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古城ベニーさんが選んだアメプロ大賞2017

あけましておめでとうございます。いつもレビューの方拝見しています。
アメプロ大賞2017に投票します。


・MVP

1位:マット・リドル
2位:ウォルター
3位:トラヴィス・バンクス


脅威の速度で進化を続ける元MMAファイターことリドル。
本当に見ない日はありませんでしたね。北米マットは元よりユーロにも進出、
アトラス王座を巡っては各地で熱戦を繰り広げました。

オーストリアの巨人が本格的に名を知られるようになってきましたね。
プロレスはちょっと触れば崩れる砂上の楼閣なのですが、彼の場合ギリギリの所をついて試合をしてきますね。
絶妙なバランス感覚を持っていると言い換えてもいいかもしれない。

トラヴィスは間違いなく今年最もブレイクした選手でしょう。その真っ直ぐな
情熱ファイトは気持ちが良いですね。各団体で重用されるのも分かります。
ただ試合面は若干の課題があるか。イギリス三強や後述のハスキンス辺りと比べると若干深みが感じられない。
来年以降も今年並みの活躍、各団体のフロント陣に使わせたいと思えるかが注目です。


・年間最高試合

1位:ザック・セイバーJrvsトレイシー・ウィリアムス(Evolve 95 2017/10/15)
2位:マット・リドルvsジェフ・コブ(PROGRESS Chapter 49 2017/5/28)
3位:ザック・セイバーJrvsチャック・テイラー(PWG Pushin Forward Back 2017/7/7)


1位。
Evolveらしさ、という形容があります。いわゆるオールドスクールな試合展開ですね。
密なレスリングを拘りぬいた彼らにしか出来ない試合でした。
やや年間最高試合というラベルを貼るには逡巡する部分もあるものの、長所が目立った試合。

2位。
宿命のパートナー対決。基本相棒対決は大抵面白いですが、この二人は別格ですね。
天才vs超人とでもいえばいいのでしょうか、トーナメントの1試合でありながら
ショーをスティールし切った名品。

3位。
チャッキーが念願のPWG王座を獲得したモーメント的な試合を。
終盤の畳みかける展開はアメプロらしさ全開でやはりPWGはこうでなくてはと思ってしまいますね。





・最優秀タッグ

1位:リングカンプ
2位:ブリティッシュ・ストロング・スタイル
3位:OI4K


ティモシーはシングル向きの選手かと思っていたらタッグも意外といけますね。
ウォルターのド迫力ファイトに対して試合のメリハリをつけるため
細やかなアプローチをしていたのが印象的でした。

タッグというかトリオなのですがユニットもありなので入れないわけにはいかないでしょう。
ベイト、ピート、セブンそれぞれの個人能力を掛け合わせ最強のトリオが誕生しました。
ただ試合という観点から見た場合思ったより比類する相手がいなくて100%の力を出せずじまいという事もチラホラ。
それ故1位ではないかな、という感じ。

何でもありの破天荒スタイルで人気を博したOI4K。
2017年はImpactとも契約して活動の幅を広げました。ただ彼らの尖ったスタイルは
賛否両論で、良くも悪くも現代プロレスというものの本流かなとも。


・敢闘賞

1位:マーク・ハスキンス
2位:デヴィット・スター
3位:レイ・フェニックス


誰とでも名勝負が出来る男、それがハスキンスなのではないかと思います。
観客の心を奮い立たせる情熱に満ち満ちたファイトスタイルは絶品の一言。
MVPと迷いましたがこちらの部門の方に。

決して大きくない体格ながらそのガムシャラな闘いぶりと
優れたゲームコントロールの才覚を持ち合わせるスター。
ここ二、三年でぐんぐんと上昇気流に乗ってきた選手ですが、
今年は特に秀でた活躍が目立ちました。MVPには届かないものの、
インディ・シーンを彩ったという意味では敢闘賞という肩書きが似合います。

個人的にメキシコでの試合は未見なので入れるかどうか迷ったのですが
それを差し引いても入れる価値があると感じたのがフェニックス。
とにかくコンディションがよく、ズバ抜けた技の数々は印象的でした。


・新人賞

1位:フリップ・ゴードン
2位:ジョシュ・ボドム
3位:デズモンド・エグゼヴィアー


今最も活きのいいハイフライヤーは誰かという問いを投げかけられた場合、
私の場合迷わず彼の名前を挙げますね。好みの差こそあれ、間違いなくゴードンの
躍進ぶりは北米マット界を追っている人からしたら確実に挙がってくる存在。
そのぐらいゴードンの前途は明るいです。

今勢いのあるユーロ・マット。その先鞭を切っているのが
誰あろうボドムではないかと思います。RPWでの活躍が光っていましたね。
まだまだ深みのある試合には届いていないものの、今後の奮闘を促す意味でこの順位に。

インディーから有望株を登用しつつあるImpact Wrestling。
その中でもエグゼヴィアーを獲得したのは大きかったと思いますね。
容貌も含めリコシェの再来と思しき彼の実力はまだまだ未知数の部分が大きいながらも
間違いなくXディビジョン復権の鍵を握っているであろうと想起させてくれます。


・最優秀大会

棄権


・最優秀団体

1位:OTT
2位:PROGRESS
3位:RPW


今年も勢いのあったイギリス勢。
その中でも独自性と言う意味ではOTTが突き抜けていた感がありますね。
OTTのエースであるスマイル含めこの団体でしか見られないものを提供し続けたのは大きい。

PROGRESSはトラヴィス政権がやや不安な点を加味してこの位置に据えています。
それでも新戦力の活躍ぶりなどを見る限り勢いは続くだろうな、と思い二位に。

RPWは新日本と提携しているのはいいのですが、若干大会ごとにばらつきがあるような印象を抱いてしまって。
とはいえこちらもまた他団体では見られないカードを見せてくれたのではないか、と。


・頑張りま賞

1位:TJP
2位:ザ・リバイバル
3位:ジャック・スワガー


TJPに関しては彼個人というよりはクルーザー級全体に対する愚痴になってしまいますね。
復活させたはいいものの、やはりというか扱いは芳しくなく、観客からも
思ったようなレスポンスを得られていません。プロレスはロスターの全員が輝けると
いうものではないと分かっていても腐らせるのは惜しい。

リバイバルはとにかく怪我。これに尽きるでしょう。
年末に復帰したので2018年はタッグの最前線に躍り出ることを願って止みません。

スワガーは今の所インディに余り適応しているとは言い難い部分があるため。
期待値の分だけこの賞にランクインしてしまう点はありますね。


・最優秀抗争


1位:マット・リドルvsウォルター
2位:キース・リーvsドノヴァン・ダイジャック
3位:トラヴィス・バンクスvsマーク・ハスキンス


プロレスは言語の壁を超越する娯楽である、と言う人は多いですが
この抗争はまさしくその最たる存在ではないでしょうか。
手加減なしのハードファイトは見るものの心を熱く奮わせます。

インディーで最も有名な数え歌をこの順位に。
1位ではないのは単純に私の好みですね。
逆に言えば好き嫌いという要素を無視しても入れたくなるような魅力が彼らの試合にはある。
ダイジャックはWWEに移籍しましたが、また何処のマットでもいいので再戦を希望します。

トラヴィスはその単純なファイトスタイル故やや試合が淡白になってしまう部分もあるのですが、
ハスキンスとの試合はそういった点を巧く取り除いていますね。余り数え歌感がないので
この順位にはなっていますが。


以上が内容です。よろしくお願いします。