TOP女子プロレスIce Ribbon →ChocoPro:Best of ChocoPro Season One 2020

ChocoPro:Best of ChocoPro Season One 2020の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@ラスト・マン・スタンディング:藤田ミノルvs.水森由菜(ChocoPro #11 5/5/20)
 市ヶ谷チョコレート広場のテナント内に
 マットを敷いてYoutube配信ベースで行われるプロレスです。
 
 縄跳びで鞭打ちしたり、
 霞み窓越しに戦って見せたりと
 チョコプロならではのファン要素で楽しませてくれますね。
 ラスト・マン・スタンディングという形式も
 こういうネタと親和性があります。

 一方で後半はシリアスに。
 水森は重量があるのでダウン・カウント取れる攻めになっていますね。

 とはいえ藤田の方が今体重増えてしまっているので、
 男女の壁は依然として高く、
 本気で勝利すると信じさせるには足りず。

 藤田がスポ根的見せ方で上手くとりなしているので、
 結果的に30分にも及びましたが、少し長すぎるか。

 只生中継ならともかくWatching Party形式
 (視聴者と一緒にさくら、メイ、アッキ)ならばダレはしない。

 平均的な良試合。

A藤田ミノルvs.駿河メイ(ChocoPro #14 5/17/20)
 メイが翻弄するも藤田が体重差で押し切る。
 その構図で行きたい所ですが、
 中途半端に終えてオーソドックスなレスリングに繋げざるを得ないのが辛い。

 ただ窓枠や扇風機等の物を使って
 ソフトコアに楽しませてくれましたね。
 さくらえみやアッキが背景として加わったのも
 その雰囲気感を高めてくれました。

 終盤もクイックを存分に活かしてニア・フォールを演出。
 今は体重増えていますがJr.の一線でやっていた藤田なので
 しっかり攻防をこなしていましたね。

 平均的な良試合。

B朱崇花vs.駿河メイ(ChocoPro #16 5/23/20)
 朱崇花が相手を舐めて翻弄されかけるも
 身体能力、パワーで主導権を渡さず。
 芸達者な表情、仕草でコミカルに楽しませてくれましたね。

 そして老け顔と言われた所からシフト・チェンジし怖さを表現。
 攻めの見せ方が素晴らしく、
 コミカルからシリアスへ断続的にでなくスムーズに連ねて見せたのはお見事。

 安易に格差を妥協して譲らず
 ストーリー性がしっかりした試合となっています。

 メイも受けきった上で勢いある攻め。
 滑車を使ったラナは面白かったですね。

 サブミッションの見せ方が双方良く、
 メイは実力差をひっくり返しうる技として
 朱崇花はメイの気持ちを折る技として使いこなしていた。

 そして残り3分はIce Ribbon時代からさくらえみが推進している
 クイック連打の演出で十二分に最後まで盛り上げてくれました。

 好勝負に少し届かず。

C30分アイアン・マン・マッチ:水森由菜vs.駿河メイ(ChocoPro #17 5/27/20)
 (30分経過時に同点の場合はそのままサドンデス突入)
 グラウンド・レスリングを取り交わした後、
 水森がパワーを見せ、駿河がスピードを見せてセットアップ。
 
 とはいえスタイル・クラッシュという程貫かれていません。
 それは評価を下げるポイントです。

 一方で表裏一体で良いことはどこまでも等身大であることです。

 水森がカメラ・アピールをしている際に
 駿河に不意打ちドロップ・キックを食らいカメラ・マンも倒れるシーンは
 「カメラを止めるな」的なワンカット演出。

 アメリカのメジャーで起きている映像プロレスの真逆を行く
 日本のどインディーのリアル感が素晴らしいですね。

 12分経過してで打撃の打ち合い開始。
 通常のアイアン・マン・マッチであればもう少し時間を稼ぎたい所ですが、
 ChocoProなのでトイレに閉じ込めたり、屋外に締め出したりと
 ネタで時間を費やせるのでこの時間配分は絶妙です。

 他のネタとしてはメイが丸椅子で水森のタックルをガードするという闘牛的なシーンがありますね。

 ネタといっていますが、勝敗と完全に乖離したネタまではしない
 線引きが出来ているのは好感が持てますね。
 こういうネタ出しをしていると
 面白さ、笑いを取るためにエスカレートして
 本題の試合を根幹を毀損するものを混ぜてしまうのは良くあることですから。

 終盤も泥臭くも水森の固有ムーブと
 さくらえみ印の丸め込み多用で盛り上がりました。

 "等身大であること"、そして
 "パフォーマンスと努力が等価ではなく、後者に比重がある"、
 どインディーらしい試合ですが、
 上記のポイントや試合時間が30分5秒という所に
 非凡なセンスを感じさせて小さな枠組みに収まらない
 特別な試合と呼ばせることに成功している。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:8/?/20)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ラスト・マン・スタンディング:藤田ミノルvs.水森由菜(30分時間切れ)(ChocoPro #11 5/5/20)
A藤田ミノルvs.駿河メイ(ChocoPro #14 5/17/20)
B朱崇花vs.駿河メイ(ChocoPro #16 5/23/20)
C30分アイアン・マン・マッチ:水森由菜vs.駿河メイ(4-3)(ChocoPro #17 5/27/20)