全日本プロレス:Best of AJPW 2018の分析
名勝負 | 三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ゼウス(7/27/18) |
好勝負 | 世界タッグ王座戦:ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(ch)vs.宮原健斗、ヨシタツ(2/3/18) 三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.石川修司(8/26/18) 王道トーナメント決勝:宮原健斗vs.真霜拳號(9/24/18) 三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.宮原健斗(10/21/18) |
@三冠王座戦:ジョー・ドーリング(ch)vs.ゼウス(1/2/18)
適度に動き回った後、チョップの打ち合い。
スーパー・ヘビー級のそれは他が真似できない迫力がありますね。
スタミナはないので後半スロー・ペースになりますが、
それでもアルゼンチン・バック・ブりーカーなど
迫力ある技一発一発の構成で成立されています。
単純明快な魅力作りは狙い通り成功していますね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
A世界タッグ王座戦:バーニング・ワイルド(秋山準、大森隆男)(ch)vs.ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(1/3/18)
AJPWらしい無骨な受けあい。
VGの圧力にベテランがどう対抗していくか、の見せ場は良く、
ヘビー級タッグの面白みがしっかりあります。
ただ20分マッチに対して構成の工夫が少なく、
4人の地力だけでやり通そうとしている感はある。
BWはシングルで峠を越しているだけに
タッグとしての工夫がないと
終盤が少し物足りないところがある。
中々良い試合。
B世界タッグ王座戦:ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(ch)vs.宮原健斗、ヨシタツ(2/3/18)
諏訪魔がラフな持ち味を発揮しヨシタツをダウンに追いやります。
ヨシタツはもう少し表現があっても良いとは思うが、
しっかり受け続けて次の宮原に繋げます。
宮原はエースだけあって石川と諏訪間、
双方と手に汗握る一進一退を繰り広げます。
ホット・タッグだからと宮原に無双させなかったことで
VGの強大さが際立ちましたね。
終盤もカットだけでなく介入もするので
ダイナミックに戦局が変わっていきます。
全員ダウン後、前振りがないので唐突感ありますが
最後は諏訪魔vs.宮原の純粋なシングルの攻防を
三冠王座戦レベルでじっくりと。
相変わらず見ごたえがありますね。
ぎりぎり好勝負。
C三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.丸藤正道(5/24/18)
不意を突いた一撃を入れると同時に
スピードにのせる圧倒的緩急が良いですね。
ラフな雰囲気を作った後に
丸藤が執拗なヘッド・ロック戦法へ。
これは中盤から序盤に戻った印象を受けますね。
もう少し上手いやりようがあったように思います。
緩急を試合全体のテーマに位置づけているようで、
それの徹底という点では評価できますけどね。
丸藤がエプロンでパイル・ドライバーを決めると、
そこから印象的な一つ一つの技で
全日の観客をまとめあげます。
クライマックスの攻防に小さいステップを多用するので
疾走感で吹き飛ばせないだけの
疲労感の無さといいますか違和感を与えてしまったのはマイナス。
CC決勝には見劣りしましたね。
好勝負に少し届かず。
D三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ゼウス(7/27/18)
ゼウスの身体能力、パワフル+スピードを活かして
柵へのウィップを連打する攻防。
ゴールドバーグvs.スタイナーと同じく
この手のレスラーには一番の構築手法です。
場外を序盤にもって行く中で
中盤の作り方も幅が広がりビッグ・マッチの印象作りも出来ている。
宮原もヘッド・バッドを打ったり
普段とは違うラフなやり口が光ります。
リングに戻っても攻防の性質を変えずに
どちらも譲らない攻め合い。
ロング・マッチで走り続けてはダレますが、
そこも適度にダウンして変調の理由を作る宮原は流石。
ゼウスも脚狙いの回収やカウント1での気合の起き上がり等
盛り上がる要素をてんこもりにして
悲願の初戴冠へのロードを見事に演じきりました。
ここまで素晴らしい内容になるとは思わなかった。
ぎりぎり名勝負。
E三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.石川修司(8/26/18)
全日でしか見れない
スーパー・ヘビー級のごつごつとしたどつき合い。
オーソドックスなプロレスの形で
ベーシックな試合運びは落とさざるを得ないものの
大技の迫力はやはり魅力的ですね。
単純性に落としつつ、
ちょっとした変化も入れているので退屈しない。
それぞれ強烈な追い込みで盛り上がった末に
石川がまさかの断崖式ブレーン・バスター。
久しぶりに行われた過激スポット。
リアリスティックに120%は活かしきれなかったものの
このスポットに象徴される凄い試合でした。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:11/?/18)
F王道トーナメント決勝:宮原健斗vs.真霜拳號(9/24/18)
王道の名にふさわしいどっしりとしたスタート。
基本をなぞるだけでない実の詰まった重みを感じますね。
環境を活かした展開付で真霜の腕攻めへ。
分かりやすいステップ・アップであると同時に
真霜の細かな伝達力、ムーブ後の間の余韻の見せ方に唸らされますね。
緩急の作り方も他団体対決とは思えない程息が合っています。
真霜は場外マットを剥いだところに腕へのカーフ・ブランディング。
決めた後に笑みを浮かべヒール・アクセントをつけていましたね。
その後も徹底した腕攻め。
にくたらしい程完璧な攻めでしたね。
それを食らう宮原への応援の熱が高まりました。
完成度が高すぎて一本道でも魅了されますが、
逆にその完成度こそが宮原を一本道に留まらせて
好勝負から名勝負へ踏み入れるシフト・チェンジに至らなかったとも言えます。
文句なしに好勝負。
(執筆日:5/?/22)
G三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.宮原健斗(10/21/18)
小気味良い一進一退。
前回もそうでしたがシークエンスの方法論が確立されていますね。
場外も使って荒々しくラフな雰囲気も忘れない。
ゼウスは主導権を掴むと柵へのウィップ連打。
自らヒートして和田レフェリーに制止されたりと
自らふり幅大きく、緩急を作れるようになっていますね。
エプロンでのシュバイン、トペで
宮原を完全にダウン・モードに追い込みます。
宮原もぎりぎりの鬩ぎ合いで大技の攻防。
少し独自論への拘りが強いものの
荒々しさが際立っていて魅力的。
ゼウスをどうすれば倒せるか
観客も想像するような攻防です。
必殺技を何度打ち込めば決まるかという極限の戦いに最後はなり
35分ものロング・マッチを無駄なく作りきりました。
数年前はゼウスがここまでのレスラーになるとは思わなかった。
文句なしに好勝負。
(執筆日:11/?/18)
注目試合の詳細
なし試合結果
@三冠王座戦:ジョー・ドーリング(ch)vs.ゼウス(1/2/18)A世界タッグ王座戦:バーニング・ワイルド(秋山準、大森隆男)(ch)vs.ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(新チャンピオン!)(1/3/18)
B世界タッグ王座戦:ヴァイオレント・ジャイアンツ(石川修司、諏訪魔)(ch)vs.宮原健斗、ヨシタツ(2/3/18)
C三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.丸藤正道(5/24/18)
D三冠王座戦:宮原健斗(ch)vs.ゼウス(新チャンピオン!)(7/27/18)
E三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.石川修司(8/26/18)
F王道トーナメント決勝:宮原健斗(新チャンピオン!)vs.真霜拳號(9/24/18)
G三冠王座戦:ゼウス(ch)vs.宮原健斗(新チャンピオン!)(10/21/18)