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Wrestling Heart:Match of the Year 50's part2の分析


名勝負 3本勝負:ジーン・バウトvs.リアノ・ぺラカーニ(French Catch 2/15/57)
好勝負 3本勝負:ジョージ・ガレット、テディ・ボーイvs.マイケル・チェイスン、ジャッキー・コーン(French Catch 7/30/56)

1955年
@なし

1956年
A3本勝負:ジョージ・ガレット、テディ・ボーイvs.マイケル・チェイスン、ジャッキー・コーン(French Catch 7/30/56)
 ショルダー・スルー未遂で焦らしたり
 アーム・ロックでテンポを重ねて出だしは好調。

 ジョージ、テディがヒールとしてボード・コントロール。
 テディの細かな働きが素晴らしいですね。

 チェイスンが孤立から脱してフライング・ショルダー・タックルを連打。
 逆転の流れかと思いきや、ヒールがチェイスンを仕留め1本。

 2本目もヒールが雰囲気を作り上げますが、
 そこに次なるステップ・アップとして同時サブミッションなど
 絵となるシーンをより密度を増して作っていきます。
 最後は派手なフィニッシュ。

 3本目。
 勢いそのままに激しい打撃戦。
 2本目の延長として更に上げて華やかさを持たせます。
 最後は良く分からないDQでしたが、
 直後に思いっきり場外に落とすシーンがあり、
 ヒールをKOするフィニッシュと同然だったので、
 そこのがっかり感はなかったですね。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:4/?/21)

1957年
B3本勝負:ジーン・バウトvs.リアノ・ぺラカーニ(French Catch 2/15/57)
 バウトは何でもできますね。
 相手をKOさせる打撃を放つ力強さを持ち、
 巧みにレスリングに応じるテクニックを持ち、
 モンキー・フリップを着地する身軽さも兼ね備えている。
 まさに戦いの化身。
 
 バウトの信じられないムーブの数々に観客も熱狂。
 ぺリカーニの打撃に対してリアリスティックな受け身も見せるし、
 静かな闘志も色気たっぷりで驚嘆します。

 ぺリカーニもヒールなので華やかさこそ抑えているものの
 ハード・ヒットとしっかりした受け身を見せると共に、
 また観客のツボを抑えた煽りで、良いレスラーですね。
 
 2人が攻防を区切って離れて向かい合った時の
 その間の空気の雰囲気間が堪らない。

 場外乱闘から一気に持って行った
 最後のフィニッシュは説得力があり衝撃的である一方で、
 あまりに予期しない終わり方なので、観客も心の準備が出来ていなかった感もありますね。
 
 French Catchの"戦い"の魅力を体現した試合でした。。

 ぎりぎり名勝負。


1958年
C王座戦、3本勝負:エドワード・カーペンティア(ch)vs.バーン・ガニア(NWA 5/2/58)
 ガニアの綿密なレスリングに
 カーペンティアの華やかさがミックスされ
 エンタメスポーツとして完成されたベース・ライン。

 心理戦もありつつ終盤は技の大盤振る舞いで盛り上げ。
 ガニアがボディ・スラム連打も
 カーペンティアも何とか凌ぐと
 アーム・ドラッグ連打にボディ・プレスでフィニッシュ。
 中々派手なフィニッシュ・シーンでしたね。

 2本目もクライマックスの演出への意識が高くお見事。
 ガニアがスリーパーで追いつきます。

 このスリーパーを受けカーペンティアは完全ダウン。
 スリーパーの影響が残っているという筋書きで3本目に。
 両者一度フィニッシャーまで持っていってる中で
 リセットせずに終盤模様を継続させて、それだけで3本目を作ったのは良かった。

 ただ最後のスリーパーを食らったカーペンティアが逃れようと
 ロープ・ブレイクにいった所で両者もつれて場外転落、
 先に戻ったガニアが王座奪取という〆も含めて
 消耗戦の印象ばかりが先行してもう少し跳ねる見せ場も欲しかった。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/20)

