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Wrestling Observer:Match of the Year 10's part2の分析


名勝負 IC王座戦:中邑真輔(ch)vs.飯伏幸太(新日本プロレス 1/4/15)

IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新日本プロレス 1/4/16)

IWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新日本プロレス 1/4/17)

IWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新日本プロレス 6/9/18)
好勝負 なし

2015年
@IC王座戦:中邑真輔(ch)vs.飯伏幸太(新日本プロレス 1/4/15)
 ボクシング・スタイルで間合いの要素を構築。
 尤もこの始め方だけでは不十分ですが、
 その後の演武の中にかわしだけでなくガード等も入れて
 ぎりぎりの所で成立させているが故にその世界観にリアリティが出てくる。
 中邑が首攻めに入るとアピール力を十分に交えながらの試合運び。
 守勢の飯伏ですが、流れが中途半端ですね。
 攻めきらないのはまだ反撃成功といかない中で
 中邑の出方を読み切れないからでしょうか。
 加速度的に入り混じる攻防にハード・ヒットを追加。
 一度後頭部にボマイエが決まった後でこの試合の特別な境地へ。
 中邑が偏執的な蹴りを加えると飯伏も切れてグー・パンチ。
 頭部への容赦ない打撃戦は一般が引きそうなレベルです。
 こういうヒートが暴走しての打撃戦においては
 飯伏が中邑のアピールをぱくってのボマイエなど
 一部のスポットはやや狙いが過ぎる感あるも
 特別な技も解禁され見応えのある攻防に熱狂できます。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:4/?/15)


2016年
AIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新日本プロレス 1/4/16)
 棚橋のエルボーでライバリティを描いた後、
 棚橋が強制力のある脚攻めへ。
 展開する前にロックアップを挟み、
 そのロックアップで力の入れ具合を十分に伝えたことが利いてますね。
 オカダは今回七色ドロップ・キックによる構築。
 変則ドロップ・キックを
 反撃のキー・ムーブにしていますね。
 棚橋の脚攻めが展開ベースなのに対して
 スポットで華を添えられるのが強い。
 まさに構築スタイルとしてかみ合っています。
 ライバルならではの鬩ぎあいで
 中盤のボリューム感は見事でした。
 棚橋の脚攻めもえぐさを増し、
 定番のリングアウト寸前シーンも
 いつも以上の説得力を感じさせましたね。
 カウンターのネック・ブリーカーへの切り返し合いといい
 何度も手を合わせた2016.1.4だからこそできる動きがあります。
 中盤直後の脚攻めの引きずり合い具合が
 少し軽い印象を受けるもののそれ以外は感心し放し。
 棚橋は挑戦者の位置づけから始まりつつも 
 攻めの流れは流石で団体エースとして昇華し、
 情念の面でも一歩も二歩も上のものを見せる。
 一方でオカダも王者として相手の激流を全て押切り、
 最後に正調ドロップ・キックで完結させるシンプルで完成度の高い試合構築。
 それぞれの必殺技をカウント2で返す、
 単純ながら最後のステージを登るに値する内容。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:1/?/16)


2017年
BIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新日本プロレス 1/4/17)
 序盤は時間稼ぎのヘッド・ロックの攻防。
 フェンス攻撃やテーブルをちら見せで
 ハードコアな試合になりそうな予感をさせます。
 鋭い動きやハード・ヒットで適度に一進一退を作っているが
 前半はストーリーが余りない印象で、
 40分以上の試合時間設定に引っ張られた感があります。。
 そんな側面もある中で試合が様変わりしたのは
 オメガが観客席へのスプリングボード式ムーンサルトを決めた所から。
 普通ならリングアウトぎりぎりで戻るという演出になりそうなものですが
 オメガが更にテーブルをのせてダブル・ストンプで追撃。
 その後も場外テーブルへのショルダー・スルーや
 高角度の投げ、顔面への強烈な打撃等
 とんでもない技を放ちつつお互い倒れない、倒れない。
 掟破りも使い限界突破の攻防を見せました。
 後半20分は5スター・マッチの呼び声も納得の出来栄え。
 ただ前半20分を考慮するとそれは過大評価に思えます。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:1/?/17)


