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全日本プロレス:Best of AJPW 2013 part.2:Suwama vs. Shiozakiの分析


名勝負 なし
好勝負 世界タッグ王座戦:秋山準、潮崎豪(ch)vs.諏訪魔、ジョー・ドーリング(6/2/13)

3本勝負:諏訪魔vs.潮崎豪(7/14/13)

三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.潮崎豪(8/25/13)

@CC公式戦:諏訪魔vs.潮崎豪(4/18/13)
 諏訪魔を前にすると潮崎は細く見えますね。
 潮崎は静けさの間を持ってくるも後乗せの感は否めない。
 序盤から多彩なアクションを入れ込んだのは良いですね。
 ただロープ越しにスリーパーを食らって潮崎が落ちるというのはどうか。
 潮崎をもっと同等に位置づけたほうが
 この試合だけに限らず良い感じはしますね。
 チョップ一本では先ほどのシーンを挽回するに弱い。
 諏訪魔が緩急を作り徐々にのっていきます。
 両者のハードなバンプ、
 気合をこめた一発の見せ方で最後まで盛り上げました。
 全日のトップ・マッチであるべきという所からすると
 もう1段上であるべきだが素晴らしい試合。
 好勝負に少し届かず。

A世界タッグ王座戦:秋山準、潮崎豪(ch)vs.諏訪魔、ジョー・ドーリング(6/2/13)
 試合開始早々、秋山と諏訪魔が感情をぶつけあいます。
 続いて潮崎のチョップですが、
 ドーリングには身じろぎしない受けで耐えられるも、
 諏訪魔には打ち勝つという位置づけに設定されることで
 対戦相手を代える中で微妙な匙加減を行う仕掛けに仕立て上げています。
 場外戦後、セコンド攻撃によって全日側の支配権拡大。
 場外でドーリングが潮崎にチョーク・スラムを決めて半ば脱落させると
 リングでは秋山の腰を強烈に攻めて強さをアピール。
 ただ潮崎がエプロンにすら上がれない状況なのですから
 もっとこのシーンで決めるという印象を与えたかったですね。
 別に普通にセコンドにいる時の攻めと変わらないといえば変わりません。
 潮崎の天敵としてドーリングを位置づけられた中で
 戦略的にマッチアップを実現させて
 その流れで自然と諏訪魔vs.潮崎のエース対決で白熱させました。
 最後まで素晴らしい攻防をやってのけました。
 文句なしに好勝負。

B3本勝負:諏訪魔vs.潮崎豪(7/14/13)
 序盤は一般的な形ではあるものの
 ヘッド・ロックを締め上げている様子で諏訪魔の圧力を見せたり、
 潮崎のちょっとした体格の細さを暗に印象付けたりと
 細かい芸が利いている力強いスタート。
 諏訪魔がコーナー上の潮崎を突き落とし主導権を握ると腹攻め。
 潮崎が見事なセルで
 みぞおちが本来意味する他にも勝る痛みを表現しています。
 ただこれなら腹攻めで1本目をまとめても良かった。
 潮崎の反撃は目を引かず、
 攻防を行うために無駄に散らしている印象もありました。
 
 2本目。
 引き続き潮崎は劣勢からのスタートということで
 必死さを出して観客の一体感をまして行きます。
 1本目の終盤では散逸な所もありましたが、
 技の攻防は1本目よりも精度を増しています。
 スリーパーで潮崎が落ちて
 そのまま10カウントになりそうだったものの
 諏訪魔が敢えて起こして続行。
 そこから潮崎が逆転劇を呼び込む形ですね。
 ただ対等なライバル関係ならまだしも
 今回は腹攻め、スリーパーによって
 思い切って立場を差別化してきただけに
 その逆転の仕方はもっと良い方法があったかもしれない。

 3本目。
 全日らしい死闘感が出てきましたね。
 潮崎の抑揚を持たせたチョップでの動作的表現、
 打ち合いが奏でるリズムによりお膳立てすると
 潮崎が身を省みないトペ。
 一気に会場を爆発させ、
 後はアドレナリンを出しての攻防で全てを集約させました。
 各本目の決め方には改善の余地を感じるものの
 3本勝負の構成は中々のものだし、
 全日の伝統的な全力ファイトを見られたので
 まずは最高の再出発と評価しても構わないでしょう。
 文句なしに好勝負。

C世界タッグ王座戦:潮崎豪、秋山準(ch)vs.諏訪魔、大森隆男(8/17/13)
 潮崎と諏訪魔が激しい打撃の打ち合いで火花をバチバチ。
 大森と秋山も同期対決ということで火花を散らしているものの
 こちらはややブサイクで方向性が散漫になる恐れにもつながっている。
 潮崎らの合体技を諏訪魔が逆に投げると
 大森が潮崎を柵にぶつけてダウンさせます。
 潮崎がダウンで魅せ、大森が必要な緩さを出しつつ、
 後は適切なロープ・ワークで試合を引き締めます。
 後半にかけてのタッグならではのシーンは諏訪魔のアピール中心で
 他がもっと主張して欲しかったところです。
 最後に大森が押し上げてきましたけどね。
 中々良い試合。

D三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.潮崎豪(8/25/13)
 序盤は複雑なことをせず一歩一歩進める構え。
 ロング・マッチだからとこういうスタンスしかない、
 と思い込むのは余り良くありませんが
 少なくとも上回りながら相手を下げない良い形で進められている。
 爆発的なことはしないものの感情や連打の調整で緩急をつけ
 ぶれずに試合を高めていきました。
 エプロン際の攻防から諏訪魔がスリーパーに捉え主導権を握ります。
 潮崎の耐え姿の見せ方、
 諏訪間の打撃の使い分けでの応対、
 共にうまくストーリーを奏でています。
 ただ潮崎は反撃の予感、高鳴りをもう少し感じさせたいところ。
 その場単体での小さな反撃にしかなっていない部分があります。
 エプロンでのラリアットから潮崎のターン。
 その後諏訪魔が腹攻めで反撃。
 ここでのテンポの増し方は見事で、
 尚且つエネルギッシュな印象を作り出しました。
 潮崎も鼻から流血しながらも応戦し、
 全日伝統の総力戦、ごつごつとした攻め合いに突入します。
 新日とは見せ方の違う気合の使い方で盛り上げましたね。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/?/13)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@CC公式戦:諏訪魔vs.潮崎豪(4/18/13)
A世界タッグ王座戦:秋山準、潮崎豪(ch)vs.諏訪魔、ジョー・ドーリング(6/2/13)
B3本勝負:諏訪魔vs.潮崎豪(2-1)(7/14/13)
C世界タッグ王座戦:潮崎豪、秋山準(ch)vs.諏訪魔、大森隆男(8/17/13)
D三冠王座戦:諏訪魔(ch)vs.潮崎豪(8/25/13)