TOPアメリカン・プロレスWWE 1994年 →WWE:Summerslam 8/29/94

WWE:Summerslam 8/29/94の分析


名勝負 WWF王座戦、ケージ・マッチ:ブレッ ト・ハート(ch)vs.オーエン・ハート
好勝負 なし

日本語版でレビューしています。
日本語版には4,5試合目が収録されていません。
3試合目がダイジェスト収録 です。
3試合目はHBK とディーゼルの仲間割れのきっかけとなった試合。

メインのテイカーvs.偽テイカーですが
試合はひどいものの、プロモ、ストーリーは秀逸です。

EWWF王座戦、ケージ・マッチ:ブレッ ト・ハート(ch)vs.オーエン・ハート
 (反省も兼ねて以前書いたものを残しておく)
  WMで至高の兄弟対決を見せたこの2人が
 ケージ・マッチで激突というと聞こえが良いけれど・・・
 世界中のどこを探してもこの試合程過大評価されているものは見つかりませんよ。
 内容としては、
 (ケージor扉から脱出を狙う)
 →(ケージを活かした雪崩式系の投げor防いで技を1つ決める)の繰り返し(カバーは1回も無し!)。
 何を目指しているかは何となく分かるんです。
 1つには、いつ決まるか分からないスリリングな一面を与える。
 そしてもう1つ、これがメインでしょうが
 通常形式で行う、グラウンドからどう動かしてどう戻すか、
 というクラシック・スタイルをケージ・マッチに応用しようという挑戦的な試み。

 この方法の大きな問題はですね。
 挑戦的な試みではなく縛りプレイに過ぎないという厳然たる事実です。
 グラウンド・サブミッションがダウンになり
 動かし方は扉かケージかの2通りだけ
 しかも実質的に行ってそれは単発と同等となる訳ですから
 よっぽど上手くやらないと恐ろしく単調な一戦に陥いる事です。
 そして単調になった時これは「必殺技をカウント2で返すのを繰り返す」事と同質になり
 スリリングさも消し飛びます。

 只ややこしいのは2人がこの縛りプレイを上手くやれていない訳でも無いって事です。
 体をどれだけ出すか、どれだけダウンするか、
 そのまま降ろすのか投げるかの選択、
 難しい課題という事を考えれば良くやっていたと思います。

 しかしそれを台無しにしたのが試合時間です。
 31分という長すぎる時間の前に
 それぞれの微妙なさじ加減は消え去るも同然です。
 実際大きなカットが1つ入り18分になっている
 日本語版ビデオの試合は結構楽しむ事が出来ました。
 それでもこの時間で再構築しても
 ぎりぎり好勝負いくかどうかのレベルだと思いますけどね。

 ついでながらこのコンセプトはまったく抗争にあってませんでしたね。
 WMで勝利しKOTRも制覇し日陰者から脱出を図るオーエンは鬱々とした憎しみをぶつけ、
 それに対してブレットも覚悟を決めて迎え撃つ、
 ってのがストーリー・ラインですからね。
 まあ、そもそも極端過ぎるので
 WWFでは似つかわしい状況が考え付かないですが・・・
 向こうで5スター・マッチの評価を受ける理由が分からない。
 世界10番目の不思議に認定です。

 (ここからリレビュー)
 問題は私の微妙な勘違い、間違いにありました。
 まずカバーしないのは勝利方法が脱出オンリーだからです。
 当然カバーはしない。
 当たり前ですね。

 またレビューを書くに当たり自ら複雑に難しくしていた。
 単純に94年のブレットの、表現を重ねずとも最高峰に重い異常なインテンシティーに驚くべきだったし、
 それによって実現される、相手に合わせず脱出を狙っても
 50%/50%のシーソー・ゲームの鬩ぎあい、とそこに付与された勝利への執念を見せれる事に感嘆するべきであった。
 概念的に見方は正確だったと思うが、
 それを本当に理解していたならば詳細レビューを書くに当たり、
 映像を所々で止める、という行為がこの巧みに組み合わされたガラス細工の均衡を壊す危険性に気づくべきであった。
 それはどのようにでも時間を取れる行動の中で、
 彼らが繊細な微調整と感覚で選択した実際の間、それと私が感じる間をずらす事になったし、
 その間は観客のエネルギーを取り込むように設計された間であったから、
 それを放棄した結果、単調だと感じたのは自業自得であった。
 また以前の見方をアップデートするならば
 リング中央を基点とした水平線のオールドスクールだけに留まってはおらず
 後半はケージ天辺の境界に視点を向けたV字型のニュー・スクールを生み出している事も書き記しておかねばならない。
 彼らは特異的な世界においてリアリズムを作り出し、死闘のレベルにまで高めた。
 ただここまで分かってもその ゲーム的な脱出ルールに対して
 日本人的気質のせいなんだろう、最後の一歩のりきれない所があるので、
 その点だけ減点し文句なしに名勝負と変更する。
 (執筆日:6/4/10)  
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

