TOP女子プロレス全日本女子プロレス その他→全日本女子プロレス:Toyota Manami Volume.2 Disc 1

全日本女子プロレス:Toyota Manami Volume.2 Disc 1の分析


名勝負 準決勝:北斗晶vs.豊田真奈美(8/21/93)
好勝負 キャプテン・フォール・マッチ:井上京子(c)、伊藤薫、長谷川咲恵、アジャ・コングvs.豊田真奈美(c)、山田敏代、下田美馬、三田英津子(9/5/93)

約2時間25分です。
Highspots製。

@準決勝:北斗晶vs.豊田真奈美(8/21/93)
一般的に身体能力の面において女性は男性より劣ると言われ
 時にそれは女子プロに興味が無い理由に挙げられるのだけれど
 この豊田は常識を覆してくれる。
 初っ端のクローズラインをいなして脇固めに捕らえるスポットからして
 そのスピード、瞬発力は男性含め他を寄せ付けないレベルにある。
 これで女子プロ特有の技のたたみかけをされたら絶賛するしかないね。
 史上最高且つ最も面白い女性レスラーは豊田に間違いない。
 一方の北斗だが彼女も素晴らしい。
 豊田を相手にしながらスピード・スタイルを基本における素養を持つし
 ここぞという所でラフを持ってくるセンスには唸らされる。
 終盤も必殺技の一撃性を保ちながら
 お互い良くぞここまで攻め抜いたという壮絶なレベルに到達させました。
 これは文句なしに名勝負ですね。
 (執筆日:?/?/08)

A堀田祐美子、豊田真奈美、長谷川咲恵vs.プラム麻理子、尾崎魔弓、福岡晶(JWP)(8/25/93)
 JWPの不意打ちからいきなりダイブ連続。
 全女らしい押せ押せの内容ですね。
 まさに豊田が最高に輝く舞台です。
 逆に言えば他の選手に豊田並みの緩急を持ってほしい所でしたがあれは簡単に真似できる物ではありませんからね。
 個々がしっかりオリジナルの魅力を持っていれば良いんです。
 堀田は重い技と繊細な積み上げでそれを満たしている。
 長谷川は対抗戦で成長したのは確かなのですが
 ロコモーション・スープレックスという連発スープレックスなど
 自らの意識によりトップへの仲間入りを阻害しているのが惜しいですね。
 尾崎は似たような連発技を使いますが
 彼女の場合は洗練された間とセンスで使うべきポイントを掴んできますからね。
 まったく自らを軽くするという事がない。
 福岡は問題なく良い仕事をしていましたが、試合運びはやや劣っている印象です。
 素晴らしい内容ながら中盤から一本調子になってしまった感があり、
 それをぶち抜いた終盤も面白い工夫を連携技に凝らしたAJW側にのみ大きく依存している所が不満です。
 好勝負に少し届かず。

Bキャプテン・フォール・マッチ:井上京子(c)、伊藤薫、長谷川咲恵、アジャ・コングvs.豊田真奈美(c)、山田敏代、下田美馬、三田英津子(9/5/93)
 対抗戦によって新しく加わった要素がみちのくプロレスばりの連携。
 この試合では独創性、完成度共に高いレベルを誇る複数人スポットが潤沢に使われています。
 介入から同時技、連携技などなど。
 しかも乱れは起きず、規律はしっかり守られている所が驚異的です。
 途中から複数人スポット数が落ち、
 豊田、山田が数の差をつけられた状況というのが主軸になったのが惜しいですね。
 豊田、山田のタッグはスポット的に個よりもタッグが下にありますし、
 1対1にならずキャプテン・フォール・ルールで締めましたが全女ならフィニッシュまでの技量が足りないように見えます。
 しかし元が名勝負レベルだっただけに多少落ちても好勝負のランクに入る。
 キャプテンという立場を地味に伏線に活かしたり、場外乱闘を挟んだり構成自体は素晴しい物がありました。
 個では早めに脱落してしまいましたが、バイソン化していた三田が良かったですね。
 文句なしに好勝負。

