アメプロ大賞2019(投票要綱)
◆MVP
1位:デイヴィッド・スター
2位:アダム・コール
3位:ウォルター
決してトップ・スターという感じではないスターですが
アンチWWEの旗頭に担がれるとスター自身も最高の活躍で
一大ムーブメントを巻き起こしました。
スターの一年だったといって良いでしょう。
続いてコール。
ハード・ワークのNXTにおいて王座を保持して活動をすることは
大変に負荷がかかったはずですが、
特にTakeoverから翌日のSvS、
驚きのパフォーマンスを見せ続けました。
3位は他に替えの利かないレスラーとして
引き続き名勝負製造機の働きをしたウォルター。
WWEだと意外にポジション争いがありそうですが、
2020年も是非WWEは彼を重宝して頂きたい。
ちなみに日本も含めるネットプロレス大賞では1位をオスプレイに。
今年生まれた名勝負の19%(9試合/48試合)、
好勝負の6%(21試合/351試合)に絡んでいるのだからとんでもない男です。
◆年間最高試合
ネットプロレス大賞
1位:コーディvs.ダスティン・ローデス(5/25/19)
2位:1コンテンダーズ・マッチ:ジョーダン・デヴリンvs.イルヤ・ドラグノフ(7/6/19)
3位:NXT王座戦:アダム・コール(ch)vs.マット・リドル(NXT 10/2/19)
去年に続き、充実の1年でしたが、
年間最高試合的趣があるのは
コーディvs.ダスティンかデヴリンvs.スターかなと。
後者も再現の利かない一戦でしたが、
前者にはこの一年といったスパンどころではない
両者のレスラー人生に直結したドラマだったのでこちらを。
2位は1位とまったく違うベクトルで
現代的ニア・フォール戦の極地を。
この試合のテンションは異常でした。
3位は日本含め10分台前半のハイ・スプリント・マッチが
2019年のトレンドの一つだったと思っているので、
アメリカのその手の代表試合をピック・アップしました。
ちなみに日本を含むネット・プロレス大賞では
BOSJ決勝:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(6/5/19)を2位に。
3位は凄い悩んで上のデヴリンvs.イルヤにしましたが、
今ならオスプレイvs.ホワイト(3/6/19)を選びますかね。
今年オスプレイ、ホワイトが活躍する切欠に多分になっていると思うので。
◆タッグ
1位:Yバックス
2位:ルチャ・ブラザーズ
3位:グリズルド・ヤング・ヴェテランズ(ザック・ギブソン、ジェームス・ドレイク)
とにかく今年1年良く見たのがルチャ・ブラザーズ。
どインディーでもメキシコでも見ましたからね。
ただ一時期のYバックスみたいに
少し試合の幅の狭さを感じる所もありました。
一方でそのYバックス。
王座という重責がレスラーを変えることがありますが、
AEWの重役という職責が彼らの進化を促したように実感。
2019年の最高のタッグ・チームは、と聞かれたらYバックス、
と答えるだろうということで彼らを1位に。
3位は2019年の1年で評価を上げた、という相対軸で考えた時に
浮かんできたGYVをピック・アップしました。
次点は鉄板のトリオ・ワークを見せてROHを支えた
ヴィレイン・エンタープライジズ。
ネットプロレス大賞ではSANADA、EVILを3位にするか迷いました。
◆敢闘賞
1位:Aキッド
2位:コーディ
3位:バディ・マーフィー
次点:Pac
WWEとの契約年で試合数が抑えられ、
MVPかというとちょっと違うな、と
投票上は微妙な位置付けになりましたが、
2019年が彼の年だったのは確か。
オスプレイ/セイバー/スターとの試合はどれも素晴らしかったですね。
2位は上記と同じく職責がレスラーを変える一例。
WWEでは今一歩感の強いレスラーでしたが、
今やコーディなら間違いない、
彼ならやってくれるだろう、と見る前から信頼感のあるレスラーです。