EWWF王座戦、ケージ・マッチ:ブレッ ト・ハート(ch)vs.オーエン・ハート
  ブレットがリングに入るなりオーエンが襲い掛かる。
  ラフ・ファイトで攻める。
  ブレットがアトミック・ドロップからクローズライン。
  オーエンが先に起き上がりサミング。
  肩紐で首を絞めケージにぶつけようとする。
  ブレットは脚をかけて防ぐとDDT。
  殴り勝ちレッグ・ドロップを決めるとケージに登る。
  オーエンは引き摺り下ろすと延髄切り。
  ケージを 登っていく。
  半身がのりこえる。
  ブレットはオーエンを引き戻しトップ・ロープに立たせるとバック・ドロップ。
  (日本語版ビデオはここからカット)
  ブレットが扉に向かう。
  オーエンは脚にしがみつき防ぐとコーナーに振る。
  ブレットが蹴りつけブルドッグ。
  扉に向かう。
  オーエンが脚を掴み自身が出ようとする。
  ブレットが脚を掴み再び扉に向かう。
  オーエンが戻し扉へ。
  ブレットが戻そうとする。
  鉄階段を掴んで耐えるオーエン。
  ブレットはキャメル・クラッチを決めて引きずり戻す。
  ケージを登る。
  オーエンはブレットを捕まえるとトップ・ロープに立った状態から投げ落とす。
  オーエンがケージを登る。
  全身が越える。
  ブレットは髪を掴んで戻す。
  両者コーナー上に立つ形に。
  殴りあう。
  ブレットが落ちる。
  オーエンはブレットを蹴り飛ばすとミサイル・キック。
  ケージに飛びつき登っていく。
  全身が越える。
  ブレットがオーエンの体をケージの内に戻すと追い越そうとする。
  オーエンが殴りつけブレットをケージ内に戻す。
  両者トップ・ロープに立っている状態。
  ブレットが殴りつけて落とす。
  登ろうとするも落ちた様子。
  オーエンが殴りつける。
  ブレットは投げ捨てるとヘッド・ロック。
  ロープに振られる。
  ショルダー・タックルで相打ち。
  オーエンが扉に向かう。
  ブレットがしがみついて防ぐ。
  殴りつけエルボー・ドロップ。
  ケージを登っていく。
  オーエンが引っ張りケージ内に戻す。
  引っ張りトップ・ロープに立った状態からリングに叩きつける。
  扉に這っていく。
  ブレットが脚にしがみつく。
  中央に戻すと腹にヘッド・バッド。
  セカンド・ロープからエルボー・ドロップにいくも自爆。
  オーエンがケージを登る。
  半身が越える。
  ブレットが戻そうとトップ・ロープまで登る。
  オーエンをケージ内に戻すとトップ・ロープに立った状態から投げ捨てる。
  ブレットがケージを登っていく。
  オーエンが戻して同時に担ぐ。
  サモアン・ドロップを決める。
  オーエンがケージを登る。
  ブレットがしがみつき戻す。
  オーエンがブレットをケージにぶつけようとする。
  ブレットが防ぎ逆にオーエンをケージに叩きつける。
  ケージを登っていく。
  下半身が越える。
  オーエンは引っ張って戻すとトップ・ロープからのバック・ドロップ。
  オーエンは起き上がるとパイル・ドライバー。
  (日本語版ビデオはここまでカット)
  ケージを登っていく。
  ブレットも追いつきトップ・ロープに立つ。
  オーエンがブレットを殴り落とすも体勢を崩し股間をロープに打つ。
  ブレットが扉から逃げようとする。
  オーエンがしがみつき戻そうとする。
  マウント・パンチを決め扉から上半身が出る。
  オーエンも追いすがる。
  ブレットにマウント・パンチを決め今度は自身が出ようとする。
  ブレットは引っ張って中央に戻すとスリング・ショットでケージにぶつける。
  ブレットは這って扉から出ようとする。
  しかし1度方向を間違えたため防がれてしまう。
  ブレットをコーナーに振る。
  ブレットがボディ・スラムを狙う。
  オーエンが後ろに逃れオコーナー・ロールへ。
  ブレットが体勢を低くしオーエンをケージにぶつける。
  ブレットがケージを登る。
  オーエンが起き上がるも倒れる。
  ブレットの下半身が外に出る。
  オーエンは何とか復活すると髪を掴んで引っ張り戻す。
  ロープに振りニール・キック。
  オーエンがケージを登る。
  半身が外に出る。
  ブレットが戻そうとケージを登る。
  オーエンの全身が外に出るも髪を引っ張り戻す。
  両者トップ・ロープに立っている状態。
  オーエンが殴りつけていく。
  ブレットが蹴りつけて落とす。
  そのままケージを越えようとする。
  オーエンが引っ張り戻す。
  ブレットをロープに振ろうとする。
  振り返されるもクローズラインを決める。
  オーエンがケージを登る。
  ブレットは追いつくとケージ越しのスーパープレックス。
  ブレットが扉に向け這っていく。
  オーエンが脚を掴み中央に戻す。
  そしてシャープ・シューターを決める。
  ブレットは倒すと逆にシャープ・シュターに捕らえる。
  解くとケージを登っていく。
  全身が外に出る。
  オーエンは飛びついて髪を掴むと引き戻してパンチ。
  ブレットも落ちるがオーエンも落ちる。
  オーエンがケージを登っていく。
  全身が外に出る。
  ブレットもケージを登り追いつく。  
  ブレットが オーエンをケージにぶつけるとオーエンは宙吊り状態に。
  ブレットが飛びのり勝利!
  ナイドハートが乱入。
  ブレットを リングに入れると扉をロックしオーエンと共にブレットを痛めつけていく。
  ハート・ファミリーが助け ようとケージを登るも落とされて入らない。
  スミスが何とかリングに入 るや2人は去っていく。

試合結果

@バン・バン・ビガロ、I.R.Svs.ヘッ ド・シュリンカーズ
A女子王座戦:アルンドラ・ブレイズ (ch)vs.ブル中野
BIC王座戦:ディーゼル(ch)vs.レイザー・ラモン(新チャンピオン!)
Cタタンカvs.レックス・ルガー
Dジェフ・ジャレットvs.メイベル
EWWF王座戦、ケージ・マッチ:ブレッ ト・ハート(ch)vs.オーエン・ハート
Fベアラーのアンダーテイカーvs.デビアスのアンダーテイカー