全日本プロレス:Best of AJPW 2015の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 三冠王座戦:ジョー・ドーリング(ch)vs.潮崎豪(1/3/15) 三冠王座戦:潮崎豪(ch)vs.宮原健人(3/27/15) 世界タッグ王座戦:エクシード(潮崎豪、宮原健人)(ch)vs.バーニング・ワイルド(秋山準、大森隆男)(8/29/15) |
@三冠王座戦:ジョー・ドーリング(ch)vs.潮崎豪(1/3/15)
ジョーは全日らしい外人像を周到していて良いですね。
ただ変に様式踏んで、その圧力をイマイチ感じられないのが残念。
潮崎の調整に合わせてリズムを作っているが、これまたスケールが小さい。
リズムは潮崎に任せ、自分の立ち位置の確立に全力を注ぎこめば良かった。
潮崎の努力により不十分さが補われ、
後半は強引なエネルギーで
観客をドラマに引き込んでいきます。
打撃の打ち合い、耐えあいでしっかりまとめました。
ぎりぎり好勝負。
A三冠王座戦:潮崎豪(ch)vs.ゼウス(2/7/15)
序盤はゼウスのハイパー・アーマー・アピール。
潮崎のチョップを耐えるだけでなく、
バック・ドロップもすぐに起き上がって見せます。
攻めも柵を持ち上げて攻撃したりと
パワー・アピールがしっかり出来ています。
構図立てとしては良い感じでした。
しかし中盤になってくるとボロが出てきます。
ゼウスのそれはハイパー・アーマー設定というには
余りに微調整がなく、一進一退を作るのは潮崎任せ。
表面的な攻防作りに終始する結果になっています。
とはいっても無理した結果、
終盤はリアルに疲労感が出てきて、
その中での本気のぶつかり合いは
どちらが王者にふさわしいかの気持ちの勝負になってくる。
それはとても全日らしさがありました。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:3/?/15)
B三冠王座戦:潮崎豪(ch)vs.宮原健人(3/27/15)
機動力のあるファイター同士で親和性があり
スピードのある打撃演武を見せてきました。
宮原がハンマー・ロックを決めた状態で
エルボーを打って離れるという生意気な行動を見せれば
潮崎も悠然と気強く倍返し。
お互いの気骨が王者/挑戦者それぞれの立場と共に上手く表現されています。
宮原が柵を使って首攻め開始。
意図的ではない部分はあるものの
緩急が意外に良い形で作られていますね。
エプロンの相手にラリアットなど
インパクトのあるスポットをベースにして
一定のリズム感を落とさずに試合進行。
過度に過激に走らずとも王道プロレスを
限界まで突き詰めた攻防の数々は見応えがありました。
最後こそやり方が似通っていて膨らみかねる部分はありましたが、
素晴らしい試合でした。
ぎりぎり好勝負。
CCC公式戦:諏訪魔vs.潮崎豪(4/10/15)
全日らしく長時間を可能にする試合構成。
打撃で2人のライバル性と激しさを序盤から散りばめます。
潮崎が首攻めで主導権を握りますが、
一部、もう少し緩急つけて
この技を決めれるかどうかという見せ方が欲しかった。
続いて諏訪魔の腹攻め。
場外柵や柵の外の観客席を使ったりと
荒っぽさを演出していますが、
攻め方自体はやはりじっくりと潰す攻め。
観る側に長時間前提を余りに感じさせるのもどうか。
そこを団体のカラーにとらわれ過ぎず、
コントロールできてくると更に高みにいける。
また、腰の落ち着いた観客にインパクトを与える際、
諏訪魔は投げがありますが、潮崎はどうしても
諏訪魔相手だと技のインパクトに欠けますからね。
それなら細々と主導権の取り合いをするよりかは
ドラマ的なシーンにいっそ振ってしまっても良いか。
それぞれが良いところを提供しているが、
時間を重ねる形では行けるステージも見えている。
期待通りだが期待は超えられなかった内容。
好勝負に少し届かず。
D世界タッグ王座戦:エクシード(潮崎豪、宮原健人)(ch)vs.バーニング・ワイルド(秋山準、大森隆男)(8/29/15)
潮崎が秋山超えを目指すストーリー・ラインですが、
決してそれが歪に表立つ訳ではなく、
タッグの面白みが凝縮されています。
秋山組が椅子攻撃で宮原を孤立させて、
タッグの流れを生んだ後はがんがん攻め合います。
連携技の炸裂、妨害の鬩ぎあいは
まさにウォール・トゥ・ウォール・アクション。
ヒート・アップした熱が冷めないまま
過剰にもいかず最後まで走りきったのは天晴。
文句なしに好勝負。
(執筆日:5/?/16)
ERWTL公式戦:宮原健斗、諏訪魔vs.ビッグ・ガンズ(ボディガード、ゼウス)(12/6/15)
宮原、諏訪魔が勝てば優勝、
ビッグ・ガンズが勝てば同点に並ぶので同一カードで決勝という背景です。
これまでマン・パワーで何とかしてきた宮原、諏訪魔だが、
巨体2人で尚且つ連携の取れているビッグ・ガンズの前には
宮原が消耗戦に巻き込まれて、と確かに理屈は通っているし、
迫力ある攻防をウォール・トゥ・ウォールで行うので見応えもある。
ただし・・・というのは後述。
中々良い試合。
FRWTL決勝:宮原健斗、諏訪魔vs.ビッグ・ガンズ(ボディガード、ゼウス)(12/6/15)
宮原が諏訪魔の音楽で出てきた時にはこれは良い、
宮原の消耗具合を感じさせると共に
諏訪魔との連携を予感させる、と思ったのですが、
結局諏訪魔が宮原を信じてシングルに持ち込み、
宮原が時代を引っ張る若手エースとして何とかする、という展開。
それもタッグの形といわれれば否定できないのだけど
タッグ・リーグの決勝なのだから
もっとタッグとして成長して、と思ってしまいますね。
団体として宮原を持ち上げるのも理解できるのですが。
平均的な良試合。
(執筆日:6/?/17)
注目試合の詳細
なし試合結果
@三冠王座戦:ジョー・ドーリング(ch)vs.潮崎豪(新チャンピオン!)(1/3/15)A三冠王座戦:潮崎豪(ch)vs.ゼウス(2/7/15)
B三冠王座戦:潮崎豪(ch)vs.宮原健人(3/27/15)
CCC公式戦:諏訪魔vs.潮崎豪(30分時間切れ)(4/10/15)
D世界タッグ王座戦:エクシード(潮崎豪、宮原健人)(ch)vs.バーニング・ワイルド(秋山準、大森隆男)(8/29/15)
ERWTL公式戦:宮原健斗、諏訪魔vs.ビッグ・ガンズ(ボディガード、ゼウス)(12/6/15)
FRWTL決勝:宮原健斗、諏訪魔(優勝!)vs.ビッグ・ガンズ(ボディガード、ゼウス)(12/6/15)