AEWの中でオールド・スクールなテイストを提供できる、
AEWのプロレスの幅を広げるキーマンという点でも評価は高い。
3位はマーフィーですね。
毎回良い仕事をするので
クルーザー級の枠を超えたのも納得。
ブラックとの数え歌もスマッシュ・ヒットしました。
次点はPac。
少し頑固なきらいはあるものの
その分、必ず自分のカラーを出して、確かな仕事をしましたね。
カラ・ノワールのブレイクに貢献したのもポイント。
日本も含めると棚橋を入れるか迷いますね。
良くやってるけどもう歳で限界だね、と
言わせるかと思いきや、毎回驚きのパフォーマンスを見せます。
キャリア最後の一花がこんなに続くレスラーもそういないでしょう。
◆最優秀女子
1位:クリス・スタットランダー
2位:テッサ・ブランチャード
3位:ベッキー・リンチ
2019年の女子で真っ先に浮かんできたのは2人。
メジャーでドラマで魅せるテッサと
インディーで攻防で魅せるスタットランダー。
正反対の2人でしたが、
どちらもインタージェンダー・マッチで名を馳せました。
単純に好勝負の試合数でスタットランダーが
頭一つ抜けたかな、ということでスタットランダーが上の順位。
3位はベッキー。
団体の狙いと試合の実体が噛み合わなかった印象も強い一年でしたが、
今やシャーロット、サーシャと並び立つ
トップ・スターとしてのオーラが出てきましたね。
エボリューションを促進させた功績を評価し3位に。
日本も含めると試合と団体運営の両輪で
素晴らしい働きを見せた里村とか
女子のトップ団体、スターダムを牽引した星輝ありさが入ってくるでしょうね。
◆個人的イチオシで大賞
1位:アルテミス・スペンサー
2位:ジェイク・アトラス
3位:オライン・ヴェイト
1位にはスペンサー。
ストリックランドの後継者としては力不足かと思いきや
本格派としてしっかり地力をつけてきましたね。
日本のプロレスも合いそうですが、それは難しいか、
少なくとも幅広く2020年は活躍の場を広げて欲しいところ。
続いてブレークしそうな若手としてアトラス。
トニー・デッペンも同じく活きの良いハイ・フライヤーですが、
センスを感じさせ、欠点らしい欠点もないアトラスの方が
よりポテンシャルを秘めているか。
3位として次世代のデス・マッチを担うオライン・ヴェイト。
彼の飛び切りの体の張りっぷりは特別感がありますね。
他候補として検討したのはアシュリー・ヴォックス、
キラー・クロス、トーマス・シアーでした。
◆OVER 45賞
1位:LAパーク
2位:ダスティン・ローデス
3位:PCO
2019年は大ベテランが精力的に活動するだけでなく、
2019年を代表する流血試合までやってのけた、のが印象的でした。
メキシコ/アメリカ両方で活躍が光ったパークを1位に。
試合量の部分でダスティンは2位にしましたが、
コーディとの伝説の1戦だけでなく、
その後も素晴らしいパフォーマンスを見せていました。
3位はPCO。
WWEの端役レスラーが20数年の時を経て
インディーでブレイクする
ちょっとしたアメリカン・ドリームでしたね。
ただハードコアに依存せざるをえない彼が
他ならぬROH王者というのは少しやりすぎ感も覚える中、
予想を覆す防衛ロードを見せれるか。
◆最優秀興行
1位:WWE NXT Takeover:New York 4/5/19
2位:AEW Double or Nothing 5/25/19
3位:WWE NXT TakeOver XXV 6/1/19
AEWの旗揚げ興行は伝説の一戦あり、内容も濃く、
業界的インパクトもあったのですが、
それを押さえて上位に挙げてしまう程
Takeover NYは全試合必見の凄い大会でしたね。
3位もTakeover。
長すぎない尺で世界選りすぐりの
最高峰のプロレスを浴びれる体感に
勝るものは中々でてこないでしょう。
