TOPアメプロ大賞アメプロ大賞2018 →投票A

古城ベニーさんが選んだアメプロ大賞2018

あけましておめでとうございます。
アメプロ大賞2018に投票します。以下が内容です


・MVP


1位:ウォルター
2位:サミ・キャラハン
3位:シェイン・ストリックランド


今年、ウォルターの試合を一試合でも見たことがある人なら間違いなくこの賞への投票を考えるはず。
それぐらい外れ、手を抜いた試合というのがほとんどなかった。文句のつけようがないですね。
それだけではなく、負けるべき所はしっかりと負けているというのも珍しい。ウォルターの場合
vs石井やvsイリアといった「負けて勝つ」が出来ているんですよね。爪痕の残し方が超一流。


WWEを退団した時はどうなるかと思いましたが、独自のブロウラースタイルで復活しましたね。
あれだけしっかりしたレスリングができるのに、敢えてあの道を行っているのが素晴らしい。
oVe旋風を巻き起こしました。


ストリックランドを一言で表すなら「意欲的」。一点集中な腕攻めにトライする姿勢もそうですが、
凡百のハイフライヤーで終わらないぞ、という向上心が特に高いように感じますね。
事実MLWを初めとした米インディー界で重用されているのもそのスタイルチェンジを
止めないスタンスから来ていると思いますね。一時期WWEに行くという情報が流れた事もありましたが、
どうやら先送りになったようで嬉しいやら悲しいやら。



・年間最高試合


1位:ウォルターvsティモシー・サッチャー(PROGRESS Chapter 62 2018/1/28)
2位:マット・リドルvsシェイン・ストリックランド(EVOLVE 108 2018/8/4)
3位:ピート・ダンvsリコシェ(WWE NXT 2018/9/19)



こういう投票系だと上半期は不利になりがちですが、そんな些末なことは関係ないのがこの組み合わせ。
2018年のインディーがインディーたる所以を作り出した魔法のカード。ウォルターの大ブレイク、
PROGRESSの認知度向上、そしてwXwという団体の再定義が図られた業界にとって最注目の試合でしょう。


今年はハードコア系で素晴らしい試合が数多く見られましたが、その際たるマッチアップがこれ。
ストリックランドは表情で自分の世界を作れるようになってきましたね。
ただ年末になり草稿を作る際、この試合が業界に何かを残したかと言われると
あまり尾を引いていないので2位に。


試合内容からすれば1位でもおかしくありませんが、これも諸々の事情で3位に。
魅せる力、観客の注意を引く力がとんでもないですね。スーパースターとしての魅力に溢れていた。
決して大技連発という訳でもないのに終始盛り上がりっぱなしの試合でした。



・最優秀タッグ

1位:リングカンプ
2位:ルチャ・ブラザーズ
3位:オージー・オープン


普通タッグと言えば小気味良い小柄の選手が二人か大柄小柄か、という感じなのですが、
彼らは既存の枠組みに囚われていないですね。体格に甘んじることなく常に見せ方を研究している。
例えシングルプレイヤーとして大成していても、です。


フェニックスはカベルナリオ戦で負傷してしまったため12月は出番なしでしたが
それを差し引いても入れるだけの活躍、貢献度はありましたよ。シングル時とは
別種の盛り上げ方をしていたのが印象的でした。


今年のUKタッグの顔といえばこの二人でしょうか。もう見ない日はありませんでしたね。
見た目によらず、意外とテクニックも持ち合わせているのが評価ポイントか。
デイビスはPROGRESSで、フレッチャーはRPWで、シングルプレイヤーとしての伸びしろを
垣間見せるシーンもありましたね。



・敢闘賞

1位:ティモシー・サッチャー
2位:イリヤ・ドラグノフ
3位:クリス・ブルックス



ティモシーはベテランの風格が出てきましたね。不調の時期を乗り越え再びインディーに
欠かせない選手へと返り咲きました。ウォルター戦はもちろんのこと、ブルックスとのタッグも
記憶に新しい。