C豊田真奈美、チャパリータASARI vs.渡辺智子、伊藤薫(9/29/93)
 北斗の欠場により豊田がこの面子とやることに。
 楽な相手ですが豊田は普段よりも考えているプロレスを行っている。
 ASARIを放任して成長を促し、攻めでは譲れない部分を除いては受けに回っている。
 渡辺、伊藤はスタイルが固まった事で攻めの鋭さが落ちませんね。
 決着へと持っていく術が限られているがこの試合はチャパリータを追い込む事で目玉になっているので大きな問題ではない。
 チャンスを与えられたチャパリータですが良い働きを見せていたとは言えませんね。
 それを許容させるストーリーではありましたが、
 お膳立てされた最後のムーンサルトで目測を見誤ったのは致命的なミスです。
 側転からのカンガルー・キックのように技をちゃんと決めれば一応盛り上がれる準備が出来ていたのに勿体無い。
 平均より少し上。

D豊田真奈美vs.尾崎まゆみ(10/9/93)
 序盤のグラウンド。
 サブミッションをかけながら打撃を挟み火花を散らします。
 ただ2人の組み合わせ方は改善の余地あり。
 尾崎がシングルで構築するにはそこを突き詰めていく必要がある。
 場外でジャーマンなんかやってる場合じゃないですね。
 無茶をする前に工夫を凝らすべきです。
 悪い意味で対等になっている部分がありましたが
 クライマックスに入る前に上手く尾崎コールを起こしましたね。
 これで観客は一気に集中してジャパニーズ・オーシャン・サイクロンの攻防を迎える事になりました。
 しかし上記のようにこの2人の構築の可能性を考えると
 ここに詰め込むのではなく技の切り返し合いを要所に散らして積み上げていくべきでした。
 素晴しい試合ですがタッグでの激突に比べると見劣りする。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

 (執筆日:2/12/11)  
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

@準決勝:北斗晶vs.豊田真奈美(8/21/93)

  豊田がいきなりドロップ・キック。
  2発。3発。
  ロープに振り4発目を狙う。
  北斗はロープを掴んで自爆させると蹴りつける。
  ロープにぶつけクローズラインへ。
  豊田がいなして脇固めに捕らえる。
  ロープに逃れられるやすぐ離し蹴り落とす。
  ロープに走るとトップ・ロープに座ってのムーンサルトを狙う。
  北斗がエプロンに上がり豊田の体勢を崩す。
  逆さ吊りになった所で締め上げる。
  レフェリーが引き離し豊田をロープから外す。
  豊田が場外で間を置いてリングに戻る。
  北斗が組むと見せかけ蹴りつけるとパイル・ドライバー。
  ロメロ・スペシャルに捕らえる。
  ドラゴン・スリーパーに移行。
  髪を引っ張り締め上げる。
  ロープに振るとクロス・チョップ。
  バック・ドロップを決めカバー。カウント1。
  ボストン・クラブ。
  豊田をロープに振る。
  豊田はセカンド・ロープからクロス・ボディ。
  続けてコーナーのセカンド・ロープからドロップ・キック。
  2発。3発。
  カバーするもカウント2。
  レッグ・ロック。
  北斗がロープに逃げる。
  豊田は北斗の脚をロープに引っかけ蹴りつける。
  脚を攻める。
  ロメロ・スペシャルを決めカバーに持って行くもカウント2。
  エプロンに転がり出た北斗の脚をロープに乗せ踏みつける。
  北斗が場外へ。
  時間をおいてからリングに戻るが
  戻るなり豊田が襲いかかりレッグ・ロック。
  ロープに振る。
  股下を通り抜けようとした北斗を踏みつけバック・ドロップを狙う。
  北斗は振りほどくと脚を取ってダウンさせキャメル・クラッチ。
  ロープに振ると仕掛けてきた所を逆にパワー・ボム。カウント2。
  ノーザンライト・ボムを狙う。
  豊田は後ろに逃れるとローリング・クレイドル。カウントは2。
  ロープ際の北斗にドロップ・キックを狙う。
  しかし避けられそのまま場外に転落。
  北斗がすかさずコーナー上からトペ・アトミコ。
  パイル・ドライバーも決める。
  マットのない場所でもう1発。
  テーブルに振る。
  豊田は飛び乗ると振り返り際にクロス・ボディ。
  トペ・スイシーダにムーンサルトを決める。
  もう1発。
  リングに戻りアピール。
  戻ってきた北斗にボディ・スラムを決めるとムーンサルト。カウント2。
  オーシャン・サイクロンを狙う。
  北斗がヴィクトリー・ロールに切り返すもカウントは2。
  北斗がラリアットへ。
  豊田は避けるとタイガー・スープレックス。カウントは2。
  ロープに振ろうとする。
  北斗は防ぐとレッグ・ロック・ジャーマン。カウント2。
  ミサイル・キックを決めカバー。カウント2。
  ノーザンライト・ボムを狙う。
  豊田が逃れると同時にクロス・アーム・ジャーマン。カウント2。
  ボディ・スラムからムーンサルトへ。
  北斗が蹴り上げ迎撃。
  ノーザンライト・ボムを決め1,2,3!
  北斗の勝利!


