東京スポーツ新聞社:Match of the Year 90's Part1の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.川田利明(全日本プロレス 6/5/92) |
1990年
@ブラスナックル王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ:大仁田厚(ch)vs.ターザン後藤(FMW 8/4/90)
有刺鉄線に押し込んで爆破させる攻防がメインになるのかと思いきや
ダウンした際にたまたま体が触れた時に爆発が起きたりして、
ノー・ウェイ・アウトなリングであることを印象付ける仕掛けとして使われていますね。
ユニークな見せ方だと思います。
一方で爆破を添え物として使って試合で魅せれるか。
後藤はダウンを上手く使った試合運びで良かったですね。
しかし大仁田はというとごつごつとした流血戦なのに
基本となる拳でさえまともに見せれないし、
そのメリハリの中での耐え凌ぐ姿を見せる技量もありません。
所詮大仁田の試合だな、という印象で終わる。
平均的な良試合。
(執筆日:3/4/12)
1991年
Aハルク・ホーガンvs.天龍源一郎(SWS・WWF 12/12/91)
ホーガンはWWFで成功したトップ・スター扱いですが
技術的に相手を動かしているように見えるレスリングの動きを見せ、
日本式で試合に臨むことを示します。
これに対し天龍もチョップを一発ずつ出し惜しんで様式立て。
まずは接触しない中で戦いを描きます。
中盤は一転ホーガンが動けるところを活かして積極的にカウンターを狙います。
カウンターを返されるも続けてカウンターを狙うなんて普段見られないですね。
ただ挑戦的な分完成度が落ちている分はあります。
対応する天龍側にしたって難しくなりますからね。
終盤のお互いの攻めの見せ方も一致せず、
最後はアックス・ボンバー連発という安易な手法で凄い試合であるように錯覚させる。
攻防自体が悪いということはなかったですけどね。
新団体ににWWFのビッグ・スターが来日した上に
意欲的に取り組んでくれたということで選ばれた理由は理解できなくもないが・・・。
中々良い試合。
(執筆日:3/4/12)
1992年
B三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.川田利明(全日本プロレス 6/5/92)
ハンセンの乱戦を通常試合に持ち込んだスタイルに対し、川田は適切に対応。
ハンセンは脚狙いで場外テーブルを使ったニー・クラッシャーで展開を確定づけます。
これに対し川田は痛みを引きずりながらもあくまで蹴りで攻める。
ハンセンも簡単に切らずしっかり調整した受けを見せていましたね。
衰えたハンセンならではという印象です。
一旦それぞれが相手をダウンさせるところまで追い詰めた後で微調整して終盤へ。
ハンセンがやや追い込まれすぎていて理想のパワー・バランスで攻防できなかったものの
ハンセンはラリアット前後に段階を踏んで技を設定してボリュームを膨らませ、
一方の川田はテンポの良い攻めで、特にストレッチ・プラグの見せ方が素晴らしかったですね。
ただ特に年間最高試合に押したくなるような要素は見受けられず。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:3/4/12)
1993年
C天龍源一郎vs.長州力(新日本プロレス 1/4/93)
むき出しの感情はリアリティーがあるし
一つ一つの技を、相手を切り捨てるようにぶつけ合います。
しかし技に行くまでの流れの作り方は大味で
相手がリアクションで火花を散らしてくれることで
点と点が何とか繋がっていくような状態です。
かといって点において特別記憶に残るような技があった訳でもないのです。
煮詰まった状態からの終盤の盛り上がりは素晴らしかったですが、
わざわざこれを年間最高試合に選ぶ理由には乏しい。
女子を意図的に外したのは明らかですがそれにしたってね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:3/4/12)
1994年
D大仁田厚、ターザン後藤vs.天龍源一郎、阿修羅原(WAR 3/2/94)
熱の中で適当に技をかけています。
天龍が多少えぐいことをしようと
孤立する大仁田は何もしないし、
何もしない中での見せ方も出来ない。
阿修羅原は存在感なしです。
まったくもって中身のない試合ですが
それをかろうじて形をつけたのは後藤のおかげです。
控えにおいても大仁田を心配する様を見せて感情移入させ
試合を展開付ける動きもほとんど担っています。
大仁田のレベルが低く、
こんな大仁田に天龍が負けを飲んだことに衝撃を受ける一戦。
平均レベルです。
(執筆日:3/4/12)
注目試合の詳細
なし試合結果
@ブラスナックル王座戦、ノー・ロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ:大仁田厚(ch)vs.ターザン後藤(FMW 8/4/90)Aハルク・ホーガンvs.天龍源一郎(SWS・WWF 12/12/91)
B三冠王座戦:スタン・ハンセン(ch)vs.川田利明(全日本プロレス 6/5/92)
C天龍源一郎vs.長州力(新日本プロレス 1/4/93)
D大仁田厚、ターザン後藤vs.天龍源一郎、阿修羅原(WAR 3/2/94)