小泉"ダーティ"次郎さんが選んだアメプロ大賞2018
今年は凄い一年でした。
日本も含みますけれども
当サイトで集計している名勝負/好勝負数の推移を振り返ると
前年比でそれぞれ65%増/30%増。
改めて数字で見ると凄いですね。
名勝負に関しては日本(新日本プロレス)の躍進も大きいですけれども
アメリカの復調とヨーロッパの続伸も理由ですね。
好勝負面ではアメリカの大幅な増加が大きな理由。
ヨーロッパは昨年急拡大したので好勝負数はほぼ同じ結果でした。
勢いを失ったというよりかは
ヨーロッパ勢がアメリカに招聘されて
地域を越えて貢献したと見るのが正しそうです。
さて本題に戻りましてアメプロ大賞2018への投票です。
・MVP
1位:ウォルター
ウォルター、ガルガーノ、オスプレイ、ダン、セイバーJr.の5人が圧倒的な活躍。
その中でも豪腕一本で様々な団体を渡り歩いたウォルターを1位に。
団体側もトップ王座を差し出すレベルで、
WWE入団の締めくくりまで今年一年をトップ・リードしました。
2位:ジョニー・ガルガーノ
2位はガルガーノ。
技巧は間違いないもののWWEのストーリー性、キャラ性に
付いていけるかどうか、という前評判でしたが、
絶対ベビーフェイスからダークサイドに堕ちたキャラまで
一年を通してWWEの強みを見事に纏いMOTYメイカーとして活躍しました。
3位:ウィル・オスプレイ
3位はこの一年で好勝負から名勝負に押し上げるテクを掴んだオスプレイ。
日本を除いてもその活躍は飛び切り。
オーストラリアのプロレス・シーンを
一気に引き上げた功績も非常に大きい。
次点:ピート・ダン
次点のピート。コンディションは昨年に続き素晴らしく、
彼こそ業界最高のレスラーだと感じさせるシーンはチラホラ。
ただ他の3人に比べると若干マッチメイクに恵まれなかったか。
他団体にも出ていますが、王者ということで
少しブックし難いんでしょうね。
次点:ザック・セイバーJr.
同じく次点のセイバー。
ウォルター、グレシャムとの数え歌は外れなしで最高に楽しませて頂きました。
上記4人と比べると日本での活動のために
若干海外シーンの活動が少なかったかな、という理由ぐらいの僅差です。
・年間最高試合
1位:Progress王座戦:ウォルター(ch)vs.ザック・セイバーJr.(Progress 10/28/18)
この数え歌を1位に。
このカードは2人がヨーロッパの外、Noah等に参戦するようになった頃にも行われ、
wXwの一戦(8/18/12)はそれぞれのキャリア・マッチだったので
2人が業界最高のレスラーとなった今再び合間見えてMOTYの試合になるというのは
やっぱり人と人の作るものだな、と感慨を覚えますね。
直近で言うと昨年のPWG(10/28/18)が始まりですが、
それからProgress(4/7/18)、wXw(5/18/18)、このProgress(10/28/18)と行われ、
4戦が全試合名勝負というのもまた異常ですね。
間違いなく今年を代表する試合でしょう。
2位:アンサンクションド・マッチ:ジョニー・ガルガーノvs.トマッソ・チャンパ(NXT Takeover New Orleans 4/7/18)
クオリティで言えばNXT王座戦:アンドレード・アルマス(ch)vs.ジョニー・ガルガーノが次なんですが、
年間最高試合という意味では敢えてこちらを。
ウォルターvs.セイバーのように全試合名勝負とまではいかなかったものの
この数え歌も全試合好勝負以上で大河ドラマを芳醇に描き、
観る者の心を揺さぶり続けました。
3位:キース・リーvs.マット・リドル(PWG 2/16/18)
WWE入団まで数年でインディーを登り切った2人。
最高潮にノッっている時のこの戦いはまさに神話。
他の試合に比べて話題性で落ちることは否めませんが、
1年を振り返った時にこの試合のワクワク感は色褪せていないことを実感しました。
次点:NXT王座戦:アンドレード・アルマス(ch)vs.ジョニー・ガルガーノ(NXT Takeover:Philadelphia 1/27/18)
次点:アトラス王座戦:ウォルター(ch)vs.ティモシー・サッチャー(Progress 1/28/18)
次点:ロビー・イーグルスvs.ウィル・オスプレイ(PWA 8/11/18)
この3試合も良かったですねぇ。
特にイーグルスvs.オスプレイは特筆すべき試合。
やはり名勝負というのはレスラー、団体、観客の3要素が高いレベルで一致しないと生まれないので、
オーストラリアのプロレス界が一つのレベルに到達した象徴ですね。
その点ではSuper-Show Downを行ったWWEは機に聡いといえるか。
・最優秀タッグ
年間最高試合の候補になるようなタッグ・マッチこそありませんでしたが、
タッグ・チームはかなり充実していた印象ですね。
1位:カラマリ・キャッチ・キングス(クリス・ブルックス、ジョナサン・グレシャム)
グレシャムはキッド・ライコスの代役ですが、
長年組んでいたかと錯覚させる程のタッグ・ワークでしたね。
タッグの物量で勝負するチームも多い中で
