TOPコラム他 →US indy/AAA:Teddy Hart vs. Jack Evans Series

US indy/AAA:Teddy Hart vs. Jack Evans Seriesの分析


名勝負 なし
好勝負 クルーザー級王座トーナメント準々決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 3/22/09)

準決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 3/22/08)

テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 5/2/08)

@テディー・ハートvs.B-Bump(Wrestle-Aid 5/16/04)
 B-Bumpというマスクマンの正体はエヴァンス。
 この頃からテディーにとってエヴァンスは格好の相手だったようで
 今ほど独創的な殺人技でこそないものの
 危険な角度、勢いで技を叩き込んでいきます。
 しかしエヴァンスがマスクで表情が見えず、また動きが足りないので
 技をつなぐストーリーに乏しい無駄な羅列に陥っている事は否めません。
 試合としては中々評価できない。
 悪くない試合。

Aテディー・ハートvs.B-Bump(8/22/04)
 エヴァンスがマスクを脱いで再戦。
 まずは前回さぼったレスリングで始めます。
 やはり最初に両方の戦う意思を示しておくのは良いですね。
 中盤はエヴァンス反撃時の意思疎通が出来ておらず
 攻防がスムーズに進まなかったものの
 前回よりは攻防に流れがあるし、
 相手の得意技に対するカウンターといった見せ場もある。
 依然として勝敗がつかない理由づけが足りないものの前回よりは良い。
 平均より少し上。

B準決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 3/22/08)
 テディーが真面目です。
 テディーが真面目です。
 珍しい事なので2回言いました。
 ハート・ファウンデーション2.0を組んでいるだけに意識しているんでしょうかね。
 さて試合を振り返りましょう。
 序盤はエヴァンスの仕掛けたレスリングに対しテディーが反応していくもの。
 テディーはハイ・フライヤーにもかかわらず
 凄くレスリング・センスがありますからね。
 素晴らしい動きで切り返したり、エヴァンスが身体能力を活かして着地できるような返しを見せます。
 またエヴァンスも仕切りに場外で間を置いており
 こういう試合で自分はどうすべきかを分かっていますね。
 エヴァンスは逃れられずテディーが自ら離す形から間を置いたのも多かったですが
 今回はロング・マッチになったので結果的に良かったですね。
 その延長上の方向で軽く中盤を済まし両者ダウンをいれると
 ここからのクライマックスが圧巻です。
 技種の性質を理解したテディーが主に攻めを担当しながら
 エヴァンスの驚異的な粘りをクローズ・アップしていきます。
 両者ダウンを挟んでもう1回クライマックスを行うように
 これをカウント2で返したら駄目だろ、という場面はかなりありますが
 テディーが開発したデンジャラス且つオリジナルティーある様々な技による
 驚きと面白さが圧倒的に先行します。
 そうなるとどう締めるのかだけが問題になってきますが
 2つ目のクライマックスまで場外の攻防を温存しておき
 ダイブからの滑り込み場外10カウントアウト・フィニッシュに持って行き素晴らしいです。
 欲を言いいますとね、ダイブがエヴァンスの
 側転・バク転からのコークスクリュー・ボディ・アタックなんですが
 これは持ち技ですからね、テディーに対抗してワン・ナイト・オンリーのダイブを見せてほしかったです。
 今まではストロング戦がエヴァンスのシングル・ベストでしたが今回で塗り替えましたよ。
 ぎりぎり好勝負。
 かなり面白かったです。
 (執筆日:3/?/09)

Cテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 5/2/08)
 前回素晴らしい試合を見せたカードですが更に完成度を上げてきましたよ。
 まず序盤。
 前回のテディー自ら離すという事もなくテンポが向上しています。
 中盤は前回大技の繋ぎに使っていた技を上手く並べています。
 終盤は場外とロープ・ブレイクを利用することで
 開発した危険技や難易度ハイ・フライを連続で使う事を可能にしています。
 只完成度が上がって理路整然とし
 猥雑さが無くなった事で観客側が受ける熱、良い意味での暴走は弱くなっています。
 個人的にテディーの姿に嬉々として人体実験に取り組む医者のような狂気が見えるといいますか。
 危険な技を存分に打てるからやる気を起こしているんじゃないか、と思わされて・・・。
 エヴァンスが無茶するのは性で、ある意味望んでの事ですから後味が悪いとまでは言いませんけどねぇ。
 その点を除けばエヴァンスのシングル・ベストを更新した
 文句なしに好勝負、凄い試合です。 
 (執筆日:3/?/09)

