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全日本女子プロレス:Best of AJW 1993の分析


名勝負 WWWAタッグ王座戦、3本勝負:豊田真奈美、山田敏代(ch)vs.ダイナマイト関西、尾崎まゆみ(4/21/93)

サバイバル・マッチ:北斗晶(c)、みなみ鈴香、三田英津子、下田美馬vs.ダイナマイト関西(c)、デビル雅美、尾崎魔弓、プラム麻里子(11/28/93)
好勝負 JGP公式戦:北斗晶vs.ハーレー斉藤(8/5/93)

@WWWAタッグ王座戦、3本勝負:豊田真奈美、山田敏代(ch)vs.ダイナマイト関西、尾崎まゆみ(4/21/93)
 この年から94年が女子プロ最後のブームの時期でしょうか。
 試合スタイルは四天王プロレスの亜種という感じですね。
 技術に裏打ちされながらハードな打撃と大技を打ち合うのは同じながら
 女子プロの特徴であるタッチ・ワークの曖昧さや
 気持ちをより全面に打ち出している点、スピード感が違いますね。
 この試合はそんな女子版四天王プロレスの頂点にランクされるであろう名勝負になりました。
 具体的に振り返るとまず1本目はわずか12秒で挑戦者が取ってしまいます。
 これは賭けでしたが見事成功し
 外敵(JWP)の尾崎、関西が王座を取ってしまうのではないか、と見る者は身を乗り出し
 いつ決まるか分からない、という緊張感を持つ事になります。
 こうなるともはやレールは敷かれました。
 上記のスタイルで疾走です。
 関西は容赦なく蹴りを顔にも繰り出すし
 山田はそれに耐え凌ぎ移入度をいっそう高める。
 そして豊田、尾崎は試合カンに優れ美しいムーブを繰り出します。
 (関西にロープに振られた豊田がセカンド・ロープに着地し、
 そこから場外の尾崎にムーンサルトをしたのとか驚異的です。)
 それぞれの色が必要な要素にジャストしている訳ですから
 試合は鰻上りで中盤でオーバー・ヒートしたかなと思うほど。
 これは歴史的な名勝負といっても良いでしょう。
 (執筆日:12/?/08)

AJGP公式戦:北斗晶vs.ハーレー斉藤(8/5/93)
 北斗が完璧な試合コントロール。

 斉藤の骨折した脇腹を狙い、
 斉藤に攻守をバトンタッチする為に分かりやすく構築的にも綺麗なポイント作りをし、
 また自身の攻めの抑制として膝の爆弾を活かします。

 ここまでフォローされれば斎藤は
 ポイントで綺麗に蹴りを放つだけで良いといっても過言ではありません。

 北斗のメイン・イベンターとしての責任感、技力に感心した試合でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/?/21)

Bイリミネーション・マッチ:ブル中野、みなみ鈴香、三田英津子、下田美馬、バット吉永vs.イーグル沢井、ハーレー斎藤、半田美希、大沢ゆかり、レオ北村(8/25/93)
 序盤にLLPW全員ダイブで花を持たせるも
 スキル的に全女とLLPWで差がありすぎです。

 レオとか特にひどいですね。
 使えない下三人を順当に脱落させ、
 唯一体格で存在感を示せるイーグルに三縦を実現させ活躍させる。
 順当な選択でしょうね。
 ただ幾らなんでも三田、下田の脱落させる
 フィニッシャーが雑に思えますが。

 イーグルとブル、バットとハーレー。
 同系レスラーなので
 盛り上がる形作りはできましたが、
 あくまで表面的なレベルで試合の印象を変えはしない。

 平均レベル。
 (執筆日:5/?/20)

Cサバイバル・マッチ:北斗晶(c)、みなみ鈴香、三田英津子、下田美馬vs.ダイナマイト関西(c)、デビル雅美、尾崎魔弓、プラム麻里子(11/28/93)
 イリミネーション制で、キャプテンの北斗、関西がフォールされると即決着、
 キャプテン以外の3人がフォールされても決着。
 残りキャプテン一人になってもダメという点で
 キャプテンズ・フォール・ルールとも少し違う形ですね。

 更にファースト・アタック・ルールということで
 最初はシングル4通りを5分ずつ限定で行う複雑なルールになっています。

 最初はデビルvs.みなみ。
 デビルのインパクトある攻めは素晴らしく、
 このファースト・アタックで脱落が起こり得ると信じさせる足るもの。
 みなみは犠牲者の役回りとはいえ能動性が足りず課題がありましたね。

 尾崎vs.下田。 
 髪を使い合うような感情的なやり取り。
 先ほどとは違う色合いで一進一退行います。

 プラムvs.三田。
 高さを活かした立体的攻防。
 ここもしっかり色分けが出来ていますね。
 少し後半は動きも落ちていましたが。
 
 最後はキャプテン対決の関西vs.北斗。
 殺伐とした空気を作ると関西が強烈なハード・ヒットに次ぐハード・ヒット。
 北斗が追い込まれピンチになるも丁度5分が経過しカットが間に合います。

 そのまま4vs.4に。
 4コーナー同時スーパープレックスで華々しく幕開け。
 ポイント、ポイントで多人数ならではのスポットが織り込まれていますね。

 北斗が復活してAJW組が勢いを増し4vs.2。
 関西を踏みつけ4人でポーズを取ったりと連携技抑えずやりたい放題。

 ブレーキをかけずに攻めを続けても
 勝負論を維持できるのは流石です。
 尾崎のタフっぷり、関西の破壊力が光りましたね。
 セコンドの働きも見事でした。

 冒頭で記載した通りキャプテンが残っても決着なので、
 もう少し北斗の戦う姿が見たかったという物足りなさはありますが、素晴らしい試合でした。

 ぎりぎり名勝負。 
 (執筆日:7/?/21)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@WWWAタッグ王座戦、3本勝負:豊田真奈美、山田敏代(ch)vs.ダイナマイト関西、尾崎まゆみ(新チャンピオン!)(2-1)(4/21/93)
AJGP公式戦:北斗晶vs.ハーレー斉藤(8/5/93)
Bイリミネーション・マッチ:ブル中野、みなみ鈴香、三田英津子、下田美馬、バット吉永vs.イーグル沢井、ハーレー斎藤、半田美希、大沢ゆかり、レオ北村(8/25/93)
Cサバイバル・マッチ:北斗晶(c)、みなみ鈴香、三田英津子、下田美馬vs.ダイナマイト関西(c)、デビル雅美、尾崎魔弓、プラム麻里子(11/28/93)