Cirque de Soleil:Corteoのレビュー
内容 | 空想上のキャラクターと優雅なアクロバットによるお祭りのパレード。 「コルテオ」はイタリア語で"行列"を意味し、道化師の想像の世界での楽しいお祭りのパレードです 。アクターの情熱とアクロバットの優雅さ と力を合わせもつこのショーは、 天と地の間の不思議な空間生まれる 、楽しくコミカルでのびのびとした世界に観客を誘います。 優しい天使にそっと見つめられながら 、道化師は カーニバルのような雰囲気の中で行われる自分自身の葬式を描きます。大きいものと小さいもの、滑稽さと悲劇、 完璧な魔法と不完全なものの魅力が重なり合い、ショーは道化師の強さと弱さと同時に知恵と優しさにも焦点をあて、私たちの中にある人間的な部分を描き出します 。 交互に奏でられる抒情的な音楽と陽気な音楽が、幻想が現実をからかうかのような、 時を超えた祭典「コルテオ」を際立たせています 。 (公式HPより) |
演目リスト | ・シャンデリア:回転するシャンデリアにぶらさがる演技。 ・バウンシング・ベッド:2台のベッドがトランポリンとなっていて跳ね回る。 ・シール・ホイール:金属のリングに掴まり、その状態で回る芸。 ・タイト・ワイヤー:上空に張られたロープの上を綱渡り。 ・ジャグリング:4人が入れ替わったりしながらジャグリング。 ・ティーターボード:シーソーの両端にのってそれぞれ飛び上がっていく。 ・パラダイス:櫓から櫓へ人間ブランコで飛び移るほか、下の安全ネットを使ったトランポリン。 ・アダージョ・デュエット:ミゼット2人がポーズを決めていく芸。 ・リズミック・ジムナスティック:3人組がボール、リボン、フラフープを使ってダンス。 ・アクロバティック・ラダー:垂直に立てた片足ラダーを登っていきます。 ・エアリアル・ストラップ:上空から吊り下げられたストラップに手首を通して飛び上がったりする演技。 ・トゥルニック:鉄棒を正方形に組み合わせ、外にまた鉄棒を配置しています。それらを飛び移っていく芸。 |
レビュー | 最初に大聖堂を模した垂れ幕がでんと現れるのはインパクトあるし、 シャンデリアが回っている光景もダイナミックです。 誰もがやった事あるベッドのトランポリンをサーカスの芸としてやってしまうのも面白い。 パラダイス、トゥルニックもトリプル・ケージ・マッチばりの装置です。 ただこう書いてきているようにセットとしての妙、ビジュアル面ばかりが目立つ。 演技面から見るとシャンデリアなんて動きを制限するものでしかありませんし、 バウンシング・ベッドは予想の範囲内、 シール・ホイールはリングの幅が狭いので難易度は高まっているが代償として動きは狭まっている。 ティターボードも飛ぶ高さばかり求めるもので変化に乏しく、 パラダイスは安全ネットを組み合わせた事でスリル・難易度は著しく低下。 アダージョ・デュエットはミゼットなのでどうしても見劣りするし、 リズミック・ジムナスティックは道具の数で誤魔化し。 素直に良かったと思えるのはジャグリング(最後ミスしてやり直したけど見事)、 アクロバティック・ラダー、トゥルニックぐらいでしょうか。 まあトゥルニックは何をするか、よりもどう難しくするか、の意識が少々強かったですけどね。 とにかくサーカスとしては物足りないですね。 演目の間の普段ピエロが担当する部分は、半分に分けられていて 片方は死んだ主人公が関わってのショート・ショートの演目。 もう片方はいつも通りピエロなどがメインとは関わらないコメディーをやります。 ピエロが若くて観客とのやり取りの中で生み出す笑いが見られなかったのは残念ですし、 死んだ男の夢という題材に沿ったオムニバスとしては良好ながら その男がピエロであるというサーカスならではの設定を感じさせる要素がなかった事、 そして国境を越えて楽しめるはずのサーカスなのに言葉に頼りすぎている事が大きな問題です。 機械仕掛けの自動化システムを多用するという設計コンセプトも 見ている側からするとサーカスの身体性、エネルギーを奪っているだけに過ぎません。 演劇としては良いもののサーカスとして見るとがっかりする。 |
お勧め度 | ★★☆☆☆ |