Dクルーザー級王座トーナメント準々決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 3/22/09)
 トーナメントということで図らずもタッグ・パートナー対決が実現。
 パートナーだからと尊重し握手を求めるエヴァンスに対し、
 テディーは王座への執着むき出しに襲いかかります。
 2人の立ち位置にしっかり根ざしながら
 必要なスポットを必要な場面で織り交ぜて展開。
 この2人ならではの過激な技がそんなに目立たない程
 結びつき自体の強い構築でした。
 応援を引き出して行く流れから
 最後は見事なカウンター・フィニッシュで締めました。
 ぎりぎり好勝負。

Eテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 6/28/99)
 エヴァンスが蹴りを多用。
 それに応じる形でテディがレスリング・スキルでコントロールしています。
 ただエヴァンスのダメージ力のなさは明らかで不自然さは残る。
 テディーがエヴァンスをダウンさせ完全に主導権を握ると
 観客を煽った後はえげつない技の数々。
 会場の鉄柱からムーンサルトというスポットもありますが、
 基本的にはエヴァンスを追い込み、その粘りで盛り上げる一本勝負。
 概ね計画通りに事は運んでいましたが、
 最後に悪徳レフェリー、ティランテスJr,が手を出しての高速カウントというフィニッシュを筋書きに持ってくるのがAAA。
 GMのペーニャが出てきてティランテスJr.を追放し観客は盛り上がっているものの
 こちらとしては同じ反応を示すことはできないですねぇ。
 中々良い試合。

Fテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(ROH 12/19/09)
 何とか会場に到着した2人。
 彼ら自身が試合を見せてやると言って始まる上
 レフェリーが存在しないので(一応終盤はスモークスがカウント)
 自己満足過ぎる技の披露会になっています。
 この絡みは究極的な技を生み出すけれど
 レスラーとしての致命的な欠陥が出てスポット・フェストという試合の形にもなりきれず。
 PWSのようにちゃんとした形でならこのカードは大歓迎なのだけど。

Gテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 6/30/12)
 テディーの攻/エヴァンスの守のイメージが強いだけに
 エヴァンスから不意打ちのトペコンを放ち、
 遺恨そのままに攻めかかっていったのは印象的です。
 弱い攻めもありますが場外ダウンのテディーに450を食らわせるような強烈なシーンもあった。
 悪徳レフェリー、ティランテスJr.が回復の時間を稼いだところからテディーがひっくり返します。
 技のバランスは良いのですが全体的に攻守の切り替え量が少なめ。
 エヴァンスの表情含めたぐったり受けは応援を誘うし、
 テディーは会場の鉄柱からムーンサルト含め強烈な攻めを見せていたので
 上々のクオリティを誇っているがもっとライバルならではの競い合いがほしかった。
 中々良い試合。

 (執筆日:3/2/13)