1959年
Dなし

注目試合の詳細

BNWA王座戦:ルー・テーズ(ch)vs.力道山(10/7/57) 
  テーズは コーナーに押し込み拳打ちという反則技を多用し先手を取る。
  テーズ・プレスから覆いかぶさる。
  テーズは守勢に回るや再びコーナーで拳打ち。
  力道山はテーズ・プレスを狙ったテーズに伝家の宝刀空手チョップを炸裂させる!
  力道山がカバーしようとするもテーズは両肩をつかせずロープに逃げる。
  力道山はベア・ハグを、テーズはヘッド・ロックから拳打ちを狙っていく。
  力道山が再び空手チョップを決める!
  しかしカバーには至らず。
  テーズは空手チョップを禁じろと無茶苦茶な抗議をして時間を稼ぐ。 
  力道山は冷静さを保ちクリーン・ファイト。
  テーズは不意をついてアーム・ドラッグからキー・ロック!
  リング中央の力道山はカバーの体勢に持っていくもすぐ体勢を戻される。
  ようやくロープ・ブレイクで逃れる。
  今度は力道山がレッグ・ロックに捕らえる。
  テーズは決められながらもアーム・ロック。
  テーズが攻め勝ちアーム・ロックを決める。
  その間にレフェリーの目を盗み膝を入れる。
  力道山はスナップ・メアに返すもテーズは離さず。
  再びスナップ・メアを狙っていると見せかけレッグ・ロックに切り返す。
  テーズはロープ・ブレイクで逃れるも脚が痛む様子。
  テーズは起き上がるのに時間をかけたりエプロンに出たりと回復の時間を稼ぐ。
  テーズはアーム・ロックをロープ・ブレイクで逃れる。
  力道山はタックルをショルダ・スルーでかわす。
  脚を取ろうとしたテーズにボディ・シザース。
  テーズはロープ・ブレイクで逃れると飛び蹴りへ。
  しかし逆に跳ね飛ばされる。
  テーズは脳震盪を起こしたか起き上がっても逃げに走る。
  力道山が力で抱え上げ放り落とそうとするもテーズはロープを使って阻止。
  力道山は首投げ、ヘッド・ロックで弱らせていく。
  テーズがバック・ドロップに切り返す!
  しかし力道山がヘッド・ロックを離さなかったためテーズもダメージを負う。
  カバーが遅れカウント3ならず! 
  力道山は再び首投げ、ヘッド・ロック。
  テーズがまたバック・ドロップに切り返そうとするところに
  脚をかけ逆に絡み投げ。
  力道山がバック・ドロップを防ぎながら執拗なヘッド・ロック。
  バック・ドロップを決めれないと見たテーズはそれをフェイクに使い股裂きに切り返す。
  力道山は自慢の怪力でロックを外すと地獄固め。
  体固めを狙いあう。
  力道山がえび固めを決めるもロープに逃げられる。
  テーズはドロップ・キックを狙ったところにタックルを食らうも
  すかさず2度目を狙いドロップ・キック炸裂!
  カバーにいけないと見るやキー・ロックに捕らえ追い詰める!
  力道山はロープを掴み逃れる。
  両者警戒して組み合わず睨み合う。
  力道山が不意をついてタックルにいくも不発。
  逆にテーズがタックル狙ってくる。
  力道山はその動きを利用しボディ・シザース。
  テーズの逃れようとする動きを利用しアーム・ロック、キー・ロックへと移行!
  3分以上捕らえられていたがテーズはあきらめずロープ・ブレイクにもちこむ。
  力道山は逃げに入るテーズに攻め込み再びキー・ロック!
  テーズはなんとかロープに脚をかける。
  テーズはロープ・ブレイク時に拳打ちを決めるも
  力道山はここぞとチョップで打ち返す。
  飛行機投げからカバー!しかしテーズはロープに脚をかける!
  テーズは時間切れを狙っている。
  焦る力道山はコーナーに追い詰め空手チョップを連発。
  力道山は飛行機投げを狙うも逃げられる。
  テーズの打撃に空手チョップで応じる。 
  力道山はボディ・スラムからカバーするもカウントは2!
  再び空手チョップ連発へ。
  テーズはわざとダウンし時間を稼いでいく。 
  テーズの作戦が功を奏し時間切れとなる!

試合結果

@なし
A3本勝負:ジョージ・ガレット、テディ・ボーイvs.マイケル・チェイスン、ジャッキー・コーン(2-1)(DQ)(French Catch 7/30/56)
B3本勝負:ジーン・バウトvs.リアノ・ぺラカーニ(2-1)(French Catch 2/15/57)
C王座戦、3本勝負:エドワード・カーペンティア(ch)vs.バーン・ガニア(新チャンピオン!)(2-1)(リングアウト)(NWA 5/2/58)
Dなし