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2019年のプロレス振り返り

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それでは2019年を振り返ってみましょう。



2018年は歴史上最高のプロレス・イヤーでした。
2019年名勝負はやや少なくなったものの名勝負・好勝負総数はほぼ同じ。
プロレスは引き続き最高のピークにあるといえるでしょう。

しかして何故名勝負が少なくなったか。
各ジャンルの名勝負数の推移を見てみましょう。



グラフにしてみると明らかで
2018年一大ムーブメントが起きて急進したヨーロッパが2017年並に後退したことに原因があります。

ただこれは不振だったというよりもWWEのユーロ・レスラーの獲得によるものでしょう。
他大陸における各団体の名勝負数の推移を見てみます。



WWEのレスラー獲得の影響を受けたProgress、wXwが大きく減少。
それに比べ主要レスラーへの影響が軽微だったOTTは高水準を維持し、
2019年名勝負という観点からは英国のトップに立つ団体になりました。
とはいえOTTもデヴリンがWWE入りしたので、
2020年どうなるか団体の真価が問われますね。

一方で、WWEの戦略も見事です。
上だけ見ればある種悪者ですが、
実際はWWEで契約した後も、自分のコントロール下で各団体に派遣。
名勝負と好勝負数を合算した数値で各団体の実績割合を見てみると
Progress、wXwの存在感は決して減っていない。


(外の円が2019年、内の円が2016年です)

話の流れからヨーロッパから先に見ましたが、
アメリカの勢力図も見てみましょう。


(外の円が2019年、内の円が2016年です)

インディー・レスラーとの契約を推し進めるWWEが
着実に帝国を築き上げていますね。

以前もTVプロレスと揶揄されつつも
上質なプロレスを一定量排出していた団体ですが、
ここにきてその量が圧倒的なものに増えてきました。

ただ傘下に収めたEvolveの縮小具合が気になる所。
追いきれなかった大会も多いので見逃している可能性はありますが、
それでももう少し梃子入れして欲しいですね。
Evolve特有のメンバーで回せているとはいえ少し物足りない。

WWE帝国に待ったをかけるべく現れたのがAEW。
数字だけ見るとWWEが36%に対し9%と1/4のシェアですが、
半分の運営期間だったことを考えると非常に優れたパフォーマンスです。
2020年は更にアメリカのプロレス市場が動いてくるでしょうね。

注目すべきはAEWの9%を上回った団体。
そうです、iMPACTです。
頑張って賞の常連だったiMPACTがこのポジションに
返り咲いたのは感慨深いですね。
ただWWE、AEWとの差別化として
インタージェンダー・マッチを押し出しテッサを売り出すも
レイシスト疑惑が起こり不穏なスタートとなってしまったのが少し不安。

ポジションを上げた団体もあれば下げた団体もあり。
ぐんと下げたのがPWG。
個人投票でも書きましたが、
とにかく大会・試合内容がどうのこうのというより
サブスクに、時代に対応できていない感が残念。
大会数も減っていて、ちょっと心配な状況です。

最後に日本。



同じように作ってみましたが、
正直新日本プロレスが異常すぎるシェアでまったく参考になりません。
他の増減は誰がトップ王者を張っていたかによる影響程度に見えます。

ただグラフでは見えてきませんが、
新日本プロレス以外も団体の個性をしっかり持って
結果を残した一年だった印象はありました。

新日本プロレスの運営元が
同様に上質な試合を量産するSTARDOMを買収したことで
女子プロレスにどのような影響を与えていくかも2020年の見所ですね。

この女子プロレスとアメリカのAEW関連が2020年の伸び白と見ます。
他の部分は2019年と同じ高い水準を維持すると予想。
他大陸は若干落ちるでしょうが、
NXT UKをアメリカで集計してしまっているのでその誤差程度でしょう。

2020年も最高のプロレス・イヤーになりますように。

(執筆日:1/27/20)