イリヤに関しては2017年辺りから頭角を現し始めていた印象ですが今年に入り
ただ強烈なチョップを相手に食らわせればいいというだけのマインドから上手く脱却できましたね。
バランス感覚はウォルターを彷彿とさせます。また肉体改造にも成功したようで、
技に説得力が増しました。


ブルックスはタッグ屋のイメージが強いですが、今年に関してはシングルでも結構奮闘していましたね。
ただ生来の性格というか、マインドがタッグに向いていると思しき場面もチラホラ。
シングルで一皮剥けられるかが来年の課題になりそうです。


・最優秀女子選手

1位:シェイナ・ベイズラー
2位:里村明衣子
3位:ロンダ・ラウジー


彼女のストロングポイントはMMAファイターというイメージ像そのままの、いわば女子格はこうあるべしという
ファンの期待から全くずれていないのが凄い。NXTではカイリとライバリティーを形成し、
将来的にはロンダ戦も見てみたいところ。


里村は女子プロレス界の横綱という渾名が不足なく当てはまる選手になりましたね。
FCPでタイトル戴冠、ブルックス、フレッチャーらと王座戦を行いました。
また、ピートとの試合は今年のトレンドであるインタージェンダーマッチの中でもトップクラスでしょう。


当初はプロレスに適応できるのか、と不安視されていたUFC王者のロンダ。
しかしそんなもん関係ないぜ、とばかりに持ち味である柔道スタイルとの融合で
急成長しました。迸るアスリートプロレスの魅力に敬服。


・新人賞

1位:ダービー・アリン
2位:ブロディ・キング
3位:クリス・リッジウェイ


その容貌からは見当のつかないほど本格的で被虐者、アンダードッグ的なファイトが出来るアリン。
WWN系のプロモーションでの活躍が目立ちました。完全にWWE傘下に入ったEVOLVEではムスタファ・アリと
対戦したりしていましたね。彼のような独特の立ち位置を持っているレスラーは貴重なので、
来年も活躍を拝みたい。


最近のインディー・シーンではトレンドとしてデカくて動ける新鋭が求められているイメージがありますが、
そのポイントに合致しているのが誰あろうブロディ。正直シングルでは心もとない部分も少なくないのですが、
その荒削りな魅力を最大限発揮できたときのパフォーマンスは筆舌に尽くしがたいものがあります。
年末にはROHと契約したようですし、来日も近いか?


イギリスのストライカー・スタイルといえばご存知ザック・セイバーJrですが、
リッジウェイもそこに続ける存在になれるか、というのが今後の課題だと思います。
ザックと比べるとやはりまだ仮想的な力に頼っている面が目立つ。オスプレイの団体、フロントラインでは
ノアの拳王とシングルが組まれていましたね。前述のザックや拳王、勝彦のようなヘビー級の体格ではなくても
強烈な圧がかけられるレベルにまで早く上がってきてほしいですね。

 
・最優秀大会

棄権します。


・最優秀団体


1位:wXw
2位:PROGRESS
3位:MLW


以前はインディーの雄達をただ呼ぶだけだったwXwも最近はイリアやアンディといった
他では見られないレスラーの起用を行い、事実成功しています。16カラットやWTTLに関しては
若干生え抜きを育てる為に他を蔑ろにしているブックもありますが、団体としては適切な方向性なのでしょう。


PROGRESSに関しては上手く回っている、と100%断言できない部分がありますね。
トラヴィスを王者にした事でブッキングの硬直化。また配信の都合上かテーマ曲の変更など
思い切った手段に打って出ましたね。とはいえアメリカ公演やウェンブリーでのビッグマッチ等、
やはり地力はあるなあというのが感想。