注目試合の詳細

B準決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 3/22/08)
  握手を交わす。
  エヴァンスがヘッド・ロック。
  テディーがグラウンドに倒すもエヴァンスは離さない。
  テディーが後転してフロント・ヘッド・ロックに返す。
  腕を取ってグラウンドに倒しレッグ・ロック。
  回転して体勢を変え別の脚や顎も捕らえる。
  テディーが離す。
  エヴァンスは場外に出て間を置く。
  リングに戻る。
  エヴァンスがヘッド・ロック。
  テディーはバック・ドロップに返そうとする。
  エヴァンスが着地しヘッド・ロック。
  グラウンドに持っていく。
  テディーがグラウンド・ヘッド・シザースに返す。
  エヴァンスは前転してすり抜けるとドラゴン・スリーパー。
  テディーは後転してすり抜ける。
  エヴァンスが不意をついて蹴りつける。
  殴りつけフロント・ヘッド・ロック。
  テディーが後ろに投げる。
  エヴァンスは着地するとドロップ・トー・ホールドからフロント・ヘッド・ロック。
  テディーはハンマー・ロックに返すと腕にニーを落とす。
  リスト・ロック。
  グラウンドに倒す。
  離す。
  エヴァンスは場外に出る。
  リングに戻る。
  テディーが牽制でハイ・キックを放つ。
  エヴァンスは避けると蹴りかかる。
  殴りつけ頭部を蹴りつける。
  カバーするもカウント2。
  チン・ロック。
  テディーは背中に担いで起き上がるとスナップ・メア・ドライバーに切り返す。
  十分逸らしてからシェリー・ショックの形で脳天から落とそうとする。
  エヴァンスは着地するとソバット。
  チン・ロック。
  リスト・ロック。
  テディーは倒立する。
  エヴァンスは背中に担ぐとスラム。
  カバーするもカウント2。
  ネック・ブリーカーを狙う。
  逆にテディーがネック・ブリーカーを決める。
  両者ダウン。
  殴り合い。
  ロープにもたれながらもエヴァンスがクローズラインへ。
  テディーは避けると錐揉みで投げ上げボム。カウントは2。
  レッグ・ドロップ。
  アラビアン・プレスを決める。カウント2。
  胸にニーを叩き込んでいく。
  腕と脚を取って反り挙げる。
  そこからDDT。
  エヴァンスを起こすと殴りつける。
  背に逆さまに担ぐとドライバー。
  コーナーにのぼりシューティングスター・プレスへ。
  エヴァンスが両膝を立てる。
  テディーが起き上がる。
  エヴァンスが側転からバク転で肩にのりリバースDDT。
  カバーするもカウントは2。
  630°セントーンへ。
  テディーが両膝を立てて迎撃する。
  テディーがハート・アタックを決めるも腰が痛む。
  カバーしに行くもエヴァンスの脚がロープにかかる。
  レフェリーに抗議する。
  その隙を突いてエヴァンスがバック・スライド。
  ブリッジするもカウントは2。
  エヴァンスが蹴りつけていく。
  ダウンしたテディーにスタンディング・コークスクリュー・プレス。
  テディーがロープを掴む。
  エヴァンスは蹴りにソバットを入れるとロープに走る。
  テディーがバック・ブリーカー。
  そのまま反対方向でバック・ブリーカー。
  両者ダウン。
  ゴーリー・スペシャルに捕らえるとそこから前に回してのボム。カウントは2。
  何とか起き上がるとエヴァンスを場外に投げ捨てる。
  場外に下りると殴りつける。
  エプロンに上がりスプリングボード式ムーンサルト。
  場外カウントが進む。
  テディーは起き上がると場外カウントをカットしレフェリーに中指を立てる。
  エヴァンスをエプロンに振る。
  エヴァンスがエプロンに跳びのりムーンサルトを決める。
  更に柵から450°スプラッシュ。
  リングに戻してカバー。カウントは2。
  コーナーに振る。
  スペース・ローリング・エルボーでエプロンに移動するとスプリングボード式の技へ。
  テディーがドロップ・キックで迎え撃つ。
  テディーは首切りポーズ。
  エヴァンスの胸にニーを叩き込む。
  ダブル・アーム・パイル・ドライバーを決める。
  カバーするもエヴァンスの脚がロープにかかる。
  テディーは信じられない様子で悪態をつく。
  ふらふらのエヴァンスを起こすとダブル・アーム・ロックを決めパイル・ドライバーを狙う。
  防がれ下ろすも即座にカナディアン・デストロイヤー。
  カバーするもカウント3ならず。
  パワー・ボムを狙う。
  エヴァンスは反転するとリバース・ハリケーン・ラナ。
  たまらず場外に出たテディーに側転・バク転からのコークスクリュー・キック。
  場外カウントが進んでいく。
  テディーがリングに戻ろうとする。
  エヴァンスはその後ろにいたが飛び込んで入り追い越す。
  そこで10カウントとなりエヴァンスの勝利(21分)!


Cテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 5/2/08)
  エヴァンスがまずは回転ダンスを見せる。
  テディーが倒立にバク転を見せる。
  テディーが後ろに投げる。
  エヴァンスは場外に出る。
  リングに戻る。
  テディーが担いで倒そうとする。
  エヴァンスが着地して距離をとる。
  エヴァンスがバックを取る。
  テディーはリスト・ロックに返すと脚を取って倒しチン・ロック。
  エヴァンスがロープを掴む。
  テディーは腕を取ると脇に頭を入れ投げる。
  エヴァンスが着地する。
  テディーがヘッド・ロック。
  回転して脇固めに持っていく。
  エヴァンスが前転して起き上がる。
  テディーは側転から腕を取り返す。
  テディーはコーナーを駆け上がるとそこから飛びアーム・ドラッグ。
  エヴァンスは場外に出て間を置く。
  リングに戻る。
  テディーがヘッド・ロック。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  エヴァンスがスピン・キックを放つ。
  避けられロープに走る。
  テディーがパワー・スラム。カウント2。
  スナップ・メアからチン・ロック。
  エヴァンスは起き上がると首を掴んで跳びあがる。
  空中で体勢を変えヘッド・シザース。
  テディーを蹴りつける。
  起こしてハンマー・ロック。
  テディーはコーナーを使ってリバースDDTに持っていく。
  ボディ・スラムからアラビアン・プレス。カウント2。
  ロープ際にうずくまっているエヴァンスがテディーの腹にエルボーを打つ。
  蹴りつけてエプロンに移動するとスプリングボード式一回転のクローズライン。
  カバーするもカウント2。
  エプロンからロープ越しに飛び一回転のボディ・プレス。カウント2。
  変形のバタフライ・ロック。
  テディーが回転してロープに逃げる。
  エヴァンスはテディーの腰を殴りつける。
  ロープに振るとスペース・ローリング・エルボーを決めエプロンに移動する。
  スプリングボード式の技へ。
  テディーがカウンターでドロップ・キックを入れる。
  サモアン・ドロップ調のフェイス・バスター。
  カバーするもカウントは2。
  ゴーリー・スペシャルから前に回してのボム。カウントは2。
  ネック・ブリーカー・ドライバーを決めカバー。カウント2。
  起こそうとする。
  エヴァンスがテディーの腹を殴りつける。
  テディーがヘッド・バッド。
  エヴァンスがハイ・キックを放つ。
  テディーは避けると空中に錐揉みで放り投げてボム。カウントは2。
  エヴァンスはたまらず場外に出る。
  テディーは後を追うと観客席のブレーン・バスター。
  場外カウントをカット。
  椅子の上に立つとそこでパイル・ドライバー。
  場外カウントをカット。
  起こしてエプロンにぶつけようとする。
  エヴァンスはエプロンに跳び乗るとムーンサルト。
  テディーをリングに戻すとスプリングボード式450°スプラッシュ。カウントは2。
  コーナーにのせると雪崩式ハリケーン・ラナを狙う。
  押されてムーンサルトで着地する。
  そこにテディーがコーナー上から飛びついてDDT。
  テディーがエヴァンスにベア・ハグ。
  そこからのバタフライ・スープレックスを決める。
  カバーするもカウントは2。
  ダブル・アーム・カナディアン・デストロイヤー。
  カバーするもエヴァンスの脚がロープにかかる。
  エヴァンスを起こしエルボーを叩き込む。
  パワー・ボムを狙う。
  エヴァンスは持ち上げられるも逃れるとスピン・キック。
  スタンディング・コークスクリュー・シューティングスター・プレスにつなげる。カウントは2。
  コーナー上から630°セントーンへ。
  テディーが両膝を立てて迎え撃つ。
  パワー・ボム・ダブル・ニー・バック・ブリーカーを決める。
  ハート・アタックで1,2,3!
  テディーの勝利(14分半)!

試合結果

@テディー・ハートvs.B-Bump(Wrestle-Aid 5/16/04)
Aテディー・ハートvs.B-Bump(8/22/04)
B準決勝:テディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 3/22/08)
Cテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(PWS 5/2/08)
Dクルーザー級王座トーナメント準々決勝:テディ・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 3/22/09)
Eテディ・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 6/28/99)
Fテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(ROH 12/19/09)
Gテディー・ハートvs.ジャック・エヴァンス(AAA 6/30/12)