一番タッグの機微、ダイナミズムを分かっていました。
時々ティモシーと組んだのも面白かったですね。
2位:リング・カンプ(ウォルター、ティモシー・サッチャー)
最強タッグの名にふさわしいこのチーム。
実績、スキルに関しては1位に引けを取りませんが、
MVPウォルターだからこそそのシングル部分を強く押し出したり、
ティモシーが少し割りを食っている印象も結構残っているので、2位に。
3位:オージー・オープン(カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)
最初は団体のニュー・スターへのプッシュに見えましたが、
メキメキと実力をつけ、今では胸を貸す側になりました。
また双方のシングル進出にも繋がっていて
今年一年上手く回っていましたね。
次点:LAX(サンタナ、オーティズ)
Impact復活においてこのチームが果たした役割は大きいでしょう。
2018年後半から他団体への参戦も増えてきた印象で
2019年注目チームの1つですね。
・敢闘賞(その選手なりに1年を通して頑張った選手。)
1位:ジョナサン・グレシャム
これまでレスリング技術は間違いないところはあったものの
体が小さいことや一部淡白な面がたたってか
団体からトップ・ポジションに値する評価を得られていなかったグレシャム。
それがイギリスで思わぬ欠員からタッグで活躍して、
シングルでは他ならぬROHが重用してくれて活躍。
グレシャムならもっと出来るはず、という期待が
想像を超える形で叶ったのは嬉しい限りですね。
今年でなければ普通にMVP候補に入れても良いぐらいですね。
2位:バンディード
今年はアメリカにおいてルチャドール旋風が巻き起こりました。
フェニックスも素晴らしかったですが、個人的にはバンディード推し。
フラミータとの数え歌が様々な団体への足がかりでしたが、
その経験で大きく成長してPWGのBoLAで結実。
MVP級のレスラーになったことを実感させましたね。
3位:PCO
敢闘賞の、よく頑張った、という言葉から想起されるのはPCO。
かつてWWEでちょろっと出た50歳の親父が
こんなプチブレイクするとは思わなかった。
何が起こるか分からないものですね。
次点:バディ・マーフィー
205 Liveを注目すべき団体に押し上げた立役者。
WWEの生え抜きにも関わらず
セドリックらインディーで実績を積んだ相手と
しっかり同じ指向で好勝負を積み上げているのは素晴らしい。
またオーストラリア出身ですから
後進の道を作ったという点でも評価に値する。
・最優秀女子選手
1位:里村明衣子
MYC参戦の他、FCP王者になったりピート・ダンと戦ったりと話題には事欠かなかったですね。
話題だけでなく、トニー・ストーム、KLRとの試合も飛び切りで素晴らしかった。
今WWEには世界選りすぐりの女子レスラーが集まっているので、
2019年の動向も注目です。
2位:シャーロット
WWEには多才な女子レスラーが集まっていますが、
"女帝"として試合内外振舞えるのは彼女ぐらい。
時代を作れる逸材だと改めて実感させてくれました。
3位:ベッキー・リンチ
シャーロット、サーシャと御三家的位置付けで
キャラは立っていたものの実績面で少し劣っていたリンチ。
2018年王座を任されると
しっかり彼女の魅力を観客に周知させましたね。
本当にWWEの女子は世界中から面白い面子が集まっているので
今年は是非女子オンリーで是非新たな番組プログラムを作ってください。
・個人的イチオシで大賞(仮) (今年は参考部門)
1位:Aキッド
スペインのレスラーですが、
彼は世界で通用しますね。
セイバーとの一戦で認知もされるようになったはず。
昨年後半から相方のロモと共にProgress、RPWに呼ばれているので
今年はイギリス・シーンで多く見ることができそう。
2位:クリス・リッジウェイ
所謂デイビー・リチャーズのフォロワーですが、
そのスタイルが成熟しつつあると感じます。
昨年は拳王との試合も実現しましたし、
ここで団体がトップに起用すれば波にのりそう。
今、気になっている選手です。
3位:ロッチー・ヘンドリックス
ドゥーイとの30分アイアン・マン・マッチに大変感心したレスラー。
キャラ的なところで一歩足りない印象ながらスキル的には問題なし。
昨年に1Fall Entertainmentのトップ王座をロビー・イーグルスから
引き継いだとのことで今年トップ王者としての経験を積んで
また次のステージに上がることを期待。
・新人賞
1位:ロンダ・ロウジー
芸能人枠というと2018年禊を果たしたアークウェットなど
ビジネスを別にすれば惨憺たる結果しか生んでいないイメージですが、
ロンダは俳優とか歌手ではなくUFCという格闘系とはいえ
ここまで見事にプロレスという枠組みを自分を入れ込んで来たかと感心する活躍。
自分のことを良く分かっているんでしょうね。
2位:ダービー・アレン
怪奇派っぽいボディ・ペイントながら
応援したくなるファイト・スタイルというのが良いですね。
そういう意味ではジェフ・ハーディ二世?
