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アメプロ大賞2020投票I:小泉"ダーティ"次郎


■MVP
1位:ジョン・ウェイン・マードック
2位:ジョン・モクスリー
3位:ローマン・レインズ


候補として挙がってきたのはレインズ、オメガ、モクスリー、マードック、マッキンタイア。

どれも甲乙つけがたいですが、1番として選んだのはマードック。
既存のトップ・スターから上り調子の若手まで
あらゆるデス・マッチ・ファイターと身を削るファイトを
コンスタントに高い質で繰り広げ、コロナ前以上のデス・マッチ・シーンの盛り上がりを生み出しました。

2位はモクスリー。
トップ王者として彼がどんと構えてくれていたから
色々と挑戦できた所もあるでしょう。
年末にオメガに次のバトンを渡して役回りを終えた姿には、
1年間お疲れさまでした、と思わず言葉が零れ落ちました。

3位はレインズ。
他と比べると欠場期間が長かったものの
この賞のどこかには必ず入れたいと思わせるぐらいの確変ぶり。
この色気は他の誰にも出せないでしょう。
来年のMVP受賞を早くも期待しています。

ちなみに日本も含めると1位に潮崎が入ってきます。
GHC王座戦はどれも全力で見事な試合でしたし、
コントロバーシャルなvs.藤田含めバリエーションにも富んでいて
Noahを10数年前にあったポジションまで再浮上させた立役者であることは間違いありません。

一方で新日本プロレスは候補に弱い印象。
このコロナ禍でも名勝負・好勝負量産して業界の盟主はゆるぎないものの
トップの内藤がG1未参戦で、EVILとの凡戦数え歌の印象が強かったので。


■年間最高試合
@統一ブリティッシュ・ヘビー級王座戦:ザック・セイバー(ch)vs.ウィル・オスプレイ(RPW 2/14/20)
Aタッグ王座戦:ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ(ch)vs.ヤング・バックス(AEW 3/1/20)
BNXT UK王座戦:ウォルター(ch)vs.イルヤ・ドラグノフ(NXT UK 10/29/20)

1位は英国マットがコロナ禍、Speaking Outで崩壊する前に生まれたエピック・マッチ。
新日本プロレスで相当の試合を残した直後、
団体が違うとはいえ、得てして2試合目的な試合は
差別化を考えすぎてクオリティとしては抑制される傾向にありますが、
この試合はその試合を飛び越えてあらゆる要素で驚くべきレベルにありました。

2位はタッグのお手本。
タッグだからこその芳醇なアクション、そしてストーリー・テリング。
タッグとはシングルが4通り見れる以上のものであることを改めて実感させました。

3位はウォルターの死闘。
試合のレビューでも書きましたが、
2017年からMOTY級の死闘を毎年残していて、とんでもない化け物。
強くて弱い。絶妙な境地です。
2020年はNXT UKという孤島にいたのであれですが、
2018年のMVP時と同じく充実していて場さえ与えられればMVP争いに食い込んでくるでしょう。


日本も加えると下記でしょうかね。
MOTYで言えばコロナ禍の影響を感じさせない程候補は十分量揃っていた年だと思いますね。


@統一ブリティッシュ・ヘビー級王座戦:ザック・セイバー(ch)vs.ウィル・オスプレイ(RPW 2/14/20)
AG1公式戦:オカダ・カズチカvs.鷹木信悟(NJPW 10/10/20)
BGHCヘビー級王座戦:潮崎豪(ch)vs.杉浦貴(Noah 12/6/20)
CIWGPヘビー級王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.飯伏幸太(NJPW 1/4/20)
Dタッグ王座戦:ハングマン・ペイジ、ケニー・オメガ(ch)vs.ヤング・バックス(AEW 3/1/20)