 Bキャプテン・フォール・マッチ:井上京子(c)、伊藤薫、長谷川咲恵、アジャ・コングvs.豊田真奈美(c)、山田敏代、下田美馬、三田英津子

  京子側がいきなりけりかかり持ち上げるとコーナーに逆さつりにする。
  アジャが4人それぞれにボディ・アタック。
  長谷川が三田にバック・ドロップ。
  ロープに振ろうとする。
  三田が振り返しクローズラインへ。
  よけられるも張り手。
  ロープに振り張り手。
  エレクトリック・チェアー。
  下田、豊田、山田とダイビング・ボディ・プレス。
  三田がカバー。カウント2。
  下田がロープにぶつけようとする。
  長谷川は防ぐと自陣にぶつける。
  伊藤がロープに振りドロップ・キック。
  2発。
  3発。
  髪を掴み振り飛ばす。
  丸め込まれるも腕を取り京子にタッチ。
  京子がドロップ・キック。
  吹っ飛び交代した山田を押さえつける。
  他3人がドロップ・キックを交代で決める。
  京子がアルゼンチンから前に投げる。
  長谷川がロープへのスリング・ショット。
  スリング・ショットからアジャがクローズラインを合体。カウント2。
  スリング・ショットから京子がモンゴリアン・チョップ。カウント2。
  アジャがハーフ・ボストン・クラブ。
  山田がロープを掴む。
  4人で山田を打ち上げマットに叩きつける。
  アジャが滞空式ボディ・スラム。
  エルボー・ドロップ。カウント2。
  チン・ロック。背中に蹴り。 
  長谷川がロープに振る。
  山田が蹴り飛ばす。
  控え3人にエルボー。
  長谷川に蹴り。
  豊田がロープに振りドロップ・キック。
  ロープに走り2発、3発。
  押さえつけると下田、三田、山田がセカンド・ロープから3連発。
  自分も決める。
  アジャが代わりに出てくる。
  アジャが力比べを求めながらすかす。
  豊田がタックルから噛み付き。
  アジャをロープに振ると4人同時ドロップ・キックを狙う。
  アジャはかわして自爆させると豊田をロープに振りボディ・アタック。
  もう1発。
  カバー。ロープ・ブレイク。
  京子が豊田をロープに振る。
  豊田が一回転してサンセット・フリップ。カウント2。
  振られた京子がセカンド・ロープからドロップ・キック。
  控えが控えを押さえる中京子がダイビング・バック・エルボー・ドロップへ。
  しかしよけられ自爆。
  豊田側が相手の控えを落としコーナー上へ。
  4人同時にダイビング・ヘッド・バッド。
  三田がカバーするも長谷川がカット。
  三田が担ぐ。
  京子が逃れクローズライン。
  ボディ・スラム。
  コーナーを駆け上がるも豊田が脚を掴む。
  三田がセカンド・ロープからエレクトリック・チェアー。
  カットを防ぐもカウント2。
  肩車しようとする。
  京子が逃れジャーマン。
  カットを防いでカウント3。
  三田脱落。
  下田が京子を振りネック・ブリーカー・ドロップ。
  もう1発。カウント2。
  山田が京子をコーナーに振りクローズライン。
  スナップ・スープレックス。
  頭にかけレッグ・ロック。
  振り回す。カウント2。
  下田がセカンド・ロープからドロップ・キック。
  吹っ飛び交代。
  下田、豊田が伊藤をロープに振りドロップ・キック。
  ドロップ・キック挟み撃ち。
  下田がブレーン・バスターからカバー。カウント2。
  ボストン・クラブ。
  ロープ・ブレイク。
  豊田が伊藤をロープに振りドロップ・キック。
  ダブル・アーム・スープレックス。カウント2。
  ロープに振る。
  伊藤がサンセット・フリップ。
  カウント2で返されるもタッチ。
  アジャが張り手連打。
  ロープに振ると京子とフライング・ショルダー・タックル。カウント2。
  ロープに振り打ち上げる。
  豊田がドロップ・キック。
  セカンド・ロープからも決める。カウント2。
  ロープに振る。
  アジャがボディ・アタック。
  場外に連れ出す。
  邪魔した山田に掴みかかる。
  他も乱れ場外乱闘。
  三田も参加するがアジャに椅子にぶつけられる。
