司(7/25/20)
E青木篤志メモリアル・マッチ:入江茂弘、石川修司、諏訪魔vs.ジェイク・リー、宮原健斗、岡林裕二(8/15/20)