2018年
CIWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新日本プロレス 6/9/18)
 まずはグラウンド。
 当然にロング・マッチが予想される中で
 予想通りの出だしですが、
 挑発的な仕草を交えると開始5分で動いてきます。
 場外落下のダメージも少し重くして
 疲労感を序盤から絡めてきたのは面白い。
 オメガが柵攻撃から主導権を掴み腰狙い。
 それぞれダイブをポイントに反撃。
 徐々に盛り上げていきますが、
 絶妙に抑制が効かせたバランス感が素晴らしい。
 切り返し合いも一定以上入っていて見応えもあります。
 エプロンでのツームストンを皮切りに
 ニア・フォールの攻防もあり、
 1本目単独で見てもこれまでの
 試合の上位に位置するぐらいの上質な内容となっています。
 オカダが丸め込みで先取。

 2本目。
 コーナー上ドロップ・キックからスタート。
 緩やかな攻防でどう違いを出してくるかが肝でしたが、
 かつてのROHのようにNJPWでも定番となりつつある
 テーブル・スポットを織り交ぜてきたのは良いですね。
 リングアウト・ネタなどよりドラマチックなシーン作りで切り替えてきました。
 
 3本目。
 ここでもオメガがスタイルズ・クラッシュを狙ったり、
 飯伏がフェニックス・スプラッシュを指示したりと
 印象的なシーンが幾つも見られました。
 ただ2本目、3本目両方に言えることですが、
 2人の磐石なニア・フォール合戦に頼りすぎて
 もう少し変調、展開が欲しいですね。
 そこが弱いので60分超えありきの内容にも見える。
 勿論60分時間切れの前の試合があり、
 時間無制限になっている経緯を踏まえればお約束ではあるのですけどね。
 60分を超えているので気になる点がまったくない訳ではないですが、
 昨年の60分試合と同じく、他と比類できない異形の試合であることは確かです。
 メルツアーも壊れて*******つけてましたね。
 歴史的な名勝負。
 (執筆日:6/?/18)


2019年
DBOSJ決勝:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(新日本プロレス 6/5/19)
 初っ端に演舞を持ってきますが、この演舞一つとっても異常。
 最初のチェンジ・ペースの緩急、
 着地、アーム・ドラッグによる豊かな変調、
 その実行スピード、とどこの面を取っても見たことの無いレベルです。

 スポット量を抑えつつ抑えつつ期待感を演出する空間の使い方も見事。
 鷹木の思い切った勢いのあるトペコンで中盤へ。
 中盤は中盤らしくスポットの絶対値自体は押さえているのですが、
 オスプレイが見事な受身で終盤スポット・レベルのドラマ性を感じさせます。
 鷹木の足の使い方、距離感の作り方も唸らされましたね。

 お互いの変化させるアイディアも間違いなく、
 終盤に入っては一発一発のインパクトが最大級。
 シチュエーション、カードから相当に期待感の高いカードでしたが、
 期待を一ミリたりとも損ねなかった。

 33分間序盤/中盤/終盤全てにおいて
 常に120%の力を振り絞りました。
 歴史的な名勝負。
 (執筆日:6/?/19)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@IC王座戦:中邑真輔(ch)vs.飯伏幸太(新日本プロレス 1/4/15)
AIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.棚橋弘至(新日本プロレス 1/4/16)
BIWGP王座戦:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新日本プロレス 1/4/17)
CIWGP王座戦、時間無制限3本勝負:オカダ・カズチカ(ch)vs.ケニー・オメガ(新チャンピオン!)(2-1)(新日本プロレス 6/9/18)
DBOSJ決勝:鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイ(優勝!)(新日本プロレス 6/5/19)