  アジャが山田を椅子にぶつけ椅子を叩きつける。
  リングに戻る。
  豊田がけりかかると同時に下田が羽交い絞め。
  豊田がドロップ・キック。
  もう1発狙う。
  アジャがかわしパイル・ドライバー。カウント2。
  京子が豊田をコーナーに振る。
  セカンド・ロープからのドロップ・キックをかわすとジャイアント・スイング。
  長谷川がロコモーション・ダブル・アーム。
  5連発。
  アジャがダイビング・ボディ・プレスにつなげる。カウント2。
  ロープに振る。
  サンセット・フリップにきた豊田にヒップ・ドロップを狙う。
  豊田がかわしタッチ。
  山田、下田がアジャをロープに振るもアジャがまとめてクロス・ボディ。
  山田をコーナーに振りボディ・アタック。
  アジャが打ち上げてのドロップ・キックを3連続。
  ロープに振りパワー・スラム。カウント2でカット。
  ロープに振る。
  山田がフライング・キック。
  ロープに振り延髄切りへ。
  アジャがガードしタッチ。
  長谷川がロープに走りソバット。
  3連発からエクスプロイダー。カウントは2。
  もう1発狙う。
  山田が巻き込み防いでタッチ。
  長谷川が下田にチョーク・スラム。
  下田は長谷川、伊藤にロープに振られるもネック・ブリーカー・ドロップ。
  長谷川のソバットをかわすとタイガー・スープレックスでカウント3。
  すぐに伊藤が下田を丸め込みカウント3。
  長谷川、下田が脱落。
  豊田が伊藤をロープに振る。
  伊藤がフライング・ヒップ・アタック。
  もう1発。カウント2。
  セカンド・ロープからセントーン。
  スナップ・スープレックス。カウント2。
  京子が振り返されるもセカンド・ロープからバック・エルボー。
  ロメロ・スペシャル。
  豊田は伊藤のクローズラインをかわすとローリング・クレイドル。カウント2。
  山田とロープに振りサイド・スラム。カウント2。
  山田がコーナーに振りビッグ・ブーツへ。
  伊藤がかわし丸め込む。カウント2。
  アジャ、京子がロープに振り持ち上げる。
  逃れられたのでクローズラインへ。
  かわしてロープに走った山田を伊藤が押さえつける。
  アジャ、京子が蹴りかかるもかわされ誤爆。
  山田、豊田がアジャ、京子をけりだす。
  豊田がムーンサルト。
  京子をリングに戻す。
  山田がバック・ドロップでカバー。カウント2。
  コーナー上へ。
  伊藤が邪魔して落とす。
  京子がコーナーを駆け上がりダイビング・バック・エルボー。カウント2。
  アジャがセカンド・ロープからボディ・プレスにいくも自爆。
  豊田がセカンド・ロープから飛ぶ。
  キャッチされるも山田が押して倒す。
  ロープに振る。
  アジャのクロス・ボディをかわすと2人でサンセット・フリップへ。
  アジャがヒップ・ドロップ。カウント2。
  伊藤が豊田にダブル・ストンプ。
  山田も横に並べてダブル・ストンプ連打。
  コーナー上から山田にダイビング・ダブル・ストンプを狙う。
  かわされるもアジャがアジャ缶を叩きつける。
  伊藤がダイビング・ダブル・ストンプを決めカバーするも豊田がカット。
  伊藤が山田を押さえつける。
  アジャが裏拳にいくもかわされ誤爆。
  豊田が京子にクロス・ボディを狙う。
  かわされるも山田が蹴り倒す。
  京子に2人で雪崩式バック・ドロップ。
  カバーするもカウント3ぎりぎりで返される。
  山田が相手をリングに上がらせない。
  豊田がジャパニーズ・オーシャン・サイクロンを決め逆転勝利。
  キャプテンの京子からフォールを奪い豊田組の勝利。

試合結果

@準決勝:北斗晶vs.豊田真奈美(8/21/93)
A堀田祐美子、豊田真奈美、長谷川咲恵vs.プラム麻理子、尾崎魔弓、福岡晶(JWP)
Bキャプテン・フォール・マッチ:井上京子(c)、伊藤薫、長谷川咲恵、アジャ・コングvs.豊田真奈美(c)、山田敏代、下田美馬、三田英津子
C豊田真奈美、チャパリータASARI vs.渡辺智子、伊藤薫(9/29/93)
D豊田真奈美vs.尾崎まゆみ(10/9/93)