2020年もTakeoverがこの部門の最有力候補になるでしょうね。
ネットプロレス大賞ではDDT:Wrestle Peter Pan 7/15/19を3位に。
幅広いプロレスを集めながら
それぞれのジャンルで素晴らしいものを見せてくれました。
◆新人賞
1位:カラ・ノワール(2010)
2位:エル・ヒホ・デル・ヴァイキンゴ(2014)
3位:スコッティ・デイヴィス(2016)
印象論ではタウルスがぶっちぎりなのですが、
調べてみると2006年デビュー。
個々の団体カウントで厳密な年数規定もしていませんが、
10年を超えるキャリアは流石に、ということでここでの言及のみ。
ぎりぎり10年未満で鮮烈な印象を残したノワールを1位としました。
2位はヴァイキンゴ。
上記タウルス含めAAAをホットにした立役者です。
3位はスコッティ。
キャリアを改めて確認して驚きましたね。
この年数で自分のスタイルを確立し、
結果を出しているのは末恐ろしいですね。
ちなみにネット・プロレス大賞では日本を含みますが、
日本では若手がフリー・ランスで活動しないので
公平性の為に一層キャリアの年数を考慮し、
ノワールを3位に繰り下げました。
◆団体賞
1位:WWE
2位:AAA
3位:AEW
今年最大のトピックの一つはNXTとAEWの番組対抗戦。
相手に負けないようにと情熱の篭ったプロレスを
それぞれが見せてくれました。
AEWも新興団体の勢いがありましたが、
それ以上にバラエティ豊かなタレントを集めた
NXTのインディー・オールスターっぷりが上回った印象です。
205 Live、NXT UKも上々で
一軍も少し注文をつけたい所もありますが、
他番組との出入りで生まれる刺激が良い作用を起こしています。
去年から大きく躍進した団体がAAA、Beyond。
Beyondは毎週の放送番組を立ち上げ、
確かなクオリティを作り上げているのは凄い。
ただそれ以上に凄かったのがAAA。
ストーリー上のビッグ・マッチを成功させ、
クルーザー級のタレントも揃ってきて
ミステリオの時に近しいムーブメントが置きそうな予感。
メガ王者として招かれたオメガも要注目ですね。
高レベルな運営を維持したGCW、Impactも候補に挙がりましたが、
その実績以上の影響度を考慮し3位にはAEWをランク・イン。
ネットプロレス大賞ではWWE内の各番組が団体扱いだったのもあり、
新日本プロレスを1位にして2位に落としたWWEをNXTに差し替えています。
頑張りま賞
1位:PWG
2位:ルーシュ
3位:ACH
本当に1位はこれしかないと思います。
団体自体のセンス、クオリティに陰りは見られないものの
他の団体が時代に対応して、
スピーディに直近の大会をオン・デマンドで見れるようにし、
サブスクリプションを取り入れている中で
意固地になって置いてけぼりになっている感が強い。
これ程までにPWGが話題に上らなかった年は久しぶりだと思います。
2位はルーシュ。
魅力的なレスラーではあるのですが、
乱戦以外で思ったより結果を残せず。
ROHならば真価が見られるかと思いきや王座陥落してしまって
もっと出来るだろう、とがっくし。
3位はリング外でズンドコを見せたACH。
暖かく出戻りを迎え入れてくれる団体があったのに
良く分からない言動で周りを振り回しました。
失った信頼を取り戻せるでしょうか。
最優秀抗争
1位:ガルガーノvs.コール
2位:デヴリンvs.スター
3位:AEW vs.NXT
濃密な抗争を繰り広げ年間最高試合には一歩届かずも
今年の名シーンを幾つも生み出したガルガーノvs.コール。
続いて年間最高試合候補にもなりえる
特殊な雰囲気間が生まれたデヴリンvs.スター。
最後はアメリカン・プロレスを大いに活性化させたAEWとNXTの視聴率戦争ですね。
2019年も非常に良いプロレス・イヤーでした。
2020年も楽しみですね。
(執筆日:1/27/20)