■最優秀タッグ
@FTR
Aヤング・バックス
Bケニー・オメガ、アダム・ペイジ

全てAEWから。
業界最高峰のテクを持つ3チームですが、
中でも再び日の当たる場所を得たFTRが躍動をしていた一年でしたね。

日本も含めると3位にはChoco Proからバリヤン・アッキ、駿河メイを挙げたい所。
それこそAEWに出て上記3チームとぶつかる夢なんて思い描いてしまいますね。

他はDDTの樋口和貞、坂口征夫とSEAdLINNNGの松本浩代、世志琥が良かった。


■乗り越えようコロナ危機大賞
・WWEサンダードーム
 この視聴方法のイノベーションが一番印象に残っています。
 フィーンドvs.オートンではサンダードームのメリットが存分に発揮され、
 コロナ禍の一時的な措置ではなく、
 これこそアメリカン・プロレスのNEXTスタンダードではないかと思わせました。
 プロレスの伝統(リングという舞台装置など)を維持しつつ、
 その表現力の限界を押し上げてくれそうです。

・シネマティック・プロレス
 一方でリング等の伝統を飛び出してより奔放に表現手法を模索したのがこちら。
 Final Deletionの方が出生としては早いですが、
 ネタを超えて完成させたのは今年WWEが生み出したAJ vs.テイカーでしょう。
 WWE Studiosで映画事業もしてきたWWEだからこそ。
 ムーブメントになり他の団体も取り組んでいますが、
 このノウハウの差は簡単には埋まらないでしょう。
 

■敢闘賞(その選手なりに1年を通して頑張った選手。)
1位:エディ・キングストン
2位:ジェイ・ウーソ
3位:オライン・ヴェイト

1位はキングストン。
真実も台本に書かれたセリフも価値に高低はありませんが、
こういう未曽有の事態下においては
心の底から出てくる言葉の重みは大きい。
繊細で不器用な漢の生き様良かったですねぇ。

2位はウーソ。
レインズ確変に大きく貢献しました。
元々シングル・レスラーとしての才覚は見せていましたが、
それを発揮し続けられるポジションを掴み取りましたね。
レインズともども来年の活躍が期待されます。

3位はラレド・キッドと悩みましたが、ヴェイト。
デス・マッチ・シーンには欠かせない一員になりましたね。
マードックと共に挑んだアイアン・マン・マッチも決め手でした。

後はグレシャムも頑張っていたと思うのですが、
如何せんROHのマッチメイクの後押しが弱かったですね。

日本も含めると駿河メイやタイチ、鷹木信悟を挙げたいですね。


■最優秀女子選手
1位:サーシャ・バンクス
2位:アスカ
3位:志田光

WWEウーマンズ・マッチで初めて名勝負認定した試合を見せたサーシャ。
スター性、表現力、ハードさ、クリエイティビティ、
どの面で見ても最高のレスラーです。

2位はほぼ一年を通して王者であり続けたASUKA。
昨年も王者を務めていましたが、
それ以上に重宝されると共に試合でも見るべきものを幾つも見せました。
予想以上の活躍でしたね。

3位は志田。
AEWの中ではまだまだ他と比べると
女子ディビジョンは後回しになっている印象があるものの
その中でもしっかりポテンシャルを感じさせたのは
志田がしっかり王者として記憶に刻む試合を残したから。
日本の女子プロも盛り上がっているので、
2021年もアメリカと日本の橋渡しになりつつ活躍してほしいところ。

日本も含めると世志琥、彩羽匠が候補になってきて
サーシャと甲乙つけがたいレベルですね。
また坂崎ユカも志田と争うレベル。


■個人的イチオシで大賞
1位:マット・マコウスキー
2位:ベン・カーター
3位:オモス

コロナ禍でインディーが壊滅状態なので、
2020年に初めて出会った原石は少なかったですね。

その数少ない中でもマコウスキーは
今の時代受けの良いMMAバックグラウンドもあり、
vs.ディキンソンで光る才能を見せてくれたので1位に。

2位はベン・カーター。
早い段階でWWE入りしてしまったので
試合数の露出は少なかったですが、
飛び切りのハイ・フライヤーですね。
とはいえリコシェを見ていると
この早すぎるWWE入りがどちらに転ぶか博打で心配でもありますが。

3位はオモス。
あの背の高さは目を引きますね。
WWEに良くある木偶の坊タイプかもしれませんが、それでも気になる。
NXTハウス・ショーでしか試合をしておらず、
試合映像が全くないというのが怖いもの見たさの飢餓感を煽ります。