2018年のムーブメントの流れならEvolve王者になるはず。
今年も注目していきたいですね。
3位:ウィーラーYUTA
3位はYUTA。
まだまだこれからではありますが、
真っ直ぐなファイトとレスリング指向のテクニックは
最近のトレンドと合っているので育つと面白いかもしれない。
TfT決勝でぶつかったマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンと共に成長期待株です。
・最優秀大会
1位:PWG Battle of Los Angels Night Three 9/16/18
こういう時代なので決勝までの勝敗の結果等は
事前に分かった上で視聴する訳ですが、
その中でそれぞれが想像以上のパフォーマンスを見せ、
このレスラーとこのレスラーが次で戦うのか、と
ここまでワクワク感をかきたてられたのは初めてでした。
PWGのブッキングの妙技に酔いしれました。
2位:NXT Takeover New Orleans 4/7/18
インディーから選りすぐりで採用したレスラーが
各ジャンルの最高の試合を見せる、という
NXTのオールスター的側面が一番爆発した大会でしょう。
3位:NXT Takeover WarGames 11/17/18)
こちらも充実ぶりが異常でしたね。
・最優秀団体
1位:WWE
レスナーによるトップ王座棚上げ問題こそ目に付きますが、
NXT始めMYC、205 Liveなど
いまやあらゆるジャンルの最高峰を見ることができる団体と言えます。
また、WWE本隊もブライアンの復帰やAJのワークなど
内容は決して悪くなかったので、1位は揺るがないですね。
2位:wXw
ここ数年イギリスがかつてなくホットな中で、
それにぶれることなく団体の独自性を保って
魅力的なドイツのプロレスを提供し続けました。
ウォルターがWWEに行ってしまいますが、
アクセル・ディーターJr.が戻ってきますし、
2019年も頑張って欲しいところ。
3位:Progress Wrestling
興行数が多くなったので、
一興行の当たり外れは少し目立ちましたが、
WWE、NJPWを除けば最も名勝負を生み出した団体。
2019年もイギリスのプロレス・シーンをリードして欲しいですね。
次点:PWG
こちらは興行数を絞って上質なものを提供するスタイルですが、
プロレス界全体がこうもホットになると
その興行数の物足りなさが気になって次点に。
次点:ROH
WWEの積極的インディー勢採用で
影響を受け一時落ち込みましたが、ここに来て復活の兆し。
トップ所だけでなくアダム・ペイジら
ミッド・カードも底上げして来ているのが好印象です。
・頑張りま賞(今年は期待に添えなかったので来年はより頑張って欲しい選手またはよりプッシュして欲しい選手)
1位:ダニエル・マカベ
去年のSUP1回だけで3-2-1 Wrestling以外に出たことがない選手。
キャリア5年目丁度良い時期なので、
今年は他団体での活躍を見たいという期待を込めて。
2位:カシウス・オーノ
団体の体系への寛容さに甘える形ですが、
カシウスならもっと上のポジションに値するはず。
Evolve含めてニュー・カマーに対する壁として使われていて
決して評価が低い訳ではないのでしょうが、
何かしらの王座を戴冠させて欲しいと欲張って期待しちゃいますね。
39歳なのでWWEでもそろそろ一花咲かせたい。
3位:ダミアン・ウェイン
どインディーだけでメイン・ストリームには出てこないものの
世界で最も上手いレスラーの一人だと思っています。
そういや最近見ていないなと思っていたら
ここ2年は月1回試合するかどうかのレベル。
もうキャリアの晩年かな。
寂しくなったのでここに改めて彼の名前を刻んでおきたい。
・最優秀抗争
1位:ジョニー・ガルガーノvs.トマッソ・チャンパ
血を血で洗う抗争から年末の#DIY再結成の布石まで
2018年を代表する抗争でした。
2位:ジェイ・リーサルvs.ジョナサン・グレシャム
ROH復活の一つの起爆剤となったこの数え歌を。
グレシャムは有名どころだとCZW王座くらいしか獲得していないので
今年は王者としての試合も見たい。
3位:ペンタゴンJr. vs.サミ・キャリハン(ルチャ・ブラザーズvs.oVe)
頑張りま賞常連から見事に蘇ったImpactから。
PPVの決着戦だけでなく、その前のチーム抗争も熱かったですからね。