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JWP:Best of JWP 1993の分析


名勝負 ダイナマイト関西、尾崎魔弓vs.堀田祐美子、井上貴子(1/15/93)

デビル雅美vs.ブル中野(4/18/93)
好勝負 みなみ鈴香、伊藤薫vs.デビル雅美、キャンディー奥津(7/31/93)

@ダイナマイト関西、尾崎魔弓vs.堀田祐美子、井上貴子(1/15/93)
 JWP対AJWの対抗戦。
 
 タッチして交代したレスラーがリングに入ってくるスピード。
 そう言うところにまで行き届いた攻撃性。

 関西と堀田。
 強烈なハード・ヒッターが火花を散らし、
 尾崎、貴子は孤立役で魅力的な存在感を示し、
 攻め手の最大限の攻めを引き出していく。

 セコンド同士も乱戦になったり椅子攻撃があったりと
 対抗戦ならではの荒れ模様の演出も良いですね。

 シーンごとの濃度も相当高い上に、、
 孤立をベースにしたタッグの神髄を活かした構成もダイナミックで、
 足し算も掛け算も実に上手くいっています。

 終盤の控えも混じった執念の攻防は素晴らしかった。
 タッチ・ワークだけ少し丁寧さに欠けましたが、
 壮絶な30分試合の幕引きでした。

 文句なしに名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

Aデビル雅美vs.ブル中野(4/18/93)
 一周年記念大会メイン。
 最初から迫力ある激突を見せます。
 ブルは次の行動が余り見えていませんが
 その分デビルが先に動いて種を撒き、
 同時に自分の体格のでかさを印象付ける技も打っていく。
 グラウンド・ベースで長時間の試合になると感じさせる試合は
 デビルが場外パワー・ボム決めて大きく展開。
 これでごっそりHPを奪われた状態の表現につなげています。
 衰えの見えるブルはヌンチャクに頼っていますが
 それによってしっかりと自分の支配ターンにつなげます。
 そこから通常ならぬ感情を感じさせる間、えぐいサブミッションで盛り上げていきます。
 リアリティーのある大技と必殺技によって
 終盤、更にその上をいくクライマックスを実現させました。
 ブルのキャリア・ベストといえる37分の試合。
 ぎりぎり名勝負です。
 (執筆日:2/?/12)

B井上貴子vs.尾崎魔弓(6/20/93)
 尾崎の仕掛けを貴子がツームストンで切ると
 見せ方の伴った厳しい攻めを見せます。

 場外で間を置いて戻ってきた尾崎にもう一度ツームストン。
 この見せ方は素晴らしいし、
 尾崎の受けっぷりもお見事でした。

 ただ受けるだけでなく、変化付の意識もありました。

 尾崎が貴子と渡り合うに足りないところを
 上手く場外ラフ・ファイトで補って後半戦。

 技を決め合うのではなく、
 技を自爆させ合うような形でせめぎ合いだったのが面白かったですね。
 
 貴子のスタンスが尾崎の奮闘に合わせてもう少し変化させると尚ベター。
 試合時間がやや長くて硬直感が見られたのも確かですからね。

 充実していた内容ですが、もう一歩踏み込めたはずです。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:6/?/21)

Cみなみ鈴香、伊藤薫vs.デビル雅美、キャンディー奥津(7/31/93)
 デビルが簡単に打ち合いに応じず自分のパワフルさをアピール。
 奥津を武器にする連携技もユニークですね。
 奥津は武器に使われているだけで彼女自身はいまいち。 
 しかし逡巡したりするリアルな欠点こそが
 デビルを除外している内に弱点である奥津をしとめようという
 定石の戦略に素晴らしいストーリーを生み出している。
 対する伊藤は純な頑張りが光ります。
 みなみはいつもながら的確な攻めで感心しました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:2/?/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ダイナマイト関西、尾崎魔弓vs.堀田祐美子、井上貴子(1/15/93)
Aデビル雅美vs.ブル中野(4/18/93)
B井上貴子vs.尾崎魔弓(6/20/93)
Cみなみ鈴香、伊藤薫vs.デビル雅美、キャンディー奥津(7/31/93)