■新人賞
1位:リー・モリアーティ
2位:ブレイク・クリスチャン
3位:カルヴィン・タンクマン

1位はモリアーティ。
裏WMに位置付けられたThe Collectiveとか
ほぼモリアーティの試合を追っかけていただけだった気がします。
vs.シェリーみたいにマカベ等と数え歌をやって欲しいですね。

2位はクリスチャン。
Impactで堅実な活躍を見せると共に
NJPWのUSショーにも出て経験を積んでいますね。
IWA-MSでのvs.エルガンやGCWのゼイン壮行試合は見事でした。

3位はタンクマン。
コンゴ・コングとダブる容姿ですが、
スティーヴンスとのBLPヘビー級王座戦は素晴らしく、
コングと違って見掛け倒しでないと感じさせました。

次点はイーグル・ブランでしょうか。
ファイト・フォー・パリス決勝しか見てないので流石に入れませんでしたが。


■最優秀大会
1位:AEW Full Gear 11/7/20
2位:AEW Double or Nothing 5/23/20
3位:WWE Worlds Collide 1/25/20
 大会ではAEWが飛びぬけていましたね。

 WWEからはNXT/NXT UKのWMというべき大会を。

 下記にも書きましたが、ここにTakeoverが入ってこなかったのが
 今年のちょっとした物足りなさの一つですね。

 日本も含めると新日本プロレスのWrestle Kingdomが入ってきますね。


■最優秀団体
1位:AEW
2位:WWE
3位:ICW

コロナ禍の対応力(資本力)で
WWE、AEWが飛びぬけていましたね。
それぞれ強みを発揮していたものの
AEWの番組としてのまとまりを評価して1位に。

勿論WWEは複数番組ありますので、
その点では統制がより難しいものの
NXTが少し閉塞感が漂いつつあるのが気になりますね。
今は国を超えるのが制限されているので仕方ないのですが、
NXT UKもウォルターと他のレベルの差が大きくて難。
こういう時こそUKインディー・レスラーに手を差し伸べる存在であって欲しいものです。

3位は今年大きな躍進を見せたICW。
MVPのマードックと共にデス・マッチ・シーンを盛り上げてくれました。

日本も含めるとNoah、Choco Proが候補になってきますね。
変化というキーワードからすると新日本プロレスはやや弱く候補落ち。


■頑張りま賞
1位:デイヴィッド・スター
 事の内容、真偽は語りませんが、昨年のMVP。
 可能ならセカンド・チャンスを、と思ってしまいます。

2位:オーストラリア・マット
 ここ数年の積み重ねで
 ゲストに頼らず海外に発信・勝負できるレベルまで到達していました。
 WWE、AEW二強でUS/UKインディーが縮小した中で
 新しい才能に出会い、その才能が花開く場面を目撃する面白みをオーストラリア・マットに期待しています。
 だからこそ、このコロナ禍で全然興行を打てなかったのは本当に残念。
 リーディング・カンパニーのMCWが2月に1年ぶりの興行とのことなので、
 2021年は何とか頑張って欲しいですね。
 ウォールバーグやスレックス、ロッチーなど一押しレスラーの試合が見たい。

3位:ROH
 今年はコロナ禍での中断期間もありましたが、
 それでも今年のROHベストが1頁だけでまとめられてしまうのは寂しい。
 ルーシュなどCMLLパイプは他にない強みなんですが、
 ルーシュが全然試合で結果を出せていないですからね…。
 癖の強いレスラーであることは分かるんですが、
 そこをマッチメイク力で何とかして見せるのがROHだったはずで。

 一興行も打てなかったPWGともども終焉の匂いがして心配ですね。


■最優秀抗争
1位:ジョン・モクスリーvs.エディ・キングストン
2位:ローマン・レインズvs.ジェイ・ウーソ
3位:サーシャ・バンクスvs.ベイリー

それぞれ他の賞にランクインしたくなる程充実した抗争でした。


コロナ禍でインディー系は大打撃を受けてそこは非常に残念な点だったのですが、
アメプロ界全体で言えばこのコロナ禍の中でも
必死に、粘り強く抗い、プロレスの底力を見せてくれた一年だったと思います。
2021年もコロナとの闘いは続きますが、引き続き希望を見せて欲しいですね。