アメリカインディーの勢力図も塗り変わって来ましたね。以前はPWGが頭一つ抜けている状態でしたが
WWEとの兼ね合いでそうもいかず、現状は中々難しい一面もあります。そんな中で台頭してきたのが
MLW。サミ、ストリックランド、ルチャブラといったImpact・LU系の選手プラスアルファに
トムローラーというある意味MLWの体現者を起用する事で独自色を出していますね。また、
ロウキーをトップに据えるという思い切った判断を下したのも見事。


・頑張りま賞


1位:ジェイク・ヘイガー
2位:バロン・コービン
3位:ブレイ・ワイアット


ヘイガー、WWEでのリングネームはスワガー。今年はMLWやLUでの活動が目立っていましたね。
一見するとこの賞には入らない活躍に見えるのですが、正直内容が付いていってない印象。
LUではトップ王座を獲得したと聞きますが、それはスワガーとしてのブランド力が
大きいのではと邪推してしまいます。ベラトール所属でもあり、本人としては
ラシュリー路線で行きたいのでしょうが。


RAWブッカー陣の犠牲者、というと少し表現として適切ではないかもしれませんが、
コービンがストーリーラインを回す存在になってしまったのは本当に残念。
確かにスーパースターとして不恰好な面はありましたが、魅力はあったレスラーです。
来年は今のポジションから解放してあげて欲しい。


ワイアットに関しては頑張った云々よりそもそもTVでの試合を久しく見ていない、という点から。
これもRAWブッカー陣への注文ですね。ハウスショーには出ているので怪我というわけでもないでしょうし。
一部ではギミックチェンジも噂されるが、果たして。


・最優秀抗争

1位:ティモシー・サッチャーvsウォルター
2位:ペンタゴンJrvsサミ・キャラハン
3位:ジェイ・リーサルvsジョナサン・グレシャム


組んでも最高、向き合っても最高。漫画の世界を地で行くリングカンプの世界観。
今年はPROGRESSに始まり、インディー・シーンの要所要所でこのカードが組まれていた印象があります。
ウォルターがUK契約を結んだという情報もあり、来年以降このカードの全力が見られるかは分かりませんが、
どちらにしても今年を象徴する抗争でした。


今年のImpactはインディー大集合な状態になり、ある意味団体としての華やかさは失われましたが、
着実に試合で魅せることができました。そしてまたWWEを解雇され、花を咲かせる事ができなかった
サミが再ブレイクしたのも語るべきポイントでしょう。
抗争請負人とでも呼ぶべき働きでカベジェラ戦を務めました。


近年ハイフライヤーの急増により失われつつあったピュアレスリング。
チェスマッチとも言うべき無形文化遺産を再興する鍵になりそうなのがこの二人ではないでしょうか。
部位攻撃というプロレスの基本のキを重んじた両者の抗争はついにアイアンマン戦へ。比べるべきではないかも
しれませんがセスvsジグラーの30分マッチと明暗を分ける形となりましたね。
リーサル、グレシャム共に末永くインディーの顔であって欲しいものです。


以上が内容です。


追加されたイチオシ大賞に投票します。 

1位:ドリュー・マッキンタイア
2位:スコッティ・デイビス
3位:レイ・ホーラス

マッキンに関しては単純に応援しているからという理由に加え
タッグ戦線とシングルでの活躍も目立ちRAWの中心人物といっても差し支えない活躍を見せたため。
今年はビッグプッシュも予定されているという噂を聞きますが、悲願のユニバーサル王座獲得なるか?

UKマットの新鋭スコッティを2位に。風貌はフライヤー系ですが
七色のスープレックスを使う本格派。新人賞というほど各団体に出ているわけではないが
各団体のブッカーから期待されているのがカードからなんとなく伝わってきますね。

3位はLUでお馴染みのアズテカJrことホーラス。
若いのかと思ったら34歳と意外とベテランなんだなというのが正直な第一印象でしたが、
見るごとに魅力が伝わってきて今年さらに飛躍するのが楽しみなルチャドールです。