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全日本プロレス:Best of AJPW 2000の分析


名勝負 三沢光晴vs.秋山準(2/27/00)
好勝負 CC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(3/31/00)

@三沢光晴vs.馳浩(1/9/00)
 ねちっこいグラウンド。
 馳が優勢なターンが長いですね。

 馳の魅力を引き出しているし、
 馳は既に議員との二足の草鞋で無理が出来ない事情もあるでしょうが、
 それにしても過剰なバランスに思えますね。

 三沢がホームなので負けないだろうという共通認識あるとはいえ、
 ここまで偏らせてまでその価値があるのか。
 当時の世相、勝負論の価値観的にはそういう所もあるかなと思いつつも。
 
 攻め手でサブミッションをかけ続けている馳も消耗するプロレス。

 三沢がエルボーを解き放った後も、
 とことんアーム・バー地獄に持ち込みます。

 ただ、ここまでやっても三沢はエルボー。
 そのエルボーは攻められている腕で放っている訳で…。
 身を切って攻撃するという一言で済ませれる話ではないですね。

 最後こそげ落とすようにエルボーでKOするフィニッシュは壮絶感あるし、
 特殊なシチュエーションだから良いですが、やり過ぎはやり過ぎ。

 好勝負に少し届かず。

A三沢光晴vs.秋山準(2/27/00)
 秋山が早々に仕掛けるも、三沢がかわして勢いよく攻め。
 序盤から迫力のある掴みでしたね。

 細かなせめぎ合いのエルボーにも殺気がこもっている。
 
 反撃した秋山が首攻め。
 首への打撃に裏拳を使ったり、
 追い込みに場外パイル・ドライバーだけで終わらせず
 エプロンでエクスプロイダーを重ねたりと
 とにかく尋常ならざる攻めが繰り広げられます。

 ここまでの強度を本当に保てるのか半信半疑でしたが、双方ハードな攻めが続きます。
 一方で秋山の構築、空間意識も飛び切りで犠牲になっておらず圧巻です。

 終盤もノー・セルの打ち合いという一言で済ませるには
 余りにも一発一発の技が重く、鋭く、プロレスラーの凄みを突きつけます。

 秋山の初三沢超えという結果にふさわしい内容です。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:3/?/21)

BCC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(3/31/00)
 20回目のシングル戦。
 手を掴んでチョップ、エルボーを打ちあう
 単純な出だしを取っているものの
 打撃の強度コントロールが素晴らしいですね。
 
 要所では川田がデンジャラスな攻めで追い込みます。
 細かなせめぎ合いと大きな構成がしっかり並走しているのは見事。
 顔に打撃が入るようなアクシデントも織り込み済みなのが
 四天王プロレスの異常さですね。

 ダウン〜ふらつきまで打撃の受けを調整・選択しながら
 終盤に向けてラッシュで大きな盛り上がり。
 15分というこれまでにない長くない試合時間でしたが、しっかり詰め込んできました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/?/20)

CCC準決勝:小橋健太vs.三沢光晴(4/11/00)
 チョップ/エルボーが調整打撃で
 彼らにしては少し軽い位置づけになっているのが気になりますね。

 ただ、三沢がいつもと違う攻めを見せていること自体は良いですね。
 小橋も柵攻撃に拘ったりと変則により
 ライバリティを改めて描いています。

 数え歌なので攻防は上手くいっていて
 ビッグ・スポットもシチュエーションにふさわしいものを用意している。

 しかし表現的な受け身、間が技と不一致を起こしている感は否めない。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/20)

D世界タッグ王者決定トーナメント1回戦:川田利明、田上明vs.ジョニー・エース、マイク・バートン(6/9/00)
 川田と田上が速攻でリングを掌握。
 多少の反撃をものともせずエースに断崖式喉輪落し。
 強烈な勢いを感じさせる攻めで圧倒されますね。

 エース、バートンのタッグ・レベルは田上、川田のそれに至らないし、
 バートンは単体で見ても荒削りですが、
 なんだかんだ形に持っていけるのがガイジン・パワー。

 田上がドゥームズ・デイ・デバイスを食らって
 テーピングを受ける為に一時離脱という展開が熱かった。

 田上がそこまでホット・タッグせず
 エース、バートンもテーピング箇所を攻める訳ではないので、
 その後の活かし方が中途半端でしたが、
 熱戦に仕上げるべくニア・フォール量は十分量用意されていました。

 中々良い試合。
 (執筆日:6/?/21)

E渕正信vs.川田利明(7/1/00)
 四天王が成長したトリオ・マッチを
 支えていたのが鶴田であり、この渕でしたね。
 その対決。

 川田が圧倒的打撃。
 渕が足使って受け、のけぞって表現しながら受け、徹底的に受け・受け・受け。
 
 川田は意地張る渕、46歳をハードな打撃でなぎ倒すと
 ねちっこいグラウンドで追い込んで、と攻め・攻め・攻め。

 終盤バック・ドロップ連打でわずかな渕の反撃もありますが、
 最後まで川田が圧倒的であり続け、
 渕が耐え続けて成立させた歪な22分タフ・マッチ。
 記憶に残る試合でしたね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:5/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@三沢光晴vs.馳浩(1/9/00)
A三沢光晴vs.秋山準(2/27/00)
BCC1回戦:三沢光晴vs.川田利明(3/31/00)
CCC準決勝:小橋健太vs.三沢光晴(4/11/00)
D世界タッグ王者決定トーナメント1回戦:川田利明、田上明vs.ジョニー・エース、マイク・バートン(6/9/00)
E渕正信vs.川田利明(7/1/00)